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繰り返す、きみといつまでも。  作者: うちの生活。


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2064年9月

 まだまだ日中は暑い日が続いてるけど、朝と夜は随分と涼しくなってきた。ただ、季節が変わったところで、家からほぼ出られないという状況は変わらない。


 パソコンを起動して、在宅の仕事を紹介しているサイトを開く。いい暇つぶしになるから、最近の日課になっている。


 どれどれ、今日はどんな感じかな。


 掲載されている仕事の大半には応募することができない。専門的な知識が必要であろうプログラム作成だったり、取材が必要そうなライターの仕事だったり。仕事に必要な資格をとろうにも、記憶がなくなれば無駄になる可能性が高い。いつどうなるかわからないから、何日もかかるような仕事も難しい。相手に迷惑がかかってしまうかもしれない。そんな中でまともにできそうなのは数時間で終わるようなデータ入力の仕事くらい。何もやらないよりはいいかとやっているけど、これは本当に仕事なんだろうか。たまに、企業の説明会に配信で参加するだけとか、よくわからないのもあった。もらえる金額だって、仕事で稼いだというよりは手伝ったおこづかいみたいな金額だ。


 せめて、外に出られたらな…。単発の仕事とか行けるのに。


 外に出ようとする事。これも日課になっている。今のところ、具合が悪くなるところまでがセットという残念な日課になっている。


 夕食を済ませた後はテレビを眺めて過ごす。これも日課。今の俺になってから、映っている人を見ても何かを思い出す事はなかった。今は日々のニュースや気温を眺めて過ごしているだけ。


 21時頃、ばあちゃんが「そろそろ寝る」というのに合わせて自分も部屋に戻った。


 パソコンで動画を見ようかと思ったけど、本を手にとった。いつでも寝られる体勢になって読み始める。この部屋に置いてあった古いSFものの小説だ。最後まで読んでみてわかったが、部屋にあったのはごく一部だけだった。物語の続きが気になり、ネットで調べてみると十冊以上は発行されていた。発行された年が古いだけに探して購入するのは大変だったけど、なんとか全て揃えた。


 メインのストーリーとしては、銀河を支配する帝国軍と反乱軍みたいな二つの陣営に分かれての戦いを書いたもの。空想上の兵器で戦ったり、いろんな乗り物で移動したり、いろんな星に行ったり。敵が味方になったり、その反対もあった。現実でそんな事がないだけに、読んでいてすごくわくわくさせられた。


 これ、映画になってるの最初の方だけなんだよなぁ⋯。


 かなり昔の小説だけに、続編が作られる可能性は低いだろう。それはとても残念なことだ。


 ⋯そういや、前の俺はこんな数十年も前の本や映画をどうして見てたんだろう?親の趣味だった?読んでみたら面白かったからもらったとか?なんか昔の映画の再放送見たとか?


 小説を読んでいたのに、別な事を考え始めてしまい、続きを読む気にならなくなってしまった。いくら考えたところで答えは出ないことなのに。


 ⋯今日はそろそろ寝ようかな。


 いろいろな事がわかる日はくるんだろうか。


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