13/27
いつかのプロポーズ
調子に乗って少し食べすぎたかな。お腹が苦しい…。も少し落ち着かないたら温泉に行こうかな。
部屋に戻って大人しくテレビを見ていると、亮がガサゴソと荷物の中から何かを探している。
『ねぇ、美穂』
『うん？』
『結婚したいな』
亮が荷物の中から、テーブルの上に何かを置いた。
『いつも言ってるじゃん。そのうちしようって。ってか、これ何？』
『開けてみて』
言われた通りに開けてみると、小さいけれどダイヤのついた指輪が入っていた。
『亮、これって…』
『いつも言ってるけど、これはほら…本気のやつ。ちゃんと言おうかと』
『…うん…』
『美穂、ずっと一緒にいたい。結婚してください』
『……もちろん、いいに決まってる』
『良かったぁ』
随分と安心したような顔をしている。断るわけないのに。
『いいんだけど！いいんだけどさ、もう少し場所とタイミングを考えて欲しかったなぁ』
『え？旅行先でいい雰囲気じゃない？』
『ほら、少しお洒落なレストランとかさ、夜景がきれいなとことかさ』
『いやいや、リアルでそんなのできないって。俺にはこれが精一杯だって』
『えぇーー』
ま、亮らしいプロポーズだったかな。
