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恋愛記録ファイル(学生時代編)

裏切りの恋

作者: 涼

中学校を卒業して高校に入学した私は恋愛なんてどうでもよくなっていた。女の子という存在は私にとって性のはけ口でしかなかった。気に入った女の子がいたら、すぐに告白してフラれることもあったが心は痛くもなかった。隙だらけの女の子と出会ったら見境なく手を出していた。私は音楽ギターに没頭していたこともあって、恋愛については軽く考えていたのだ。恋だの好きだのそんな感情は綺麗ごとで、本当はただ性欲を満たしたいだけのものだと思っていた。私は女の子という存在に対してかなり屈折した考えを持っていたのだ。


そんな考え方をしながら生活して一年半ほど経った・・・


ある日、音楽仲間でもあり後輩である倉本美咲という女の子から電話がかかってきた。


「もしもし、突然どうしたの?」

「あのね、あなたに是非紹介したい女の子がいるんだけどどうかな?今彼女とかいる?」

「彼女はいないけど、でもどうして俺に紹介したいの?」

「同じクラスメイトの女の子なんだけど、あなたと音楽の趣味がすごく合うと思うの」

「ほうほう。それは会って話をしてみたいね。その女の子ってどんな感じ?」

「すごく穏やかで優しいかな。それに結構可愛いと思うよ。あなたのことを話したら、その子も是非紹介してほしいって言ってるの」

「わかった。じゃあ会ってみるよ。いつ会わせてくれるの?」

「今週の土曜日はどう?あなたの家に連れて行ってもいい?」

「じゃあ午後1時以降に来てくれればいいよ」

「オッケー!じゃあ土曜日、よろしくね!」


倉本美咲は私の一つ年下で同じ中学校だった後輩、セミロングに少し大きな目に丸顔で、別のバンドでベースを担当している。それにしても私に紹介したい女の子ってどんな子なんだろう。私は女の子を紹介してもらうことより、音楽の趣味が合う人と出会えることのほうが嬉しく思っていた。


土曜日の午後、家のチャイムが鳴った時、私はかけつけて玄関のドアを開いた。倉本美咲が紹介したい女の子を私の家に連れてきたのだ。私は「是非、入って」と言って、二人を部屋に入れた。倉本美咲は「紹介するね、同じクラスメイトの向井紗友里さんだよ」と言って紹介してくれた。向井紗友里は黒髪のショートヘアーで大きな目に少し低い鼻、唇は小さい感じで、表情はとても可愛らしい感じがした。向井紗友里は「あの、向井紗友里です。突然押しかけてすみません。よろしくお願いします」と言った。私も自己紹介をしてお茶を出した。向井紗友里は少し緊張しているようだったので「美咲もだけど向井さんも俺に敬語使わなくていいよ。普通に話そう」と私は言った。


それから向井紗友里と音楽の話をしてみた。確かに私の好むアーティストやサウンドが好きなようだ。私が少しマニアックな音楽を聴かせてみると、向井紗友里もかなり気に入ったみたいだった。音楽の話でかなり盛り上がり、時間が経つのを忘れるほどだった。すると向井紗友里が「あの、ギターやってるって聞いたけど弾いてもらってもいい?」と言ってきた。すると倉本美咲が「紗友里、一緒に歌ってみれば?」と言った。私は「これは男性の歌だぞ」というと「紗友里は男性ボーカルの歌、めちゃくちゃ上手なんだよ」と言った。私が曲を弾くとそれに合わせて向井紗友里が歌いだした。女の子なのに男性ボーカルの歌がやたらと上手いことにびっくりした。


「びっくりしたよ。向井さん歌上手だね。女の子なのにそんな低い音で男性ボーカルを歌いこなせるなんてすごいよ」

「いえいえ、そんな・・・ワタシなんて、まだまだです」

「ところでせっかくだから、連絡先交換してもらってもいい?あと向井さんって言うのも他人行儀みたいだから紗友里ちゃんって呼んでもいいかな?」

「連絡先、是非交換しましょう!あと紗友里って呼び捨てでいいよ」


向井紗友里と連絡先の交換をして、その日は暗くなったので二人とも帰って行った。


それから、私は何度か向井紗友里と電話で話すようになった。音楽の話だけではなく、日常会話や学校の出来事などの話もするようになった。かなり私と気の合う女の子だ。今まで恋愛なんてどうでもよくて、女の子なんて性のはけ口にしか思ってなかったのだが、この子となら恋愛してもいいと思えてきた。それに向井紗友里は穏やかで優しい性格なのも気に入っている。


ある日の夜、倉本美咲から電話がかかってきた。


「もしもし、美咲か。どうしたの?」

「あれから紗友里と電話で話してるみたいだけど、どう?」

「どうってどういうこと?」

「結構、気が合ってるみたいね。紗友里の話してて楽しいって言ってるしいい感じじゃない?」

「いい感じって、紗友里と付き合えとでもいうの?」

「ワタシはそれでいいって思うけどね」

「それはまだ早すぎるでしょ。もっと仲良くなってからじゃないけど」

「まあ、付き合うなら応援するから!」

「わかった。ありがとう」


向井紗友里と恋愛関係になってもいいと思っていたが、まだ数回しか話したことがないし、二人で会って話したこともないので早すぎると思っていた。これからどんどん深い関係になっていこうと思った。


数日後、私は向井紗友里に電話で話した時に「一度、二人で会って話をしないか」と誘ってみた。すると意外とあっさり「いいよ」という返事がきた。向井紗友里の家は私の最寄り駅から5駅ほどで電車一本で行けるのでアクセスは楽なのだ。そして二人で会う日が訪れた。向井紗友里の家の近くにある少し大きめなカフェに入った。


「こうして二人で会って話すのって初めてだけど、紗友里は緊張してない?」

「うん。大丈夫」

「それならよかった。ところで紗友里、一度レコーディングしてみない?」

「え?ワタシがレコーディング?」

「そう。楽曲は俺が作るから歌ってほしいんだよ」

「ワタシ、自信ないなぁ・・・大丈夫かな!?」

「大丈夫だよ。紗友里は絶対ボーカル向きだよ。あと、俺の音楽仲間にも紹介したいんだよ」

「音楽仲間ってたくさんいるの?」

「いや、特に仲のいい連中だけ紹介しておこうって思ってね。ボーカルとして他の人の意見も聞いてみたいでしょ?」

「うーん、ボーカル自信ないなぁ。でも音楽仲間が増えるのは嬉しいかも」

「じゃあ、レコーディングは来週末で、それが終わったら音楽仲間を紹介するよ」

「来週末ね。予定はないから大丈夫」

「じゃあ、来週末、ちょっとしんどいかもだけど、朝から俺の家に来てもらっていい?」

「わかった。朝からだね」


その後、私と向井紗友里は何気ない日常会話をしたりしていた。どんな話をしても盛り上がる。私は向井紗友里とかなり気が合うこともあって、好意を抱き始めた。もうあと3回くらい二人で会って話をしてから告白してもいいと考えていた。


レコーディング当日、向井紗友里は朝早く私の家にきた。私の音楽仲間が来るのは午後からなので、レコーディングは午前中に終わらせないといけない。あらかじめ楽曲は私がレコーディングしておいたので、あとは歌を入れると完成なのだ。いくら歌が上手くてもレコーディングでの歌い方は少し違うので、最初のうちは上手くいかなかった。音やリズムが少しズレたり、声量などあらゆることに気を遣わないといけない。何度も歌い直しているうちに向井紗友里もコツを掴んできたみたいで、昼前にレコーディングは完成した。


午後になり、私の音楽友達3人が家にやって来た。私は3人に向井紗友里を紹介した。そして午前中にレコーディングした曲を聴かせた。すると3人ともびっくりしていた。「これ向井さんが歌ってるの?すげー!こんな声で歌える女の子がいたんだ」と驚いて大きな声で言ったのは私の音楽仲間の一人、鈴木慎太郎だった。鈴木慎太郎は私と同じ年で、角刈り、背丈は少し高く、体格もがっちりして、見た目はどことなくスポーツマンっぽいが、私と同じギターをしている。私と向井紗友里は朝からレコーディングをしていたので昼食をとってなかったので「みんな、昼食はもうとった?」と聞いてみた。みんな昼食はまだみたいだったので、家近くにある喫茶店に行くことにした。


喫茶店に行く途中、鈴木慎太郎が私のところにやってきて、小声で話しかけてきた。


「お前、向井さんのことどう思ってるんだよ?」

「いい子だと思ってるよ」

「それだけか?密かに彼女候補になってるんじゃないのか?」

「内緒だけど、好きになってきてるから付き合ってもいいかなって思ってる」

「やっぱりそうか。まあ、頑張れよ!応援するからさ」

「ありがとう」


どうやら鈴木慎太郎は私と向井紗友里の応援をしてくれるようだ。しかし、もう少し親密な関係になるにはもうあと何度か二人で会って話さないといけない。喫茶店で昼食を終え、私の家で向井紗友里と音楽仲間達といろんな話をして盛り上がっていた。あっという間に時間は過ぎて外は暗くなっていた。帰り際に向井紗友里は「今日は楽しかった。よかったらみなさんと連絡交換してもいいですか?」と言った。よほど音楽仲間ができたことが嬉しかったのかと思った。みんなで連絡先の交換をしあってその日は解散となった。


その次の週末、私は再び向井紗友里を二人で会うことになった。以前に入ったカフェへ行きいろいろ話をしていた。


「ところで紗友里はバンド活動とか興味ない?」

「バンド活動?興味あるけどどうして?」

「紗友里がボーカルのバンドを作ってみるのはどうかなって思ってるんだけどどうかな?」

「ワタシがボーカル!?できるのかな?レコーディングでも結構やり直ししてたし自信ないなぁ」

「レコーディングとは違うから大丈夫だよ。メンバーはこれから集めるとしてやってみる気ない?」

「うーん。興味あるしやってみたいけど、本当にワタシなんかで大丈夫なの?」

「大丈夫だよ!生演奏で歌うと絶対気持ちいいよ」

「わかった。やってみる!ところで話変わるんだけど・・・あのね、ワタシのことどう思ってる?」

「どう思ってるって?」

「その、友達とか、ちょっといいなとか、どう思ってるのかなって・・・」


まさかここで告白するわけにもいかないので遠回しに言ってみることにした。


「正直、好意を持ってるっていえばいいのかな。もっともっと仲良くなりたいって思ってるよ」

「好意を持っているってことは・・・まあいいや。ワタシももっともっと仲良くなりたいって思ってる」

「そっか。それはよかった」


その後、色々な話をして盛り上がってすっかり時間が過ぎて夜になったので帰ることになった。


それから数日、ときどき向井紗友里と電話で話をしていた。ところがある日から向井紗友里の態度に変化がでてきた。どうにも電話で話していると暗い感じがした。会話もいつものように盛り上がらず、何の話をしても途切れてしまう。二人で会おうと誘っても『ごめん。その日は空いてない』と言うのだ。心配になった私は電話をして聞いてみた。


「紗友里、近頃テンションが低いというか暗いけど、何か悩み事でもあるの?」

「あるにはあるんだけど、これはワタシが決めることだから・・・」

「もしかしてバンドのこと?」

「そうじゃない。ごめん。これ以上のことは言えない」

「もし話す気になったら、俺でよければいつでも話聞くから言ってね」

「わかった。ありがとう。もう電話切るね」


自分で決めることとは一体何なのかわからなかった。何か大きな悩み事があるようで、それを誰にも話せないでいる状態は辛いだろうと思った。しかし、本人が話したくないということを無理に聞き出すのは良くないと思ったので、しばらくの間そっとしておくことにした。


ある日、私は音楽仲間と近くのファミリーレストランへ食事に行くことになった。どうにも向井紗友里が暗いことが気になったので、ここは応援してくれるという鈴木慎太郎に相談してみることにした。食事中は他の人もいるので帰り際に小声で話すことにした。


「なあ慎太郎、ちょっと相談なんだけどいい?」

「相談?もしかして向井さんのことか?」

「そうなんだよ。どうにも最近、紗友里が暗いんだけど、悩んでいることがあるらしい」

「向井さんが悩み事?俺、学校が向井さんの家から近いからときどきバッタリ会うことあるけど、そんな風に見えなかったけどなぁ」


そういえば鈴木慎太郎が通っている高校は向井紗友里の家から近い。たしかその高校は一駅向こうだったことに気が付いた。


「紗友里とバッタリ会った時って普通だった?」

「普通だったよ。別に悩みなんてなさそうな感じだったし、少し話したりしたけど暗いとは思わなかったよ」

「そうか。悩み事があるって言ってるんだけど、話してくれないんだよね」

「お前、なんか言ったんじゃないのか?お前のことで悩んでるのかもよ?」

「そうなのかな!?うーん、まあそっとしておこうと思ってる」

「そうだな。あまり気にしないで、そっとしておいたほうがいいと思うぜ」


鈴木慎太郎に相談したが私はどうにも煮え切れなかった。家に帰ってから少し考えたがわけがわからなかった。そこで紹介してくれた同じクラスメイトの倉本美咲に相談してみようと思って電話をかけた。


「もしもし、俺だけど、ちょっと今大丈夫?」

「大丈夫だけど、どうしたの?」

「最近、紗友里の様子がおかしいんだよ。なんか暗いというか悩んでる事があるみたいなんだよ」

「学校では普通だけどね。そういえばバンドしようって誘ったらしいね。紗友里、すごい嬉しがってたよ」

「そうなんだ。だったらやっぱり俺のことで悩んでるのかなぁ」

「あなた、紗友里に何か言ったの?」

「うーん・・・そういえば『ワタシのことどう思ってる?』って聞かれたから『好意を持ってる』とは言ったよ。でも、お互いにもっと仲良くなろうって話になったんだけどね」

「それかも!あなたとの関係について悩んでいるんじゃないの?」

「でも、それから数日間は普通に電話で話してたんだよ。それがある日突然、暗くなったって感じで、何を悩んでるのか話してくれないんだよ」

「そっかぁ・・・うーん、ワタシにはわからないわ。でもあなたのことで悩んでるのは間違いないと思う。学校では普通だし・・・」

「そうか。わかった、ありがとう。しばらくそっとしておくよ」


倉本美咲も悩み事の内容を知らないようだ。それにしても私と電話で話した時だけ悩み事があるといって暗くなっているということは、やはり悩みの原因は私にありそうだ。しかし、私は一体、向井紗友里に何を言ったんだろう。バンドの件に関しては喜んでいたというので、そのことではなさそうだ。好意を持ってると言ってしまったことで、何か深く考え込んでしまったのだろうか。しかし、その後の数日間は何事もなかったかのように話をしていた。私は嫌われてしまったのだろうか。もう話をしたくないと思われているのだろうか。不安になってきた私は向井紗友里に電話をして聞いてみることにした。


「もしもし、俺だけど、紗友里に聞きたいことがあるんだよ」

「聞きたいことって何?」


まだ声が暗い。テンションも相当低い感じがした。


「紗友里が悩んでいる事の原因に俺が関係しているなら言ってほしいんだよ。俺とはもう話したくないなら連絡しないようにするから」

「そういうことじゃないから大丈夫」

「全然大丈夫に思えないよ。すごいテンション低いし・・・悩み事の原因に俺は関係ないの?」

「全く関係ないとは言えないけど、これ以上のことは言えない。ごめん」

「わかった。だったらもうこれ以上のことは聞かないよ」

「ごめん。ちょっと今忙しいから電話切るね」


電話を切った後、私はベッドに横たわって考えてみた。最初はあれほど意気投合して二人で会って話までするようになったのが、最近では会話が盛り上がらず、悩み事があって電話もすぐに切ってしまう。悩み事の原因に俺は多少関係しているそうだが、それは一体何なのか。私とのこれからの関係について悩んでるのだろうか。それだったら『全く関係ないとは言えない』というのはおかしい。あと考えられることは、私と向井紗友里の間に割って入ってきてる第三者がいるということ。その第三者がいたとして、それは私の知らない人物なのだろうか?それだったら鈴木慎太郎に会った時や学校でも悩んでいるはず。うん!?鈴木慎太郎はバッタリ会うことがあると言っていたが、それは一体どこで会ったんだろうか?学校は一駅違いなはずなのに、どこでバッタリ会えるんだ?しかも、向井紗友里の通う学校とは反対方向だから電車の中でバッタリ会うわけがない。あまり仲間を疑いたくないが、もしその第三者が鈴木慎太郎であったとして、向井紗友里に言い寄ってるとすれば悩み事のつじつまは合う。しかし確証は何一つない。ただの私の推測にしかすぎないので、確認することはできない。今は待つしかないのか・・・


ところがそれから一週間ほど過ぎた時に事態は急変してしまう。ある日、私が向井紗友里に電話をかけた。いつものようにテンションが低い。


「もしもし、俺だけど、まだ悩んでるの?」

「うん」

「もう俺連絡しないほうがいいかな?」

「うーん・・・」


そういって向井紗友里は沈黙した。しばらくして私が口を開いた。


「もう迷惑そうだから俺、電話切るね。ごめんね」

「うん。わかった」


その電話を切った後、しばらくして鈴木慎太郎から電話がかかってきた。


「もしもし、慎太郎だけどさ、お前、もう向井さんのこと諦めたほうがいいぞ」

「鈴木、疑いたくないけど、まさか紗友里に何かしていたんじゃない?」

「ああ、していたよ。お前、人の女に手を出すのはもう辞めろよ」


鈴木慎太郎の態度や話し方が急変した。


「人の女ってまさか、やっぱり鈴木が何かやってたのか!?」

「俺達の関係の邪魔をするのはやめろよ。それに向井さんはもうお前とは話したくないって言ってるから連絡するな」

「もういい、わかった。気分悪いから電話切るわ」


私は電話を切った後、テーブルの上に置いてあった缶を壁に投げつけた。怒りというよりかは仲間に裏切られたショックのほうが大きかったといえる。そして、これで全てが明らかになった。鈴木慎太郎は私を応援するといいながらも、陰で向井紗友里に言い寄っていたのだ。通っている学校が近かったというのもあるだろう。やはり私の推測した通りだった。


今回のことは私が油断していたのもあったが、仲間と思っていた人が裏切った行為をしたのである。恋愛とは平気で信頼や仲間を裏切れるものなんだろうかと疑問に思いながら悩んだ。しかし私にはこんなことできない。今回、私は仲間に裏切られたかもしれないが、自分は絶対にこんなことを他の人にしたくないと心に強く思った。私はこんな人間にはなりたくないと思った。


その後、鈴木慎太郎と向井紗友里は付き合ったものの、一ヶ月もしないうちに別れたとの情報が入ってきた。こんな形で築き上げた恋愛関係なんて、所詮はこの程度で終わるものなのではないだろうか。それ以来、私はその二人と会うことも話すこともなくなった。私にとって悲惨な結末になってしまったが、学べたことも多かったように思う。だからこそ今の私があるのだから。

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[良い点] 文章が読みやすく、最後までスムーズに読めました。最後の逆転は読めませんでした。
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