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森の女神の歌
これは果てしなく長い物語
世界を守る為に犠牲になった森の女神達への賛歌
神代が終わり人の時代が訪れてもなお妖精達は女神の帰還を信じて待ち続ける
第一部 誓約の騎士と霧の女王
第二部 荒くれ騎士の嘆き歌
第三部 森の娘と最後の騎士
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アラヌヤーニー(森の女神)の歌
森の女神よ、森の女神よ。
今や姿も見えがてなる女神、なれいかなれば人里を尋ねざる。
なれは恐れを感ぜずとてか。
森の女神は害わず、他の人の近づかざるかぎり。
甘き木の実を食むもまま、人は心ゆくまで伏し憩う。
香油の香り馥郁と、梳かねど食はさわなせる
百獣の母、森の女神を、われは今ここに褒めてけり
筑摩世界文学大系
『リグ・ヴェーダ』より