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相模川西岸はおさえたしまずは人を派遣したりしつつ相模の国人の懐柔をしないとな

 さて、七沢城を落としたことで相模川の西岸の土地はおさえた。


 扇谷上杉朝昌が藤沢の大庭城に拠点を持っていることから、相模川東岸や鎌倉などの地域について現状は気にしなくていいだろう。


 そして上杉朝昌が糟谷館に戻りたいと言い出したらどうするかとも思っていたが、今の所はそういった動きはないようだ。


 山内上杉の攻撃が再びあれば攻撃されるのは目に見えているし、俺が伊豆に戻れば上杉朝昌単独では守れないのも事実だろうしな。


 山内上杉だけでなく武田の動きにも備え、北からの攻撃に対処するために、俺は現在の相模原における橋本の西あたりにある津久井城へ、俺たちに降伏したもとは山内上杉に使えていた国人の内藤景定を送り込み城や城下を整備させている。


「津久井城を俺たちが抑えておけば、そうそう直接こちらに攻撃を受けることはないはずだからな」


 俺の言葉に風魔小太郎がうなずいた。


「たしかにあの地を抑えるのは肝要と思いますな」


 ここを抑えておけば八王子まで南下してきても橋本より南へ進むのは困難になるはずだ。


 大道寺重時もうなずいた。


「なるほど、いままでは相模も武蔵も上杉の勢力下であったこともあって、争いは上野や武蔵野北の方で起こってばかりいたからあの辺りの城は放置されていたってわけか」


「そういうことだな」


 なお駿河の興国寺城代には土肥富永氏の富永実直を派遣することにした。


 彼は西伊豆地方に散在した小海賊や国人の水軍を支配下に収めて、急速に勢力を伸ばして土豪化し、その根拠地として土肥高谷城や丸山城を整備していたが堀越公方討伐に際して俺に属して伊豆の統治に大きな功績を上げた人物だ。


「富永左兵衛尉(実直)なら三島の当たりまでをうまくまとめ上げてくれるだろう」


 俺がそう言うと大道寺重時もうなずいた。


「正直、ここまで支配領域が広がると伊豆の方まで全部見るのは無理だしな」


 足柄郡は松田氏に、小田原城は大森氏に、伊豆の中央や東側などは狩野氏やその支族の伊東氏や宇佐美氏などに任せ、俺はしばらく糟谷館にとどまってこの近辺の厚木や伊勢原の治水や開墾に取り組むことになりそうだ。


「このあたりの国人に俺が頼れる奴だと思わせなければ従わんからな」


 俺の言葉に風魔小太郎がうなずいた。


「まあ、当然でございますな」


 問題は小田原から追放した大森藤頼を受け入れた山内上杉についている三浦義同が扇谷上杉の三浦時高をどうにかして排除したりすると、ややこしいことになるということだったりするが……。


 まあとにかく今は備中鍬を使って相模川の治水開墾を進めて農業生産力を上げるのが先だな。


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