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セブンスドール  作者: こうえつ
(最終章)まだ宇宙に神はいない
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A.D.4021.未来を操るドール

王宮の前で待つナイン、しばらくしてセブンスが歩いてきた。

「またせたわね。王女様」

 美しい銀髪を揺らして答えるナイン。

「セブンス待っていました。決着をつけましょう」

 セブンスが頷いた。

「ここで始めていいの? 立派な王宮が壊れちゃうわよ」

 ふふ、笑った王女の前の空間に文字が現れた。

”セブンスと王女はマイナス空間に捕らわれた”

 瞬間、まわりの景色が一変した。一面に漆黒の空間が広がった。

「どういうこと? ここは?」

 驚き警戒するセブンスの前に表れた青い機体。形はセブンスドールに似ているが、背中に六枚の翼を抱いている。

「この機体は、九番目にして最終兵器……ブルーノヴァ。デザインは科学者たちが神を意識して、セラフを真似たようですね。ここは虚数空間、存分に力を発揮できますよ。さあ、全力であがいてください、人類の代表として」

 目の前に現れたフェニックスに騎乗して王女を見るセブンス。


「驚いたわ、空間を強制的に移動させる?…すごい力だけど、このフェニックスも負けない」

 腰から二刀の剣を抜いた、セブンスが消え、ブルーノヴァの前に表れた、フレームバストを使った二刀流。一万倍の加速による六回の剣の軌道。だが、次の瞬間。フェニックスの剣は腰に格納されたままで、場所も元のいた所まで戻されたていた。

「何が起こったの?」

 原因を調べるセブンスにラバーズのファルコンが答える。

「攻撃前と時間もフェニックスの状態も、まったく変わっていません」

「どういうこと? 意味が分からないファルコン」

 セブンスの問いに、ファルコンも答えられない、だが一つの提案をした。

「ドーラカノンを打ちましょう。こちらからの移動が制限されるなら、遠距離から高速で巨大な力をぶつけてみれば何かわかると思います」

 考えを巡らすセブンス。もしドーラカノンが当たれば、ナインは分子分解してしまう、そこまでは望んでいなかったからだ。

 そんな気持ちを察したファルコンが話す。

「セブンス、あの相手は最後のドール。フィフスも鈴々も絶対の死から助けられたと聞きます。こちらの最高の武器で攻撃しなければ、本性は表わさないでしょう。気になるなら出力を落として、芯をずらしてカノンを打ちましょう。私がブルーノヴァのすべての動きをを記録しますから」


 頷いたセブンスが背中から巨砲、ドーラキャノンを両手に取る。

 ブラックホールエンジンが臨界点に達して、ライフルリングレーザーが青い螺旋を放出する、完全に破壊しない程度に抑えたパワーで、狙って引き金を引くセブンス。巨大な閃光がブルーノヴァを襲った。



 セブンスが王宮に飛び立つ姿を見送った、テルルとシュテレイ、十分後にクロム達が現れた。

「クロム! 帰ってきたんだね!」

 テルルの喜びの声に答えるクロム。

「ああ、心配と迷惑かけたな。そっちもうまくいったみたいだな。セブンスの呼び出しも成功か」

 テルルが笑顔を見せる。

「うん、頑張ったよね? シュテレイ大佐!」

 破壊された自分のヘルダイバから外に出ながら、シュテレイが答える。

「ああ、特にテルルが頑張った」

 答えを返しながら、足元の白きヘルダイバを見つめるシュテレイ。

「無理させたな。後で完ぺきに修理してやるからな」


 クロム、レニウム、フィフス、鈴々、テルル、シュテレイ、帝国軍を退けた者たちが地上で集まった。


「ところで最後のドールって何者なんだ? ドールは八人って聞いていたが」

 クロムの疑問にしばらく無言だったフィフスと鈴々が重い口を開く。

「私の娘で九番目のナンバーズ。でも、あの子は正確にはドールではないの」

 フィフスが話を続ける。

「あいつは神だ。だが完璧ではない。自らこの世界にとどまりたい。つまり未練があるわけだ」

 クロムが何となく予測がついた顔をした。

「ナインの未練ってシルバの事だな」

 鈴々がうなずいた。

「そう、ナインはシルバ、つまりオリジナルの哲夫を愛している。その為に力が限定されている」

 ふーむとクロムが謎めいた顔つきをした。

「物好きなドールだな、ところで最後のドールは何て名前で、どんな力を持っているんだ?」

 レニウムの問いに鈴々は暗い顔をした。

「私の娘はナイン。その力は三次元で時間と空間を操る」

 意味が分からないと首を振るクロム。

「時間と空間を操る? 具体的にはどういう能力なんだ?」

 鈴々がクロムを見てゆっくりと答えた。

「未来を書き換える能力。今はまだ30秒以内の時間の制限があるけど……ナインドール”未来を操る”ドール」

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