A.D.4021.ラストドール
自分の血筋を殺されたキングは怒りで全身を震わしたが、今までの教訓は忘れなかった。
黄金のヘルダイバは上昇を始めて空中へと浮かび上がり、そのまま高速で移動を始めた。
「どこへ行く気?」
テルルが逃げるキングダムに疑問をつぶいた、それに答えるシュテレイ。
「城だろう。今のフェニックスの力を見て無理はしない。城へ戻れば二万ものヘルダイバがいる。安全を採ったんだ」
首を傾げて意味が分からないとテルルが問う。
「ん、だって強いんでしょう? あの黄金のデカ物。身内を殺されてかなり怒ってたし。あのままセブンスと戦いになるかと思ったけど」
大きくうなずいたシュテレイ。
「確かに。だがあの人は征服者で王なのだ。心意気などない、あくまでも結果が大切。勝つための最善策をとったんだ」
フェニックスからセブンスの声が聞こえた。
「二人とも私は行かなければ」
テルルが訪ねる。
「セブンスどこへ行くの? クロムの所?」
左右に首を振るセブンス。
「向こうはもうすぐ勝敗は決まるわ、心配しないでテルル、クロム達は大丈夫、姉たちがいるしね。私が向かう場所は……決着の場」
シュテレイが聞きなおす。
「クロム達は勝つのだな。決着とは……城に行くのか」
重力を纏い始めたセブンスが答える。
「ええ王宮へ。神が待っているの」
先行して王宮へと空中を急ぎ飛び続けるキング、もと帝国の王であったもの。
「セブンスめ、儂の力を見せてやるぞ」
その時、騎乗するキングダムに警報が響く。
「なんだ? あれは。あの地上から伸びる、我のキングダムに向かってくる一條の光は?」
遙か下降から、一直線に雲を切り裂きキングダムへ向かっているは一本の槍。
地上から鈴々が大きなモーションで投げた槍はキングダムをかすめて突き抜ける。
「これは?」
思わず地上を見たキングに4機のヘルダイバが見えた、驚愕する王。
「二千の味方の軍が全滅だと? それにあの紫色の機体は……鈴々なのか」
上空から下降を始めたキングダムにフェフスが鈴々に聞いた。
「今の一投はどういうつもり? 恨みでも返す気なの」
降りてくるキングダムを見上げたまま鈴々が首を振る。
「恨みなんてとうに消えている。ただちっぽけな私の存在をあの人に気づいて欲しいだけ。あんな人でも私の娘の父親だから」
地上に降り立ったキングは、四人を見渡しながら髭を触る。
「さすがと言うべきか。二千では足りなかったとみえる。だが我の軍は二万を越える。さてまた頑張ってもらうとするか」
二万の兵に攻撃命令を発するキングの言葉、だがそれを否定する声が響く。
「これ以上は私の軍隊は動かせません。キングが戦いたいならご自分でどうぞ」
城の屋上に青い瞳の現王女が現れた。
「なに!? どうゆうことだ王女よ。父を見捨てるのか」
いえ、首を振る王女。
「この場に立っているのは自分で戦い勝ちを得てきた者。キングもこの場に立つなら力を見せてください。ご自分のね」
「どいつもこいつも! 我が力を侮りおって」
空中から地面に降りたフェニックスにいきなり奇襲をかけたキング
一瞬消え、セブンスの前に表れたキングダム、いきなり拳を打ち込んできた。
だが、その拳はM・B・F、セブンスドールの重力シールドで抑え込まれた。
セブンスドールが腰から二本の剣を引き抜き抜き前に出る。
慌てたキングダムは消え、後方へ移動するがセブンスドールを引き離せない。
「くそ、なんでついてこれる?」
何度も移動を試みる国王だが、セブンスを引き離すことは出来なかった。
ピッタリとキングダムに近づいたフェニックスの二刀流が空中で六つの剣の軌道が描かれた。
まるで蝶々が羽ばたくようにセブンの剣の軌道に、六つに切断されるキングダム。恐怖と驚きの表情を浮かべたままに倒れたエール十四世。切断され倒れた金色の機体を悲しそうな顔で見たセブンス。
「あなたが使ったフレームバストは6000、私の機体の方は六万フレーム、1000倍まで加速できる」
剣を空に降って腰に収めたセブンスドール。
その力に帝国兵二万、そしてクロム達も圧倒された中で、歩を進めるフェニックス。
「本当の戦いはここから。最後のナンバーズドール青い瞳の神が待っている」




