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セブンスドール  作者: こうえつ
(最終章)まだ宇宙に神はいない
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A.D.4021.首都星攻略

「敵機接近中です。数は……捜査中……二十四機。ヘルダイバMー02が十二機、B-03が十二機です」

 新型に搭載された戦闘OS。まだインストールまもなく、癖がない、悪き言えば味気ない、ラバーズの報告に頷くレニウム。

「了解した。思ったより多いな」

 レニウムの呟きに、反応する新型機の戦闘OSラバーズ。

「レニウム様の計画では六機、一個小隊を想定されてましたね。二個中隊の派遣は、作戦の成功率を72%下げて……」

 もういい、まっさら新人ラバーズの戦力分析を止めたレニウム。

「おまえさあ、こんな時は”大丈夫です”とか”きっとうまくいきます”とか言って欲しいものだぞ。人間は」

 だが、経験不足のラバーズにはレニウムの思いは伝わらない。

「なぜですか。私の報告は正確で、問題はありません。それにレニウム様の指示だと、嘘をつけ、となります」

 右手で頭に手をやり困り顔のレニウム。

 そこに、シュティレから連絡入った。

 通常であれば盗聴を気にして、必要以外は通信禁止なのだが、今回は誘導が目的。目立つオープン回線で世間話も良かった。

「どうだい新しい機体とラバースは? どうも、レニウムは苦戦中のようだな」

 ディスプレイに写ったシュティレが笑顔を見せた。

「なんとか言ってやってくれ、この堅物に」

 大笑いのシュティレ、見かねたシュティレの機体のラバーズが話し出した。

「あ、あの、ラバーズは操縦者の行動から、最適なパートナーになるように学習します。レニウムさんなら、よくご存じのはず。まだ何も知らないでもその子は、全てのラバーズから得られた、戦闘情報を持っていますし、今の私より高速なチップ、メモリをもっていて……」

 レニウムが首を回し、緊張をときながら頷く、

「そう、そんなフレンドリーな感じがいいな。大佐はラバーズの育て方がうまい」

 笑みを浮かべたまま肯定するシュティレ。

「そうだろ? こいつは最高の相棒だからな」

 その言葉に顔を赤らめたラバーズ。

「え、えっとですね、そんな事はないと思います。浮動小数点の計算は、その子の方が40%も早いですし」

 スペックじゃない、二人の歴戦のパイロットが口をそろえた。

 そんな中で、淡々と報告を続けるレニウムのラバーズ。

「敵接近中、167秒後に接触します。あと今は戦闘中です、お二人とも無駄なお話はおやめください。そちらの旧式のラバーズもうるさいです」

 新人ラバーズに叱られた二人とラバーズは、苦笑い。

「その分だと、どんどん学習しそうだ。けっこう、いけそうじゃないかレニウム……強気の女性が好みなのかい? フフ」

「たしかにそうかもな、アハハ」

 爆笑のの二人に納得がいかない、新人ラバーズ。

「なにが、たしかに、なんですか」

 レニウムが右側に立つ立体映像の少女に声をかけた。

「おまえ、いいキャラ持っているよ。その調子でいいだろう……命は預けたからな」

 むろん、ラバーズは表情崩さずに、迎撃体制に移行する。

「残り40秒、迎撃パレットシーケンス動作開始」

 組み込まれた作戦コマンドにより、レニウムの機体が加速を始めた。

「敵に接近後、ショルダー部分のミサイルを全弾発射します」

 ラバーズの言葉に、操縦桿を握り、突入に備えるレニウム。

 敵12機が上昇を始め、後方の中隊12機が前にでる。

 接近し新型のマシンの多弾頭ミサイルで、効果的に部隊へダメージを与える作戦は、看破されたらしく敵軍は上下に分かれて、上空と低空からの分割攻撃を開始した。

 赤いビームが直近の12機から同時に発せら、敵に包囲された形になったレニウムに断続的に、敵のブラスタ砲が打ち込まれる。

「盾防御!」

 レニウムの言葉にラバーズが、ヘルダイバの背中に背負った大型の盾を前方に構えた。


 被弾する強力なエネルギーに、構えた盾は、すぐに赤く焼け始める。

 盾に付いている安全装置が働き、盾の四方が開き、熱を発散する。

 防戦一方のレニウムに、上空から接近する十二機。

 敵は先行しているレニウムから、確実に落とす作戦。

 上部からのレーザーが降り注ぐ。前方の攻撃を受けているレニウムは攻撃範囲に近づいたがショルダーのミサイルを打つには、装甲をオープンする必要があり、放火の雨の現状では、誘爆のおそれがあり、攻撃シーケンスに移行できない。


「レニウム様。装甲を開けられない為、ミサイルを打ち出せません。敵からの集中砲火を何とかしてください」

 冷静な新人ラバーズに聞くレニウム。

「距離はどうだ?」

「攻撃の範囲、距離は問題有りません。敵機は全て範囲内です。うまく近づいてくれました。帝国軍は、レニウム様が、取るに足りない相手だと、安心しているようですね」

 そうか、取るに足りないと言われ、笑ったレニウムに危機を伝える新人ラバーズ。

「二個中隊から集中攻撃を受けてます、後、204秒で盾が消滅、本機体も破壊されます」

「悲観的胃だなラバーズ、まあ、見てろ。大佐出番だ!」

 レニウムの言葉でシュティレのヘルダイバが、後方から一気に上空へと飛んだ。旧型だがフルアーマ、拠点死守用のデフェンス装備、重装甲を施した機体は、レニウムへの上方からの攻撃をその身で防ぎ、レニウムへの攻撃が薄くなった。

「いまだ! 攻撃シーケンス再開!」

 レニウムの指示で、ヴァレットが止めていたミサイル攻撃を開始した、

 右肩の装甲が明き、多弾頭のミサイルが前方へ向き、同時に全弾を打ち出さす。

 ミサイルは撃てないと、たかをくくっていた、前方の十二機に浴びせられた弾頭。八機が回避できずに、背中の飛行用ブラスタを砕かれ、地上に落ちていく。

 

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