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セブンスドール  作者: こうえつ
銀河の動乱
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A.D.4020.死神シックスドール

「クロム、先の戦いでおまえは鬼神のようだった。最新のドールズ、エイト”光を操るドール”とも対等に戦った。それは……おまえの目的、兄貴の敵をとれたら自分の身体も命もどうなっていい……つまり死ぬつもりで戦っていたからだ」

 首を振って強く否定するクロム。

「そんな事はない! 兄貴が殺された事は確かにショックだった……だが俺は冷静だった……そうだったはず」

 自信が欠けるクロムの言葉に、レニウムは確信を得て答える。

「なにも変わらない。自分の兄が殺されても。さすがはクロム……強い……そう思っていた。先の戦いまでは。だが違った……やはりセカンドの死は影響を与えている」


「クロムのお兄さんが、フィフス姉さんに殺された?」

 セブンスが、緊迫した二人の場で驚き呟く。

「私、クロムにお兄さんがいたのも知らなかったし、フィフス姉さんと戦った話も今聞いたわ」

 セブンスの驚きに、レニウムは半年前の帝国との、砂漠の星での戦いを話しだす。

「半年前、この首都星を攻めるための唯一のジャンプ(恒星間飛行)可能ルートの確保が必要になった。丁度中間地点にルートを守る帝国の砂漠の星がある。半年前……帝国軍の前線基地を我が軍は精鋭で奇襲攻撃した。そのチームの隊長がクロム・セカンド……クロムの兄だった。しかし、セカンドはフィフスに殺された。その時、以前から我が軍にあった疑問が解けた」


「疑問? 兄貴が殺されて、何が分かったっていうんだ!?」

 半年前を思い出だしてイラつくクロムに、レニウムが答える。

「フィフス独りに我が軍は連敗し続けた。その最大理由は情報漏れだった。なぜかこちらの作戦は事前にフィフスに知られていた。その理由をクロム・セカンドは残してくれた」

 あ、セブンスは小さく叫び、仮説を唱える。

「フィフス姉さんが、反乱軍の情報を知っていた理由……もしかしてそれはナンバーズドールが持っている、全てのネットワークと接続できる力では?」

(見ていたのよ水槽の中から、姉さんがお父様に……何度も抱かれるの……)

 セブンスは妹のエイトがお茶を飲んだときに言った言葉を思い出していた。

「そうだ、セブンス、お前達は自由にネットワークと繋がり、どんなセキュリティにも邪魔されずに、自由に情報を取得出来る。例えば、この部屋にもある監視カメラも自由に操作して、部屋の様子を確認できる……それを逆手に取ることにしたんだ」


 進行中の反乱軍アウローラ自由連邦、八千隻を越える宇宙艦隊を指さすレニウム。

「偽の情報を流し、前線基地からフィフスを排除し、敵の本星まで一気にジャンプして、首都星を制圧する。それが今行われている、進行作戦”クルセダーズ”」

 病室のディスプレイから、手をゆっくりと叩く音。

「反乱軍さんは、仲間割れ? アハハ」

 フィフスの真っ赤な唇から漏れる笑い声にテルルが呟く。

「さっき、セブンスとレニウムが言ってた事は本当……フィフスはこの部屋を覗いているみたい」

 みなテルルに納得したが、レニウムは首を振る。

「その可能性は少ない。現在の状況は我が軍の進行と、それを知った銀河の人々が情報を欲しがり、ネットワークはパニック状態。フィフスがいかに優れていても、ここを探し出す事は出来ないはずだ」

 レニウムの言葉にクロム、そしてセブンスが応じた。

「ふっ……そんな甘い女じゃねぇよ。例え見えて無くても、こっちの様子……俺たちが揉めているのは分かっているさ」

「そう……フィフス姉さんは分かっている。でも、私たちの居場所には興味はない。姉さんは前の前に現れた強敵を倒す。それだけ。絶対の自信と戦闘センスを持つドール」


ディスプレイの向こうのフィフスは嬉しそうに微笑む。

「あれ、なんか褒められている気がしてきた……う~~ん、私って人気あるわねぇ~~アハハ」

 真っ赤な唇を手で押さえ、笑うフィフスに、鈴々が視線を下げるセブンスを見た。

「セブンス、ドールは特別なものではない。誰もが何も自分で決められない。何に生まれてくるか、そして死に方もね。あなたは……わたし達の仲間なの」

 セブンスはおかしな感覚に捕らわれた、緊迫したこの時、自分の姉妹が自由連邦を苦しめ、クロムの兄まで殺してしまった、心が壊れそうな自分を鈴々が仲間と認めてくれた、大きな感情の波を受けて全員に伝えるセブンス。

「わたしはドール、生まれたばかりの人形、心なんか持っていなかった。みんなと一緒に戦った時に初めて、死にたくない、そして死なせたくないと思った。複雑な感情を持つ人間とは違うけど、その時わたしも生きている。それが分かった。そして死に方を選ぶ、その事がどうゆう事なのか、鈴々から教えられた。みんなと一緒なら、わたしに新たな感情が生まれる、今はそう思いたい」

 鈴々がセブンスのもどかしい言葉を聞きながらため息を吐く。

「だからさあ、仲間だって言ってるのに! おばかな人形ね~~まあ、いいわ、でドールズは何人いるのセブンス? 今回の作戦で首都星にいるフィフスを倒せばもう大丈夫なの?」

 鈴の言葉に忘れられたドールを思い出すセブンス。

「八人いると聞いたけど、私が知っているのは妹のエイト、そして六人目のドール。シックス……でも姉さんは壊れたってお父様は言ってた」

「シックス!? こちらのジャーナルにも情報はないな。セブンスは見た事がないのか、六番目のドールを?」

 腕組をして顎のあたりを触るレニウムがセブンスに聞いた。

「ええ、シックス姉さんには会った事が無い。わたしが目覚めた時には廃棄されたと聞かされた……ただ、死を操るドールの二つ名を持っていたと聞いたわ」


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