第1話 異世界が無いなら自分で作ればいい♪
いつもと変わらぬ日常…
いつものように仕事をして、いつものように家に帰り、いつものようにネットで動画を見る毎日…何も変わらない日常に…
「このまま平々凡々な人生を歩んで行くんかなぁ…」
仕事の帰りに街中を歩きながら、ふと出た独り言…
この主人公の名前は『伊達』ごくごく普通な人生を送っていた。
フッ……
周りの景色が一瞬真つっ白になった気がした…
「ん?なんだ?めまい?」
体は何ともない、しかし周りにあった人の気配が全て消えた…
「え?なっなんだ?何で誰もいなくなっちゃったんだ?」る
(どぉいう事だろう?電気は点いてるのに、人がいない…)
周りの景色は普段と変わらないが、人や動物が全て消えてしまっている。
(これってリアル?夢?めまいをおこして気絶して夢オチってとこか?)
……
(とにかく人を探そう!こんなアニメみたいな事があるはずが無い!)
小走りに店の中などに入ってみるが、やはり人はいない…
『なん…で?』
(これってヤバくないか?ホントに人がいない!これからどうすりゃいいんだ…)
『マジか…でも…』
(これって何してもいいって事なんじゃないか?いや…そんな単純な事じゃない…)
『それにしても…1人って…せめて女性の1人くらいいないと…恋愛すらできないだろ…』
(とっ…とにかく家に帰ろう…落ち着いたら考えよう…目が覚めたら夢オチなんてな♪)
家に帰りリアリティーが増した!
ごく普通の家に生まれた伊達は…家族の人数分の料理が用意してある。
(ふう…メシは確保…かな)
『あ〜ぁ…何だよ!コレって何の冗談だょ…』
(とにかく寝よう…現状に頭がついていかんわ…)
ZZZ…
翌朝、いつもの日常と変わらぬような日常の景色…ただし…やはり人はいない…
「どぉすっかなぁ〜…何すりゃいいんだろ…」
空を見上げても変化はない。
ふっ…また周りが白くなる…
(またコレだ!原因はコレ…一体何だ?今度は何が起こるんだ?)
「うわぁ〜」
つい声をあげてしまう、それもそのはず!
街が消えていく…
周りが真っ白になったまま意識はしっかりとある。
どこからか声が聞こえる…
「……伊達…伊達…」
「誰だ!一体コレはなんた!」
「世界を…作り直す…」
「はっ?それって…どういう事?」
(一体…一体何だ?何を言ってるんだ?どこから聞こえるんだ?)
「伊達…お前の好きなように世界を作ってみろ!」
「作り直すってオレがかぁーーー?」
(何だ何だコレは…ホントにリアルなんか?…オレが世界を作る?それって神になれって事か?)
「オ…オレが神様になるって事なのか?お前は一体何だ?声だけじゃなく姿を見せろ!」
……返事はない…
周りの景色だけじゃなく、地面も白くなり体が空中に浮くような感覚
フワフワしたような感覚だけがある…徐々に空も白くなり、真っ白な空間に1人浮いている。
「うーん…」
(世界を作る?どうすりゃいいんだ?今までの世界はどうなったんだ?消された…そう考えるのが妥当か…世界を作る権利がオレに与えられた…コレって凄い事だよな)
「よし!こりゃぁ夢だ!夢!夢!夢ならオレの好きなように世界を作ってやる!」
コレが物語の始まりである。
白い空間で聞こえた声は一体何だったのか、ホントに夢オチなのだろうか?
「よぉし!…って具体的にどぉすりゃいいんだろ…頭で思い浮かべてみたらどぉかな?」
(まずは周りの景色をっと!)
辺りに草原が広がる、山も無く、木も無く、ただ草原が広がっている。
(へぇ〜♪頭に浮かべればいいんだな♪そりゃそうだ!夢なんだから!)
少しづつ世界が構築されていく。
「へへっ♪いい夢だなぁ♪こうなりゃ趣味に走りまくってやるぞ〜」
(ん〜…やっぱりこんな感じだよなぁ〜…あっ!アレも必要だなぁ〜♪)
「やっぱファンタジーだよなぁ〜魔法とかエルフとか!」
そして…世界の構築が終わる…
だが……
「あれ?オレが神って事は…この世界を楽しめないんじゃ…自分の作った世界を冒険してみたいよなぁ〜…でも序盤からレベル1の状態かぁ…基礎能力を全てMAXにして…レベルは99…なんかチートみてぇだけど、オレが作った世界でオレが神…まっいっか♪」
(でも…平和な世界じゃつまんないな…悪役もいないとな…)
伊達が作った世界はまさに異世界そのもの、アニメやゲームが趣味の伊達が趣味全開で作った世界…そして…今、このできたばかりの異世界に混乱が訪れる。
「さぁ〜てっと!この世界を探検してみるか〜!楽しみぃ〜♪」
(この世界にはオレの好みの女の子もいっぱい♪ムフフ♪貧乳、巨乳、何でもアリ♪)
「どこから初めよっかなぁ〜ん♪じゃぁココから!」
世界の中心、最南端にある巨大な森…そこはエルフの森がある。最北端にはダークエルフの森、種族別に別れた世界…種族ごとに国がある。
魔法、エルフ、妖精、小人、巨人、伊達は今まで気に入ったゲームやアニメの世界をそのまま作ったのだ。
できたばかりの世界には歴史がない、作った本人の伊達も気付いていない落とし穴…それは、後々に影響を与える事になる。