3人の行商人~ナンバ商人~
2人の冒険者に続いて、3人の行商人が新しいお客さんとして、来店してきた。
3人と話している宗太は今まであまり相手にした事がない3人に戸惑っていた。
一体どうやって接客をしていくのだろうか?
「お部屋はいっぱいでしょうかぁ?」
青いローブの女性が再度確認してきた。
宗太ははっとして、慌てて答えた。
「あっ空いてます! 返事が遅くなって申し訳ございません。どうぞお入りください!」
そう言って中に入るよう促す宗太。ジャックも反応し、3人の元に行ってカウンターへと案内をした。
カウンターの前に来た3人に、宗太は改めて挨拶をした。
「いらっしゃいませ! 彩の宿にようこそ! 当宿の主人をさせていただいております宗太と申しますので、よろしくお願い致します」
宗太の挨拶を聞いた3人だが、まず最初に青いローブの女性が返事をしてきた。
「あらあら! ご丁寧にありがとうございます。私達は行商の旅をしています。私はアリアと申します! よろしくお願いしますね!」
続いて、毛深い感じの男性が話し出した。
「そーたやな! 俺はガストンってんだ! よろしゅうな!」
最後に幼い感じの女の子が話し出した。
「そーたさん……そーたさん……うん! 覚えた!! あっ…………え~と……ぼくはリノアって言います。……よろしくお願いします」
3人がそれぞれ名乗ってくれたが、最後の子…………僕って言ったよな? でも、スカートだし……普通に可愛い女の子にしか見えないぞ。
聞きたいけど初対面のお客さんにいきなり聞くのは失礼だよな…………でも、気になる。
宗太はどうしても気になったが、一応その場は我慢して手続きを続けた。
「こちらこそご丁寧にありがとうございます! では、まずこちらのご記入をお願いします。宿泊のサービス内容や金額はこちらに記載されてますのでお読みいただければと思います。後、お部屋は個室、大部屋が共に空いているのでご希望の方をお選び下さい」
宗太は受付表を3人に渡して、説明をした。
3人は受付表を貰い、サービス内容や金額を確認してから記入を始めた。
少しして、アリアさんが3人分の記入済みの受付表を宗太に渡してきた。
「こちらでよろしいでしょうか?」
宗太はアリアから受け取った受付表を確認した。
3人の受付表はこうだった――――――。
〈アリア〉
人族
行商人◇治癒師兼薬剤師◇
5泊
個室 出来ればリノアと同室希望
朝夕食希望
〈ガストン〉
ドワーフ族
行商人◇武器、防具職人兼鍛冶師◇
5泊
個室
朝夕食希望
〈リノア〉
妖精族ノーム種
行商人◇アクセサリー職人兼鍛冶師◇
5泊
個室 アリアと一緒を希望
朝夕食希望
……………………なんかまさに生産職! って感じだな。
アリアさんは、黒髪のロングヘアーの女性で歳は俺より少し上かな! 青いローブでロザリオをもった治癒師と言うのだから……勝手な想像ながらシスターなのかな? 更には薬まで作れるんだから凄い!!
…………そして……中々でかいお山が……。
次に、ガストンさんだが…………中々いかついおじさんだ。ドワーフと言っていたがドワーフは皆さんこうなのか……それに、昔よくテレビで聞いた話し方な気がする……主にお笑い番組で…………。
身長はそんな高くないがガタイがいい。毛深い腕の太さが半端ないな…………。
最後にリノアちゃんだが、見た目はミリア位の女の子だ! エメラルドグリーンの髪に赤い瞳をした娘で可愛らしい。
種族も妖精族自体初めて聞いたけど、ノーム種となっていた。そして…………自分を僕と呼んでいた!
色々と気になる3人だが、とりあえず接客を続ける宗太。
「え~と、個室は一応シングルルームなのですよ! 別に2人で泊まるのはいいんですが……狭くても平気ですか?」
宗太の質問にアリアが答えた。
「あっいつも一緒のベットで寝てるので大丈夫ですよ! ただ~……その分お安くなったりしないですかね?」
アリアさんはちゃっかりしているようだ!
アリアの返事を聞いた宗太は笑いながら答えた。
「ははっ! アリアさんは行商人だけあってしっかりしていますね! いいですよ。本当なら3人で18,000リルムですが、15,000リルムでいかがですか?」
宗太の値引きにアリアが笑顔で答えた。
「ありがとうございます! ははっお恥ずかしいですが、そこはナンバ商人の常識なので!」
「んっお三方はナンバ商業国の方なんですか?」
宗太の質問にガストンが答えた。
「あぁそうやけど……ナンバの人間だと何かあるんかい?」
少し威圧的に言ってきたガストンに宗太が返事をした。
「いえいえ! ナンバ商業国の方にお会いしたのが初めてだったので! 不快にさせたようでしたら申し訳ございませんでした」
宗太の言葉にアリアが申し訳なさそうに言った。
「あっそーたさんが謝ることはないですよ!――――ガストン!! あんたなんで良くしてくれてる人に絡んでん? そんなんなら、あんたみたいなアホはここ泊まらんでええから外で野宿でもしぃ!」
宗太に話していたアリアは突然ガストンに怒りだした。
それに対してガストンがドンドン弱々しくなっていき、宗太に謝罪した。
「あ~スマンスマン!エドの人間にナニワを見下されたかと思ったんや!」
アリアもそれを聞いて矛を収めた。
「ほんならしゃーないな! ――――――そーたさん!お騒がせしました。これ宿泊費になりますのでよろしくお願いします!」
そう笑顔でお金を渡してきたアリアに若干苦笑いになる宗太であった。
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