ここは、どこ???
「唯っ!!」
ああ、由真ちゃんが呼んでる。どうしたの?そんな必死そうに。私なら、ここだよ。
・・・・・・?なんか、騒がしいな・・・お母さんがまた、なんか失敗したのかなぁ・・・・
「・・・・・・あっ!!目が覚めた?」
・・・・・・誰?
「気分はどう?あなた、この村のそばでたおれていたんだよ?名前は、言えるかい?」
少しぽっちゃりとしたおばちゃんが、顔をぞきこんで言った。
「・・・・・・ゆい・・・」
まだ、寝ぼけている頭で答えた。それを聞くとおばちゃんは、にっこりとして
「そう。ゆいちゃんね。まだ、あまり顔色がよくないから、寝ときなさい。おやすみ。」
「・・・おや・・・・すみ・・なさい・・」
再び目を閉じ、私は眠りについた。
・・・・・・眩しい。
ゆっくりと目を開けると、まず天井が見えた。起き上がると、見覚えのない部屋にいた。
「・・・・・・ん?ここは・・・・・・」
「目が覚めたかい?そりゃあ、良かった。体調は?」
「大丈夫です。あの・・・」
「ああ、いいのよ。お礼なんか。そんなことより、どうかしてあんなところで倒れていたの?すぐそばが村だったからよかったものの、魔物に襲われたらどうなっていたか。」
・・・・・・ん?魔物?魔物って?
「ん?どうかしたの?」
「あの・・・・魔物とは・・・・」
「魔物は魔物よ。魔の物よ。・・・知らないの?」
おばちゃんが怪訝そうな顔をした。
「えっ?・・・あの、ここは・・・」
「可哀想に!!忘れ草を飲んでしまったのね!!いいわ!記憶が戻るまでこの村にいなさい!?」
・・・えっ?ちょっ、あの・・・
私の言葉を聞かずに、ハンカチで鼻をかみながらおばちゃんは、部屋を出ていった。
「・・・・・・」
・・・なんか、凄いことになったなぁ。私どうしちゃったんだろ?・・・・・・確か、路地に引っ張られて・・・。!!あっ!!あのこは・・・さっ、探さなきゃ!!
急いでベットから飛び起き、部屋から出ると、
「あっ!起きてる!!こんにちは。」
たくさんの人がいた。ここは、カフェのようだ。
あっ!いた!さっきのおばちゃんだ!
「あの、すみません!あの・・・・、私と一緒に、猫がいませんでしたか?」
「猫?あんた一人だったよ?」
えっ?私だけ?
「あの・・・・、私のほかに誰かいませんでしたか?」
「いいや、あんただけさ。なんか、思い出したのかい?」
「・・・・・・」
・・・・・・どういうことなのかな?確かに私は、由真ちゃんと一緒に駅前の新しいカフェに行こうとして・・・・・・で傷だらけのあのこがいて・・・・・・それで、路地に引っ張られて・・・・・・だめだ。混乱してきた。
・・・・・・とりあえず、あのこを探そう。あの傷をほおっておくと、とても危険だ・・・。
急いで外に出ようとする私を見ておばちゃんが、
「外に出るの?じゃあ、カエリ、ゆいちゃんについていきなさい。」
「うん!わかった。」
カエリと呼ばれた女の子が私のそばにきて、
「じゃあ、行こう。」
と私のてをひっぱった。
私の頭は、あのこのことと由真ちゃんのことで、いっぱいだった。
早くあのこを探さなきゃ!!