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ロングさんとアトさん

「・・・・・姫様?・・・姫様ーー?」


アトさんの慌てた声が馬車の中から聞こえた。


「どうした?アト」


ロングさんが煩わしそうな顔をする。


「姫様がいらっしゃらないんだ!!魔物に攫われたのかも!!どうしよう、ロング!!」


あたふたとするアトさんとは対照的にロングさんは眉間にしわをよせた。


私はそれに気付かず、


「だっ、大丈夫なのですか?すみません!私全員気絶させたと思っていました!」


とアトさん同様にあたふたした。


どっ、どうしよーーー!!!!お姫様がさらわれちゃったよ!助けにいかないと!!!!


「落ち着け、唯。お前は確かに魔物を全員気絶させてたぞ?」


シグマさんが私の頭をポンッと叩く。


「・・・・・え?でも・・・・」


そしたらなんで、お姫様が・・・・?


ロングさんがボソッと呟いた。


「・・・・・魔物かででてきた時、やけに静かでおかしいとは思ったが・・・・・・・」


・・・・・顔が怖いです・・・


「まったくあのおてんば姫様は未だ健在か」


シグマさんは、くくくと笑っている。


「笑い事ではない!!・・・・はぁ、あの姫様は・・・・・」


「まぁ、いいではないか。お前たちどうせ休み無しにあの子を連れ出しておったんだろ?少しは息抜きをしないとまた、あの時のようになるぞ。」


シグマさんが笑いながら、でも真剣な眼差しをしながら言った。それにロングさんは気づいたらしく、


「・・・・・・我々とて好きでそうしているわけではない。」


と顔をそむけた。


「ということは、今回は姫様の久々の脱走っということなのですね?」


アトさんが、ほっとしながら言った。


「アト!!」


そんなアトさんをロングさんがキッと睨みつけた。


「お前たちの仲も相変わらずだな。」


シグマさんが笑いながら言う。


「違う。くされ縁だ!!」

「そうなんですよ~」


ハモってしまったことに、ロングさんは嫌そうな顔をするが、アトさんはニコニコ顔。


なんか私と由真ちゃんみたい。


「くくく。ほら、早く王宮にいくぞ。」


「だっ、だが、姫様は・・・・・・」


「私が王に話をつけといてやる。」


シグマさんがそういうとロングさんはしぶしぶ頷いた。


「じゃあ、ついてこい。アト、馬車は任せた。」


ロングさんは、門の方へ歩いていく。


「では、また後で~。唯様。」


アトさんが私に向かって手を振る。私はその無邪気さに思わず笑顔で返した。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆


《ロング視点》


最近、原因不明な事態が多く起こっている。それもあの大地震があってからだ。俺もアトもそのことを対処するのに忙しい毎日。国のため王のためなのだが、やはり酒が飲めないのは少しばかりつらいな。


この3日間、隣の国まで姫様のお相手探しだった。いくらおてんば姫様といえど、そろそろ身を固めていただけないと、国民も心配する。


今回のお相手探しの結果はまあまあだった。まぁ、あの姫様は黙ってれば王妃に似てる。王族の王子は甘やかされて馬鹿な奴ばっかりだから、引っかかった奴は多いだろう。


そしてその帰り道、俺たちは魔物の奇襲にあった。俺たちもそこそこ腕がたつ兵士だ。だが、魔法を使うことは禁止、そのうえ能力の制限もくらってる。しかもその魔物らは、今まで見たことのない数で襲ってきた。


くそっ!油断した!!馬車には姫様もいるってんのに!!王にどやされるじゃねぇかよ!!


・・・・・・どうせ死ぬなら、制限なんてくそくらえだ!せめて、姫様だけは無事に返さねぇと・・・・・


そして移動魔法を使おうとしたが、出来なかった。いや、正確にいうとあの魔物が邪魔をしていた。嘘だろ、あいつら奇生種だったのか!しかも、こんな高等な魔法をDランクのやつが使えるときいたことがない!!くそっ!!


そのとき、目の前の魔物が倒れ始めた。わけがわからずぼんやりとしていると、次々魔物が倒れていく。その倒れた魔物の中心は、1人の見たこともない黒色の髪をした少女がいた。この国では、漆黒の髪を持つ者はいない。シグマのように少し黒が混じった青、つまりは藍色なのだが、そういう少しの黒を持つものはいる。新たな魔物かと思ったが、どうやら違うようだ。


だが、まだ警戒は必要だな。



《アト視点》


最近忙しいな~。ロングはイライラしてるし、姫様はそんなロング見て、心配そうだし。やっぱり、お酒を飲んでないからかな?ロング真面目だし、この仕事が終わるまでは!とか思ってるんだろうな。まっ、今日で大体の仕事は片付いたし、久々に近くの酒場に連れていこっと♪


とかなんとか思ってたら、絶体絶命のピンチだ!!ロングも俺も最近の忙し疲れだな。まぁ、いざとなったら魔法を・・・・あれ?できないっぽい?ピンチーーーー!!


と俺が焦ってる間にも魔物は近づいてくる。魔物たちは勝ち誇った顔。その1匹が持っている棍棒を振り上げて、俺は思わず目をつむった。


そして目を開けると、綺麗な女の子がいた。


・・・・・・女神さま?・・・・・綺麗だな。・・・・・こんな女神さまに迎えに来てもらえるなら幸せだなー


と不意に手足をみた。・・・・ある。


あれ?俺死んでない?生きてる?じゃあ、この女神様は・・・・・?


こんな女神さまを警戒?する必要ないって!!
















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