1. 合宿編 恋の神様は俺にだけ微笑んだ(と最初は思った)
今日から1話ずつ番外編を投稿していきます。
お楽しみください♡
ルート視点:
合宿はてっきりクラスの仲を深めるものと思っていた。
蓋を開けてみると、クラス関係なくで、しかも恋の女神様は俺に微笑んでいた。
2の数字を上空に打ち上げた彼女の姿を発見した時、胸が高鳴った。
隣のクラスのマミーナと同じグループになれたことが嬉しかった。
マミーナは、多分自分がモテてることに気づいてない。
しかも、相手の好意にめちゃくちゃ鈍感だ。
ここ数時間、共に過ごしてみて、他のグループの男子からのマミーナへの目線をすごく感じたが、本人はまったく気づいていないと思う。
これは、ライバルができにくい一方で、自分の好意も認識されにくいということだ。
せっかく恋の女神がチャンスをくれたから、俺も少しでも距離を縮めたいところだ。
しかし、俺は気づいてしまった最大のライバルの存在に…
食料を探して森の中を散策していた時、マミーナが魔物に向かって挑んで行った。
その横にいるのはソランティア王子だった。
はたからみても、2人は良いチームワークだった。
互いに互いの攻撃リズムを理解しているというか、ゆだねているというか。
なぜか俺はマミーナとソランティア王子が2人で完結している空気感がした。
2日目の演出に悩んでいた時も、お手洗いに行くマミーナとちょうど鉢合わせたソランティア王子。
ソランティア王子に相談に乗ってもらったと、迷いが晴れてスッキリした表情で昼食にやってきたマミーナを見て、また王子に一本とられたと思った。
グループ1の演出で好意を相手に届けると知った時、マズい!恥ずい!と思った。
俺の想いがマミーナに届いてしまう…
でも、いや、ここはバレた方が進展するかも?
「マミーナ、少しは俺を意識してくれ」
と期待することにした。
しかし、マミーナは全く俺への態度が変わらない。
鈍感を貫いている…
「グループ1さんよ、鈍感な女の子には効果なしでしたよ。」
と心の声を伝えたくなったことは秘密である。
「.マミーナは一体、誰からキスされたんだ?」
って気軽に聞けたらいいのに。
でも、こんなこと聞けるわけないよな。
マミーナはモテるから、いろんな顔が浮かび上がった中の1人くらいにしか、俺のことを見てないのかもしれないな。
夜は勇気を出してマミーナを連れ出すことに成功した。
俺はこんなにも誘うことにドキドキしていたのに、マミーナは普通に応えてくれた。
嬉しいのだが、もう少し恥ずかしがってくれても、意識してくれてもいいんだぞ。と俺は悶々としていた。
テントへ戻ろうとするマミーナを引き止めて、2人で寝そべる。
好きな子と横になって夜空を眺めるとか、最高かよ!という余韻に浸る暇もなく、マミーナは魔物に噛まれたらしい。
すぐに駆けつけたのは王子だった。
それも、ものすごい速さで。
どこから見てたんだよ!
なんで横にいる俺より気づくのが早いんだよ!
俺は自分が情けなくなった。
何の迷いもなく、無駄口をたたきながらも、マミーナをお姫様だっこして運ぶ王子の後に、ただついて行くことしかできなかった。
「俺、何してるんだろ…」
浮遊魔法を使っていると王子が言っているのが聞こえたが、俺はそんな魔法使ってないと思う。
王子が魔法を唱えるところを見なかったからだ。
マミーナに気を遣って、浮遊魔法を使ったと、言ったんだろうなと思う。
マミーナを降ろしたあとに、早々と部屋から出ていった王子の顔を見て、俺は確信した。
……耳、真っ赤だったぞ。
顔まで隠して。
あれは間違いなく照れてた!
多分、マミーナをお姫様抱っこしたことに!
俺はわかる。
きっと抱っこして、あまりの軽さに、彼女の小ささに、キュンとしたんだと思う。
あの王子の顔は、恋する乙女の顔だったからな。
「はぁ、俺の敵、強敵すぎるだろ…」
でもさ。
あの王子ですら落とせないマミーナって、やっぱ最強の強敵じゃない?
……俺、勝ち目ある?(ないかも)って本気で落ち込んだわ。
でも、落ち込むだけじゃ終われない。
恋の神様、次のチャンスもください。




