1-1.
わたしが生まれ育ったのは、サーラーン王国。
美しい自然が広がっていて、人々の声にも魔法みたいな活気がある。
入学書類の最後の欄に、そっと自分の名前を書く。
マミーナ・フェル。
魔法学校に入れるなんて、本当に夢みたいだと思った。
この国では、誰もが魔法を使える。でも、魔法の授業が始まるのは13歳になってから。それまでは一般教養だけの学校に通うことになっている。
魔法を学ぶ前のわたしたちにとって、魔法は憧れそのものだった。
早く使ってみたい。役に立てるようになりたい。そんな思いでいっぱいだった。
紅秋の季節──赤や金に染まる木々が輝くころ、13歳になった者は魔法学校への入学を許される。
わたしも、今年の陽春に13歳になった。
ずっと憧れていた魔法学校、ミドバーレ魔法学校への入学が、ついに叶うのだ。
ここは王族や貴族も多く通う名門校。でも、市民もいる。だから、わたしのような平民でも、チャンスはある。
わたしの夢は、騎士団に入ること。そのためにも、魔法も剣術も、ここでしっかりと学びたいと思っている。
入学はそれほど難しくない。でも、卒業するのが大変だと聞いた。
高い志を胸に入ってきたはずの生徒たちも、途中で脱落していく。
そうならないように、わたしは絶対に負けないと決めている。
初日は、もう一話投稿します。




