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短編

ある物書きの叫び

作者: 見伏由綸

*この物語はフィクションです。

ある国に、命知らずな物書きがいた。



「自国が隣国への侵攻を開始した。政府がいかに報道を規制しようと、若者は世界とのつながりをすでに持っている。そのため本当に起こっていることがなんなのか、気がついている人も多くいるだろう。それでも政府の動きを止められない。それは報道の自由を、言論の自由を、すでに失っているからである。政府を批判した人を、政府が自由に拘束、投獄できてしまう国家体制が完成しているからこそ、人々は自分の思ったことを言えなくなっているのだ。


きっと、今になって気がついた人も沢山いるのではないか。

我らは、言論の自由を、報道の自由を、手放してはならなかった。

自分で考え、その考えを表現することを諦めてはいけなかった。

自分たちの国の主権を、他人に託してはいけなかった。


今からでも遅くはない。人々よ、立ち上がれ。言論の自由を取り戻せ。


それが、本当の自由を手に入れる第一歩となるだろう。」



このような政府を批判する文章を書き、あまつさえそれをハッキングした政府のHPにデカデカと表示させたのだ。



物書きは翌日、大声で叫ぶような表情で冷たくなっているのを発見された。

物書きを殺した犯人は、ついぞ見つからなかった。



10年後、物書きを惜しみ追悼するパレードが盛大に行われた。

人々は物書きの遺作を「言論の自由の叫び」と呼び、石碑を作った。

物書きの命日を「言論の日」とし、もう二度と言論の自由を手放さないと誓った。



その誓いは、50年経った今も守られている。

お読みいただき、ありがとうございました。


今、言論の自由を手にしている幸せを噛み締めながら、言論の自由を持たない人々へ想いを寄せて。

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