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水屋詩集  作者: 水屋 燈
35/40

生存の意志 / 色彩

「生存の意志」


人間というのをまだ信じているのだ

歴史の上に立った生命たちを

この時代を

まだ信じているのだ

故人が踏み固めた雪上で、

歩いていくため、

生きるため、


運命とやらをまだ信じているのだ

平和や平等がいずれ叶うことを

この時代を

まだ信じているのだ

遺せない生命を、

未来へ繋ぐため、

自分のために



「色彩」


唐突に

色を失い

僕は戸惑う

世界はこんな色をしていたんだ

色の名前すら知らない僕は

「しろい」ととりあえず言ってみる

それがどれを示すのか、僕にはさっぱり分からない


唐突に

視界がどれほどくすんでいたか

気づいた

目を凝らしても

凝らしても

まるで見当がつかない

見えているのだが、

どうも暗い

どうもやけに複雑で


何が見えていたのだろう


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