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水屋詩集  作者: 水屋 燈
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さようなら

さようなら!さようなら!


手を振る友に返す

旗を振っている船員に返す

港から見守る人らに返す

高架橋の上から見下ろす子に返す


楽を求む人間の(さが)から

もう見たくない紙っぺら一枚を海に入れる

そうだこれでさよならだ。

ありとあらゆる(しがらみ)

もう何ともないと海に入れる


深海に落ちるのは懲り懲りだ

そうだこれで生まれ変わった。

もう何ともない。


汗の沸くような羞恥心の塊も

もう何かも知れない喪失の絶望も

過去に縛った色んな我楽多も

さよならだ。

思い出したくない過去の記憶も

心臓を刺す嫌な言葉も

生温く手に触れた感触も

もうこれで何ともない。


見たくない自分の愚かさを

鏡を。

乾いた大地に埋める

最果ての地に落とす


これで、さよなら。

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