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えげつないほど大変な建設計画1


エウリアさんに言われた建築設計期間は3日間、その中で街の有名になるようなものいくつか考えないといけない。

いやあの時は二つ返事で答えちまったけど深く考えてみても思いつくものがない。


この前までニートだったんだよなぁ?現代の風潮上、社会のゴミと呼ばれる俺なんかにそんな3日間で建物作らせる?しかも体完治してないのに……。


そもそも日本にあるやつにすればいいんだけどこっちの世界微妙に中途半端なんだよなぁ~。ゲームとかは異様に発達している割に飲食店少なし、科学関係以外のものがからっきしだし、よく言えば都会みたいに最新の技術が多くある所とも言えるけど悪く言えば、交通網の悪い田舎みたいなところだから本当に一長一短という言葉が似合う都市だもんね。

何建てればいいか分かんねぇ。


「八千代どんなところを作ったらいいと思う?」


「私はマ○クがいいです。というかそれしかないと思います」


「えっ……マ○ク?それも考えるけど、他にも例えば種類豊富じゃなくって一品さえあればいいみたいな物とか思いつく?」


「そうですねぇ……現状考えても浮かびませんしそれらしきものが書いてある本かなんかを明日までに持ってくるんで待っててくださいこんな時の為に私たちサポーターがいる様なところもありますしね。」


そう言って走っていった八千代を見送った後、セシリアが宿を取ってくれたのでそこで寝ることにした。



朝、寝ている俺の腹あたりに重い一撃が走った。何をしても起きない俺にしびれをきらしたらしく、セシリアが腹にスプラッシュブランチャーをしかかけてきたらしい。


内臓がおしゃんになり、死んだ俺はもうほぼほぼ日常化してきている蘇生魔法を一緒に来ていた八千代にして貰う。


もう俺が死んでも生き返ることを知ったらしく、暗殺されそうになった際の護身術の練習と称して死ぬぎりぎりのところでやめるというなかなかドSなことをしてくれる始末。


そんなこんなで俺の朝は死ぬか生きるかの瀬戸際からはじまる。だが一週間もすれば身体が慣れてきて2発3発は避けられているらしい。慣れって怖いね。


だが慣れではどうにかならないこともあって、夜はラインちゃんに、もうわざとやってるかのように毎回ドジっ子属性を出して俺を殺しに来る。

万策尽きただろうと思っても偶然から発生するので殆どこちらの方は死にかけている。

こないだなんて紅茶の茶葉と塩酸を間違えて持ってきた挙句、メイド服の裾に足引っ掛けて塩酸を思いっきしぶっかけてきた。

その後のごめんなさい+涙で上目づかいがなかったら

と、そんなことを考えてる俺に寝床をバシバシたたいて何かを伝えようと八千代が無理やり意識を戻させる。



「というわけで持ってきましたよ凪人さん。同僚の町子ちゃんが勧めてくれたんで自信はあります」


「………?」


「……まず一つツッコミたいんだがお前どうやって元の世界に戻ったの? この世界来たら帰れないんじゃないのかよ?」


「えっ?帰れますよ私は?ターン・ザ・ワールド!っていえばかえれます。まぁそんなことより本持ってきたので褒めてくださいよ」


「そんなこと?いやいや()()?帰る場所ないけど、日本どうなってるのかとかめちゃめちゃ知りたいよ!?」


「少しなら教えてもいいですけど今は褒めるのが先です、レディがしっかり持ってきたのですからね」


そう言った八千代を()()()()も仕方なくだが、犬を撫でまわすようにして撫でてやったら顔を赤らめ本を置きそそくさと逃げていった。

……そして本に目をやると表紙を見て絶句する。



『建てよう! 勃てよう! 色々なもの ~これで君も建築マスターだ!~ 』


今まで我慢してきたのが弾ける様にしてツッコミが湧いてくる。


「おいこれアウトだろ色々な意味でアウトだわ!」


これ作った奴ぜってぇ頭の中ピンク色! 

それにこれ勧めるお前の同僚もアウトだ。なんだよ勃てようって、うまくねぇわ! 

今まで雲の上のように思ってた政府さん馬鹿ばっかりなんじゃないの? まじで疑ちゃうんだけど……。


扉の横から顔を出しやってやりましたオーラを出す八千代の表情を見て、読みたくないから返すのは悪いと思うし読むだけ読んで見ようと思った。


本の一枚目を開くと注意書きみたいなのがあったのでそこから読むことにする。


《まず数ある本の中からこの本をお取りいただき誠にありがとうございます。この本は(いささ)か問題点がありますのでここでは注意書きさせていただくとします。


18歳未満のお客様は読むことについてお勧めはしません。どうしても読みたい、読まずにはいられないというお客様いましたら必ず18歳以上の身内、知人に許可をいただいた上でのみ読むことをお勧めします。また要約したページがありますのでそこから読むとよみやすいと思います》


八千代に許可貰ったからいけるけど本の中身もピンク色1色だろ? あんまり

読みたくないけど要約ページだけ見てみることにする。


《1 感じ方は人それぞれですが先ずは何を建てたいかをイメージすることが大切です》


……意外にまともだ。タイトル見てダメな奴だと思ったけど流石にここまで政府もおちぶれてないもんな。


《ポイント:男の人は勃てる時にはイメージしますよね? 建築家もそうです、建物を作るときは息子を勃てるような気持ちで日々頑張っているのです》


やっぱりこれだよ! 油断したときにそうやって下ネタ混ぜてくる。というか建築家に失礼だよ、皆そんな気持ちで建物たてるかよ!


《2 先人の知恵を借りる》


どうせこれもあれだろ、下ネタなんだろ? もうわかってんだよこっちも!


《ポイント:先人たちもきっとイメージという名の妄想日々していたのでしょう》


こいつ先人にまで喧嘩売りやがった!これはやったよまじで、町子ちゃんこれ勧めるって相当やばいぞ。


《3 時には女性からの意見も取り入れてみる》


もうさぁ、ちょいちょい真面目なの入れるのやめてくんない?なんか見ていてイライラするんだが……。


《ポイント:性処理も女性がいないとマンネリ化してしまいます。そういうためにも女性の中(大切な言葉の中)に男性のもの(意見)を挿れるのが大切ですね。》


大切ですね。じゃねんだよ!普通に言えよ普通に!


最後にその下を見てみると注意書きがある。

「ちなみに上の挿れるの部分ですが取り入れてみるの入れるとかけてみました。うまいでしょ!」

どこがだよ!?

もうこれ見てると頭が痛くなる、これ作ったの誰だよって思った俺は最後のページの作者を見てみると何のひねりもなく町子ちゃんと。


「町子半端ないって!」

そんな言葉しかこみあげてこなかった。





町子ちゃんは日記に出てくる返答者です

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