えげつない妹とお姉さん
俺が起きたのは、倒れてから3日も経っていた夜遅くのことだったらしい。
ベットに寝ていた俺がふと起き上がると、横には八千代がいたて、セシリアもいた、何でいるのかも知らんがあの兵士まで俺の足元でベットに顔を突っ伏して寝ている。
まあ八千代とセシリアは可愛いから需要があるにしてもおい兵士!満足そうに寝ているが、お前は絶対に需要ないと思うぞ!さっさと起きろや!
そうこうしているうちに俺がもぞもぞし過ぎたのか、八千代が起き、セシリアまでも起きたのだが、ただ、ただ一人、兵士は一向に起きない。
まじで気持ち悪い、だって起きたら筋肉だらけのおっさんだぞ?時折どこで知ったのか凪人殿とか寝言で俺の名前言っちゃてるよ?気持ち悪い通り越して恐怖だわ!
「凪人さんよがったぁぁぁぁぁぁ!……ひっく……死んだのかと思いましたよぉぉぉぉぉ!」
「わだじが悪かったですわぁぁぁぁぁ!もっとはやぐ………ぐふっ………来ていれば…ふふっ…こんなこと起こりませんでしたもの!」
八千代はまぁ涙が出ているがだがセシリアは全く涙が出ていない、しかも時折口が揺らんでいるのがわかる。こいつぜってぇ〜笑いを堪えてやがる。
「おいセシリア本音を言ってみろ」
「びっくりして起き上がった時に凪人の顔を見たら面白くて……でも心配したのは本当ですわよ?……ちょっとだけ、いえかなり」
最後が少し聞き取れなかったが馬鹿にしていることはよくわかった。
「ところで俺の横で寝ているきもいおっさんどうにかしてくれよ」
「えっ?おっさんじゃありませんわよ?」
……は?あれでおっさんじゃないの?ちゃん見えてる?目が節穴じゃないか疑ってしまうが……。
「えっ……じゃあなんなのあの人?」
「あそこにいるのはラインといっておっさんの被り物をしている女の子ですわチャックが後ろにありますもの」
そんなわけないだろ……まじ?
絶対嘘だろと思いつつラインという少女?の入った被り物とやらを見回してみるとまじでチャックあった。恐る恐る開けると中から大量の空気が流れてきてびっくりしたけど……まじで美少女じゃん…っていうか筋肉空気で盛ってたのかよ!
そしてラインは気が付いたのかよだれの垂れた口を恥ずかしがりながら、ポケットから取り出したハンカチで拭い、上目遣いでこちらを向く。
「こ、ここここの前はすすいませんでひぃた」
やばい、この子まじで可愛い。さっきまでのあの兵士が嘘だと思えるくらい可愛い。
俺が笑ってもう過ぎた事だし良いよ、と言うと申仕訳なさそうな顔を浮かべつつも少し恥ずかしがった様子でドアのよこに張り付くように隠れていった。
いやロードローラー出すどこかの吸血鬼もどきみたいな幼女とびっくりするたびに気絶するどっかのお嬢様よりよっぽど可愛い。
「ラインは被り物や着ぐるみをしていないと恥ずかしくて声が小さくなるし、本当の実力が出せないのですわよ。」
「何故おっさんなのかというと渋い顔が好きだからと言っておりましたわ、それに合わせて私が特注で用意させてあげましたの。声は変えてますがよく聞けばかわいい声が聞こえますわよ」
うん充分に個性あったわ。おじさんが好きとか強烈過ぎるだろ。なんでこうこの世界の美少女は個性が強いんだよ!これが呪いか!真面目なのエウリアさんしかいないじゃん。
「それよりお姉様と話して来ましたよ?凪人達の事」
「お姉様って誰?お前に姉なんていたっけ?どうせお前の姉ちゃんだから頭おかしい奴だろ?」
俺がおちょくったように言うと後ろから声が聞こえてきた。
「頭おかしいですか……これでも国で2番目に頭が良いと自負していたのですがねぇ~」
………えっマジ?こいつのお姉さんエウリアさんだったの?
そんなはず。こんな野蛮な鳥籠の姉がこんな美人なはずがない。
「いや悪気はなかったんですよ、ただセシリアとあった時、馬車で突っ込んで来たからそのお姉さんと聞いてちょっと……ですね。だよな八千代」
「そうですね……凪人さん確かその後土にも埋めさせられかけてましたもんね」
「土にですか……どんな事があったのかはわからないですけど妹が大変申し訳ございませんでしたね。それにラインの件も私が早く止められればよかったのですが……本当に面目ないです。後でセシリアにも深く言っておきますね。」
「それよりもギルドの職員になりたいんですよね?困りましたね……本当はもう少しレベルがないといけないんですよ、周辺の調査だったり、でも危ないのであなた達2人にはとりあえず別の方法で推薦させましょうか。」
「別の方法って具体的には何すればいいんですか?」
俺がそういうとセシリアと似たような何を企んでるのかわからない様な顔で微笑むエウリアさん、だがマジかわいい!!
改めてみるとどことなくセシリアに似いる、本当に姉妹だったんだな。性格全然違うけど……。
「それはこの街に新しい建物を作って欲しいのです。セシリアから聞いた話によればあなた達は違う場所からここに来たのですよね?それならあなた達の所の知識をこちらにくれないでしょうか?それを推薦状として出します」
……どうしようかなぁ~。めんどくさいし、第一ギルド職員とかいう裏方絶対大変だろうに。
「すいま」
「お願いしますね?」
「あっはい」
………。
いや不覚にもエウリアさんの上目遣いにときめいてしまった。というか今俺が言い終わる前に話したよね?
やっぱりあまり妹と変わんないんじゃないか?