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えげつないほどの紅(くれない)美人はお好きですか?

やっと凪人の見せ場です!少ししかないけど……。


婚約の誓い?の後も、俺たちは楽しく時々元の世界の話についてだとかを歩きながら喋っていた。


少し時間が経ったので休憩していると、セシリアが「そういえば忘れていたわ‼︎」とよくわからない黒色のカードを見せてきた。


「これはですわね〜、冒険者カードといって身分証明書の代わりになる一番必要なカードですわ。色は強さに比例して一番上から紫、黒、白群色びゃくぐんいろ、黄、緑、白と分かれていますの。そして上のクラスに上がるにつれてクエストが増えていきますわ。またクポーン券としても使えるので便利ですわよ?」


まじか!これが無ければ此処で働く事も何も出来ないわけだ。俺としてはこのまま刑務所でも良いけどな〜聞いた感じだとベットもそれなりだし労働とかも基本的にはあまり辛くないらしいしな。

まぁ流石にこの路線は駄目というか終わった感あるし、最終手段としてだな。


「で?それを俺たちにとってこいという訳か、八千代どう思う?」


「そうですね〜取るだけ取っときましょうか、役に立つカードみたいですしね。それにギルドの受付もありますから。」


その言葉を聞いたセシリアは「そうとなれば早速取りに行きますわよ!」と八千代と俺を連れて冒険者ギルドに案内してくれた。




       〜冒険者ギルド〜

「忘れていました。一人一能力開花させることが出来ますわよ。

人によって違って、私の場合だと相手の技をコピーする能力ですわね。どうですか?強いでしょう!」

ほー。そんなんあるんだ。そんなこといったら八千代なんかもっと強くなるじゃねぇーかよ。


「まぁとりあえず測って貰うか。八千代、先測ってていいよ」


「そうですね。ではいってきますね」


「あっ。いらっしゃいませー!こちらは冒険者ギルドです。登録ならあちらですよー!」


元気の良いハキハキした感じのボーイッシュな子が出迎えてくれた。


ギルドは活気に溢れていてあちらこちらでダンスの音や漫才のようななんかが聞こえてくる。


「今日はどうされましたか?」


にっこりと笑顔が良さげで、とても綺麗なお姉さんが手続きをしてくれることになった。するとこのお姉さんにセシリアが、

「私がこの方達を此処にお招きしたのですわ。早速ギルドカードを作ってくださいまして?」といったところお姉さんの期待感が溢れ出ている。


「はい!皇女様の推薦ですね?それはそれは強いのですかね。分かりました。今行うので待ってください!」


お姉さんに言われたがまま待っていると、奥の部屋に案内された。

そこで能力以外を測るみたいでちょうどお昼ぐらいの時間帯になる頃、魔力、握力などと若干体育テストに似た診断を受けつつ、最後の能力を測るところまでは終えたのだった。


八千代は全てカンストみたいに知能及び筋力等が高く、回復力も強く、魔法適正も半端ないらしい。

極め付けに得意攻撃が【イカズチ】というかっこいい技付き。


かく言う俺は、知能は高いが魔法適正ほとんどなし。

得意攻撃はデコピンという凄まじい程の弱さ。

それ以外だと少し足が速いくらいか。兎にも角にも受付嬢のお姉さんには幻滅され、八千代には同情された。


「では最後に能力を測りましょうか。能力は魔法にあまり直結せずに必ず一人一つ持ちます。さぁ、二人ともこの水晶に手を触れてみてください」


俺たちの触った水晶は冷たくそれでいて神秘的であった。ずーっと眺めていると、いつのまにか水晶が光りだして、その光が敷かれていたカードの真ん中に当たりバチバチという音と共に能力らしきものがしっかりと刻み込まれていく。


………こう見てみると本当に異世界に来たんだと常々実感する。


「八千代は、能力なんだった?」


「私ですか?私は物事の時間を操る能力でしたね。そういう凪人君はどうなんですか?」



八千代に聞き返されカードを見てみると、『エネルギーや相手の能力、攻撃などを逆流させる能力』と書かれている……どういうこと?


「俺はエネルギーとかを逆流させる能力だって、使い方がいまいちよくわかんないけどな?」



「「「「………………」」」」



何この間?なんか物凄い空気が重たいんだけど?強い能力なの?弱い能力なの?そう思った次の瞬間皇女が倒れ、八千代は笑い、ギルド職員は口をあんぐりと開けていた。


「おい!お前ものすごい能力だな。その能力は世界一外れの能力で、先代の勇者様の荷物持ちが持っていたらしいが、役に立たなくてその人が死んで以来誰もが当たるのを避けてた能力だ。やっぱりお前は最後にものすごい力を秘めてやがったのか。今日は宴だ!」


「……………あ?」


このゴミ世界が、ゴミみたいな能力を押し付けやがってぶっ殺してやる。

頭に血が昇り少しやけになりそうだがギルドにきた意味を思い出し落ち着く。


「あの?()()()()より此処の面接を受けに来たんですが、職員長さんか誰かいませんか?」


「えっ?冒険者になる為に来たのではないのですか?でしたらとりあえず職員長をお呼びするので待っていてください。」


冒険者は後だ、スライム気持ち悪いし、ゾンビ臭いしいつ死ぬかわかったもんじゃない。まずはお嬢様からお勧めされた職員の資格を取りに行く。それとさっきからお嬢様の動きが凄い。お前びっくりしたら必ず湿疹すんの?こっちがびっくりするわ!


「おい!セシリア、此処に来た目的は証明書の発行とギルド職………何まだ寝てやがるさっさと起きろよ!今日だけで何回気絶すりゃーいんだよ」


そういえばこいつは日本の話をするたびに何回も気絶のような感じになっては我に帰り、また気絶してを繰り返していた。



あれから五分後、セシリアをおいて俺たちはギルドの裏に来ていた。表とは対照的に日本のファミレスの裏みたいな酷く、小ざっぱりしている所に来た。

偶にちらちらとモンスターの残骸が転がっていたりと、ゲームの裏側に来たみたいな感じが漂っている。



「真理ちゃんに言われて来たのだけどあなた達が新しい仕事志願者の子かしら?」



……女神級だ。



ここに来て、一番の当たりくじを引いた。さっき外れくじ引いたのに……。

その夢にまで出てきそうな程のお姉さんは体は勿論の事、くれないのロングな綺麗な髪に大人びた印象を受ける。10代後半位だろうか?髪の毛は前髪をパッツンと切ら揃えてており、瞳は青緑色で吸い込まれそうな感じだ。


「は、はい……そうです。セシリアさんからの推薦で来たものです」


やばい緊張して声裏返った。


「ではとりあえずギルドカードをお願いします」


そう言われたので渡すとビックリするほどの速さで読んでいる。そしてその姿でさえも神々しい。



「八千代ちゃんと……暦坂君ですね?私はエウリアといいますこれからよろしく!それよりもセシリアからの推薦でしたよね?今あの子どこにいるか分かる?少し話したいのだけど……」


気絶してましたとは言えない。仮に、万が一にでもセシリア(皇女)を気絶させたと兵士なんかに聞かれた日には身柄拘束からの即逮捕もあり得るはずだしな――


「セシリアちゃんならさっき凪人君の能力見て気絶していましたよ?口から泡も――」


八、八千代?それ以上言うな、そこ、そこにゴツい兵士いるから……やばいこっち気付いたから、クワイエット、ウェイト、ステイ、シャラップ、マジ勘弁あの人筋肉やばい、2倍筋肉といい勝負だから……。


「おい!今第二皇女様の名前が聞こえたぞ?貴様らテロか何か企んでるとかじゃないだろうなぁ?そこのちっこい女、お前から聞こえたぞ」


そう放ちながら兵士は90°エウリアさんに綺麗にお辞儀をしていきなり俺らの方に銃口を向けてきた。


そしてやばいのがもう一人。


これまでのように八千代の表情が見る見るうちに怒り顔に、可愛いのだがやばい、さっきの()()()()が原因だろう。



「ちっこいって言った事を取り消して下さい」


こっちもやばい、目が血走ってるわ。


「そのままの意味でいったんだが……だがまあ何もしないと約束すれば聞かなかったことにしてやる小さいの」



「言うなと言ったのに……」



八千代はそう言い放ちながらイカズチと唱えて兵士の肩めがけて矢を放った― が避けられて外れてしまった。


「次は外さない!」


さらに無数のイカズチを連呼し周りに雷を帯びた矢をだす。

兵士は身の危険を感じたのか手に所持していた拳銃に魔力を込めて八千代に向かって打った。……打った?


これはほんとにやばいって――


「やめろ!!」


俺がそう言うと魔力のこもった弾は向きを変へ兵士の方に数倍遅く飛んで行った。そして兵士の横をすり抜けて壁に当たり、当たったところで早くなり、ピタゴラスイッチかというぐらいに器用に俺の体に散弾していった。



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