えげつないほどアホな勇者様1
五月病が夏まで進行したいた者です。
受験や資格で右往左往して中々手を出せない今日この頃ひさびさに投稿しました。期間が空いたのでなんともいえませんが異世界ありきたりだと思いつつ書いています。これからも時間見つけ次第気分で書くのでよろしくですm(_ _)m
BL雑誌持ち込み事件を俺が知る2日前の出来事である。
見事ギルド職員になるための大義名分を得た俺と八千代は、ギルド職員としての職務や振る舞い、態度などを教えてもらうべく、ギルド管理協会主催のギルド職員訓練場とやらに来ていた。
ギルド職員は国家公務員らしく、頭の回転が早く、知性に富んでおり、行動力があるものしかできないらしい。
俺たちはこれまでの経歴がわからない代わりにこないだ建てた建物と呼べるかわからんが、公園を短い期間で建てたことにより書類審査、及び頭脳を測るための筆記テストというものは現場の完成度をみて間逃れたらしい。
だがそれも束の間の休息。訓練と称し、ギルド職員を見極め、見合わないものはバカバカ落とすと言われる実戦テストを最後にやらなければいけない。
もうここまできたらあのクソお嬢の執事だけで生計が立てられるのだが、やらなければ半殺しは確定。
この前の朝、死んでしまってから蘇生魔法で生き返ることがばれてしまい、それ以来理不尽なことで半殺しされる始末。
「全く人の命をなんだと思ってんだよ」と言うことも叶わず、不合格なら合格するまで帰って来るなと言われた。
八千代には金渡すくせに俺には金なしだし、服もわずか3日分。
こうした極限状態で朝から過ごしているわけだが、練習だけしていてもでもはっきりいって今のままじゃ確実に合格できないらしい。
実戦テストの形式は冒険者への実践対応対決だった。
今回の場合はペアを組み、ギルド内の揉め事をより上手く抑えた方の勝ち、というわかりやすい仕組みであり、負けた方には今一度試験が課されるが三回目はなく、来年受けることになるらしい。
試験会場は本物のギルドで、いちゃもんをふっかける側、ふっかけられる側もギルド職員からのお願いした冒険者がやってくれるという完全に出来レース、それでもギルド内での揉めあいは、普通に仕事をしている途中のどこかで一回は起こるというので一番ギルド職員の本質が問われるのだとか。
またペアは自由なのだが八千代は誘って来るロリコン男共が気持ち悪く、面倒くさいという理由からいつもの二人組ができた。
そして自分たちの一つ前の組が終えたところで、次の俺たちの実戦テストが始まったわけだが、まずはじめの5分間は冒険者の対応を本物のギルド職員と一緒にやるようで特に問題はなかった。
そして今回のテストのメインは裏方作業を終え、持ち場に戻るとき唐突にやってきた。
いかにも勇者一行ですと体で表現しているような者たちが、ギルドのドアを開けて入ってくる。
この場面でこのような奴らが来るということはもう試験が始まっているのだろう。
いちゃもんをふっかける側の人たちも自身に満ちた様子で彼らの欠点をないか探っていた。
流石はギルド職員、典型的なハーレムパーティーとしていかにもバランスの悪いパーティー、その上ありきたりな伝説の剣みたいなものまで持っている勇者らしき男がひとり。他の冒険者と見比べてみるが、ひときわ異彩を放っていた。
そしてハーレムパーティーの女の子達は、ギルドには似合わない上品なお洋服という、どこをとってもいちゃもんをつけられやすいという姿で来た。
……何故だが何も起きないままその場から5分が経過した。
ふっかけられる側は何かを探す様子でギルド内をうろうろしている。そしてもう起きてもいい時間なのに騒動が起きない。
おかしい、何かがおかしい。
いちゃもんさんたちが動かない。なぜ動かない!見た目突っ込むところいっぱいあるぞ?
俺たちはいちゃもんさんたちが動かないと何も出来ないというのに……。
いやまて心なしかいちゃもんさんたちも焦ってるぞ。
あれもしかして職員さん用じゃない別者が来ちゃった感じなのでは?
そしてそこからまた5分が経った。
仕切り直しかのように後から来た偽物のギルドが用意した人たちは、外の窓からいちゃもんさんたちが目配せで送った合図を確認し、RPGの勇者のようにギルド内にある安いツボや樽を壊す。
それをいちゃもんさんたちが注意しながら、女性の方をチームに無理やり勧誘しようというありきたりなパフォーマンスをしてくれた。
これは突っ込むチャンスを作ってくれたのだろうか?
俺が行こうとしたとき事は起こった。




