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一章 4 押入れまんじゅう
なぜ朝までゲームができたのか。それは次の日が日曜日だからだ。
日曜日。そう。それは学生にとっては一週間で一番好きな日であろう。
そんな日をこんな可愛い子と過ごせるなんて何て今日はいい日なのだろう。
と、思っていたがよく考えると月の精霊なのだから朝になったらそりゃ寝るわな。明らかにぐっすり言っていますわ。
寝顔を見つめていると誰かが訪問してきたのかチャイムが鳴った。
思い出してしまった。この時間帯。幼馴染みが来るんだ…。どうしようかな月の精霊。
「おはよ〜。あれ?押入れの前で屈んでどうしたの?」
「いや。ちょっとそろそろ整理をしようかなと。」
「手伝ってあげる。」
「いい。いい。いい。いい!」
「どうしたの?隠し事?」
「いやーほら自分でも片付けられるようにならなきゃなーってね。」
「ふーん。」
俺の幼馴染みは疑うような目をしていた。危なかった〜。とっさに中に押し込んだけどよく起きないな…。
これから幼馴染みから押入れの中を隠し通す戦いがひっそりと始まったのだ。