一章 3 月と同棲、冗談だろ
「ただいまー」
まるで自分の家のようにくつろいでいた。
「きれいなおうちだね。」
「まあちゃんと掃除してるからね」
「幼馴染さんがね」
さすがだ。嘘はつけないらしい。
俺の部屋は8畳間くらいのシンプル部屋だ。部屋には我が誇りのゲームコレクションがズラリと並んでること以外はいたって普通だ。
「げーむがいっぱいあるねー」
「あとでやるか?」
元気よく頷いた少女は何かを期待するようにこちらを見つめている。
「どうしたんだ?」
「ごはん」
「精霊なんだし食わなくても大丈夫なんじゃね?」
「ごーはーん!」
深くため息を吐いて台所へ向かう。幼馴染みが作ってくれたであろうごはんが沢山並んでいた。
「ほらこれ食えよ。」
「……。」
まるで人形のように固まってしまった。
「どうしたんだ?」
「いいの?これ。おさななじみさんがつくってくれたんでしょ?」
「いいんだよ。食べな。」
「おにいさんはどうするの?」
「そうだね。即席麺でも食べようかな。」
「はんぶんこしよ。」
「いやいいって俺は…。」
「は!ん!ぶ!ん!こ!するの!」
「わかりましたよ。姫様。」
「よろしい。」
それから仲良く食事を半分こし次はお風呂だ。先に俺が入ってから精霊ちゃんが入ることになった。なんか入った後に入られたくないらしい
「げーむしよ!」
俺がお風呂から出てくるのを見ると突然そう叫んできた。ほんとに子供みたいだ。
「げーむ!げーむ!」
「わかったから。」
手を引かれてテレビの前へ座るとコントローラーを渡された。
「じゅんびしといたからほらやろう?」
それから俺らは月が沈むまでゲームをした。