第一話〜人嫌い〜
俺は何のために産まれてきた?
母も父も俺を産んだ事を後悔している。
俺の目の前でそう言った。
学校の奴らは気持ち悪いと言って俺に近づかない。
死ね。消えろ。すぐそれだ。
俺はそんな親が大嫌いだ。
そんな学校の奴らが嫌いだ。
すごく憎い。―――殺したいほどに―――
そんな俺が世界を大きく動かすことになる。
ブッラク シャイン 〜その者は黒く輝く〜
外は雪が降っている。
家の中から見る町は一面まっ白になっていた。
クリスマスが近いせいか、家は色んな色のイルミネェーションで輝いていた。
でも、俺にはそんなの関係ないクリスマスをいっしょに過ごす家族も友達もいない。
居ないというより『いらない』
夜久野 鬼龍
これが俺の名前。
産まれてから14年、愛された事なんて一度もない。
俺はずっと一人。
学校もほとんど行っていないし、親もほとんど帰ってこない。
人という生き物が大嫌いなのだ。
「腹減ったな」
俺はボソッとつぶやくとキッチンへ向かった。
昼メシの準備をするのだ。
ご飯を炊いて、味噌汁をつくって、さんまを焼いて・・・。昨日つくって残っていたサラダを
冷蔵庫からだす。
それをテーブルまで、はこんで一人で食べる。
昼食を食べ終わって、食器は後で洗おうと流しに置いた。
リビングを出て俺の部屋に行く。
学校には行かないから、家で勉強をしているのだ。
静かな部屋にはコツッコツッという時計の音だけ。
いすに座って机に向かう。
しばらくして俺はフッと後ろに気配を感じた。