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六章 あの女の子は
僕があの女の子の姿をじっと見ていたら、おじさんが声をかけてきた。
「お前、随分とあの女のガキが気に入ったみたいだな」
「気に入った……?」
「違うのか?」
僕はしばらく考えた。
「んー……、そうかもしれない……。だって女の子はとっても変」
「変?」
おじさんは変な顔をした。でもそれ以外にはなんて言えばいいのかわからないし。
「うん。あとの二人も変」
「何だ、全員変だってことか?」
「うん」
「ならジャリル様にこのこともご報告しなければな。ほら、お前もさっさと来い」
おじさんが、止まったままの僕を急かした。
「うん」
僕はおじさん逹のを後ゆっくりと追いかけた。
前をみると、いつの間にかかなり先を歩いているあの子が見えた。
「ああ……。やっぱりあの子、変。あの子とあそんだら楽しいかなぁ……?」
そう考えたら、なんだかすごくわくわくする気持ちになって、気がついたら声に出して笑ってた。




