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五章 迷いの森の魔法使い・五

アロイスに負けたカイは不機嫌全開だったけど、私と視線が合うと、あ、しまった、みたいな表情になった。

「あ、ああ。すまない、セリ。悪かったな」

「ううん。こっちこそごめんなさい。いきなり押しかけた上に、こんな面倒事に巻きこんで……」

謝るならむしろ私の方だ。私はペコリと頭も下げた。

「セリ、気にするな。お前のせいじゃない」

カイは慌てて私に頭を上げさせる。

「よかったね、セリ。カイが味方についたら怖いものなしだよ!」

アロイスはニッコリ笑いながら話に入ってきた。

「お前な……」

カイは誰のせいだという表情でジロリとアロイスを睨む。

「それより今は今後のことだよ。時間は全然ないんだから」

アロイスはそんなカイを無視して話を進める。

「……まあ、そうだな」

カイは溜息と共に諦めた顔をしたが、すぐに真顔になる。

「お前達の話はわかった。リントヴルムを探す手伝いをしよう」

「やったね、セリ!」

私達は喜び、カイを見る。

カイも私達を見ると「ただし、条件として俺の質問に答えること」と言った。

私とアロイスは頷いた。

では早速と、カイは私に質問をしてきた。

「セリ、お前はこの国の者じゃないな」

そう訊かれたので「はい」と私は答えたんだけどカイの欲しかった答えではなかったらしい。

何か考えているらしく、ちょっと眉間に皺がよっている。

「あー、悪い。訊き方が悪かったな」

カイが謝る。

「じゃ、あらためて訊くが、セリ、お前ははこの世界の者じゃないな」

「え!?」

私の心臓がドキンと大きくはねた。

アロイスも相当驚いたらしく「セリ! それ本当!?」と訊ねてくるが、私はそれどころじゃない。

「え、あ……」

心の中は大パニックだ。

(え、何で、何で何でばれちゃったの!?)

どうしてバレたのか、これからどうすればいいのか。

そんなことばかりがぐるぐる頭の中を回っていたとき。

「セリ!」

私はハッとした。

声のした方を向けば、アロイスとカイ、二人の心配した顔があった。

「やっと気づいてくれた~。何度呼んでも気づいてくれなくてどうしようかと思ったよ。ね、カイ」

「ああ」

アロイスとカイはほっとした表情になる。

「ごめん……、二人とも」

私は二人に謝った。

「いい。いきなりそんなことを訊かれれば驚くだろう」

「それに、それはセリにとって隠しておきたいことだったんだろ」

アロイスは私を労るように天使の笑顔を見せた。

二人の言葉に、私はいくらか落着きを取り戻した。

「ふふっ。セリの話、楽しみだな」

アロイスは新しい玩具で遊ぶのが楽しみで仕方ないというような様子でワクワクしている。

浮かべた笑顔は、絶対に逃がさないからね☆ とも言っているようで。

天使じゃなくて悪魔の笑顔か……と、私は心の中で訂正した。

ああ、一難去ってまた一難。

そう思ったら、私は笑っているんだか、泣いているんだよくわからない表情になり、ついでに乾いた笑いも無意識のうちに出してしまっていた。

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