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第4話 病室の朝日

 あたしの病室に、昨夜のユリアさんが朝っぱらから見舞いだか見物だかにやってきた。

 夏休みだから暇なのかしら?


「外はずいぶん賑やかですねっ」

 ユリアさんにあれこれ探られる前に、あたしの方から逸らした話題で質問をする。


黒衣城(こくいじょう)でお祭りがあるのよ。今日から一週間ぶっ通しでね」

「黒衣城? 何だかすごい名前ですね」

「今朝あなたが居た場所だよ」


 墓穴(ぼけつ)った。


「ハリエットちゃん、どうしてあんなところに……」

「どうしてあんなところでお祭りなんてするんですかっ? だってホラっ、丘を登んなくちゃなんないし、不便なんじゃないかなあってっ」


「あのお城は英雄伝説の舞台になっているのよ。三〇〇年ほど前に、勇者ラリルって人が居てね」

「三〇〇年も続いてるお祭りなんですか?」

「んーん。今年で十五周年。当時の町長が町おこしでおっ始めたの」

「ふむ」


 十五年前。

 あたしが生まれた頃だ。


「ところでハリエットちゃん、こっちにうちのお姉ちゃん来なかった?」

「へ?」

「あ。来てないならいいよ。他のとこを捜してみるから。じゃあね!」


 そしてユリアさんはパタパタと病室を出ていった。


 取り残されて、あたしはキョトン。

 だって、詮索されるのはイヤだけど、やっぱり退屈だし寂しいし、それに……


 黒衣城の伝説……


 どんな話なんだろう……


 きっとあたしに関係がある……


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