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セーラー服と絆創膏  作者: 柚月
セーラー服と異世界
6/50

セーラー服と異世界・5

「変態。」

「愛情表現だっつってんだろ。」

「ケダモノ。」

「一応、俺、人から獅子王って呼ばれてるけどな。」

調子に乗りすぎたクウヤと夜の間には相変わらずの一定の距離。

それは先程までの恐怖からのものではなく、単なる警戒心の表れで。

きっちり2メートルの距離を置いてクウヤの横を歩く夜に、クウヤは近付く事をかれこれ半刻は許されていない。

「・・・惚れた女に触りてぇと思って何が悪ぃんだよ。」

「っ・・・クウヤの色魔!!」


クウヤの気持ちを冗談なんだど否定してしまえば良かったのかもしれない。

けれどあの真剣な目を真正面から見て、冗談だと笑い飛ばせる事はできなかった。


「朝日、」

「・・・・・・」

「あーさーひ。」

「・・・・・・・・・・・・」

「あーさひちゃん。」

「~・・・っ何か!?」

「夜って呼んでもいいか?」

離れた距離の向こうから投げかけられたら問い掛け。

夜は一瞬躊躇ったが、自分も呼び捨てで呼んでいる手前頷くしかできなかった。

「じゃあ、夜。悪ぃけど、近付いていいか?もうすぐ街も近ぇし、そもそも腕の届く範囲に居てくれねぇとちゃんと守れねぇ。」

「っだから、」


だから、そういう言い方が無理なんだってば!!!


絶叫に近い声で叫びながら走り出す夜。

一瞬あ然として、それから慌ててクウヤが夜を追いかける。


「夜!止まれ!!」

「や、やだ!!」

「てめ・・・っ待ちやがれ!!!」


そうしている間に、到着してしまった目指していた街。

逃げることに必死になっていた夜が気付かず、その街の門を通過しようとしたその時。


「止まれ!!!」


クウヤのものとは違う、攻撃的な声。


強すぎる力で腕を掴まれ痛みに足を止めた夜の目に映ったのは、銀の甲冑を纏った人で。

顔まで甲冑に覆われたその人は、夜の腕を掴んだまま威嚇の籠もった声を続けた。

「見慣れない衣だな。通行許可証を見せろ。」

「、え・・・?」

「持っていないのか?・・・不審者め!!こっちへ来い!!!」

「ちょ・・・っ痛い・・・!!!」

「抵抗するな!」

暴れ出した夜に、甲冑の人が拳を振り上げる。

その刹那。

「俺のツレに、何する気だ?あ゛ぁ?」

その拳を掴む、威圧感ばっちりの声の主。

思わず涙目になっていた夜は、ぼやけた視界でその人物を目に映すと、腰が抜けて座り込んだ。

「く、ぅや・・・っ」

「・・・だから待てっつっただろーが。」

甲冑の人から手を離したクウヤは、座り込んだ夜を抱き起こすと持ち上げ、肩に担いだ。

「わ、ゎ・・・っ」

「腰抜けてんだろ。大人しくしとけ。・・・で?通行許可証がなんだって?」

ぎろり、夜には見えない所で甲冑の人を睨んだクウヤに、睨まれた方はたまらず引け腰に。

震える声でクウヤに声を返した。

「き、貴殿のお連れ様とは・・・っ通行許可証など必要はありません・・・!!」

「じゃあ、そこをどけ。」

ぞっとする声色で言ったクウヤに、逃げるように道を開ける甲冑の人。

それからしばらく歩いた所でクウヤは夜を地面に下ろすと、両手を弱く夜の両頬にぱちんと当てた。

「分かったか?今度からは俺の言うことはちゃんと聞け。心臓がいくつあっても足らねぇだろぉが。」

「ごめん、なさい。」

「分かりゃいい。」


とりあえず、買い物するぞ。

ちゃっかり手を繋いで歩き出したクウヤの手も、夜は今ばっかりは振り解けはしなかった。

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