prologue―side/P
どうも、「天辻制作委員会」です。
こちらは皆さん知ってるのかな?天儀凌、もしくは神田 継一です。
のんびり執筆するつもりだったんですが、
ものすごく早くside/Aが終わりやがったので、
執筆しました。
こっちは一人称、三人称の混じりものです。
何がどうなってるのか解りづらいと思います。
暗闇に映る影とは良く言ったものであるが・・・
街灯すらほとんどないこの町は、まさに暗黒と言っても差し支えなかった。
そして、そこには複数の人影がいたのだった。
しかし、おかしい。
どうみても一人に数人はいるはずなのに、
逃げている。そう、逃げているのだ。
たった一人の少年と思われる男に。
「はっ、はっ・・・はっ!なんで、なんで!?」
逃げているこの男、学生で成績不良層であったものの、努力してきた人間だ。
少なくとも他の学生とは一線を画してきた。
暴力もそこまでふるわなければ、学業も中間層に迫る勢いだった。
腕っ節は確かにそこそこあったのかもしれない。
しかし・・・。
「いい加減にしろよ、あんた・・・」
「っ!?」
「逃げてくれても時間が面倒なだけなんだぜ?」
後ろから黒としか言い表せないこの少年、背は160cmあるかないかと言った所だろう。
対して、学生は170cmはあった。体つきも悪くない。
しかし、彼は追われていた。
どうして!?何故!?
そう言えば・・・確か漆黒の子人と呼ばれている風町学園伝説があったという噂が・・・。
「追いついたぜ、あんた・・・」
「なっ―――!?」
そんな、全力で走っていたのに!?
「あのさ、俺もさっさと終わらせたいんだよ・・・だからあんた」
「う、うあああああぁぁぁぁぁ!!!」
突っ込んだ、本能の赴くままに・・・ただ愚直に、ひたすら前に、希望を見いだそうと。
生きようと、相手を潰そうと、前にだけ進もうとする。
「悪いが、そんな道は俺にとっちゃ簡単に止められる」
「えっ?」
しかし、それは一瞬。希望が無くなるのも、ただ一撃が入ったのも。そして血が流れるのも―――。
一瞬。
「がはぁ!?」
口から血を吐く。何をもらったのか・・・・・解らない。何故こうなったかも解らないというのに。
「うっ・・・ゲホッ・・・ゴホッ・・・」
力が入らない、しかし本能なのか感性なのかそれともただの気まぐれか・・・学生は血に濡れようと這い蹲る。生きようと手を伸ばす。
だが一瞬。
「ぐばぁ!?」
「しぶといな、一発でくたばると思ってたのに・・・まったく面倒で、やりがいがある」
「うぇ・・・ゲェ・・・グホォ・・・」
しかし、動かなければ死ぬ。二発の暴力で死にかけている自分を引っ張り出そうと身体が動く。まだ動く。目を閉じれば楽になるのに、彼は閉じなかった、否、閉じれなかった。
ただ、恐怖故に・・・。
「はぁ・・・グッ・・・」
「まだ、生きようとするか・・・特別だったか?」
一体何を言っているのだこの男は?
「俺の名前を教えておいてやるよ、縦川止水だ・・・最後に憶えておけ」
ここまで粘ってきた男の生涯は、急に現れた一閃によって・・・絶たれた。
「はあ・・・俺は止めてやるよ、■■■■を・・・」
どうだったでしょうか?
かなりブラックな内容に仕上げました。
ご感想ご意見どうぞ。
この作品は「天辻制作委員会」天儀凌、辻柊 玲の提供でお送りします。