表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
そのままのキミが好き!  作者: 星名柚花


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/8

08:初投稿

「それじゃ早速、『カワラブ同盟』のタグを付けて投稿しよう!  記念すべき初投稿だ! ってわけで、可愛いもの代表として、いまのれもんの写真撮っていい? その服、すっごく可愛いし! 全世界にアピールしなきゃ損だよ!」

「全世界って、大げさ。『バーチャル・ドール』の中だけだよ?」

 おかしそうに笑う声が、スマホ越しに聞こえた。


「写真撮るのはいいけど、どうせなら一緒に撮ろうよ」

「え、私も? でも、この服、公式ショップで買ったやつだし。れもんみたいなオリジナルの服じゃないから、えないよ。れもんだけで撮ったほうが絶対バズるよ」

「映えるとか、バズるとか、そんなの気にしなくていいよ。おれもサクラと一緒に撮った写真、自分のSNSにアップしたいし。記念すべき初投稿だっていうならなおさら、二人で一緒に撮りたい」

「!」

 ドキッとした。

 一緒に撮りたい、そう言ってもらえたのが嬉しくて。

 なんだかちょっと、照れてしまう。


「じゃあ、ちょっと待って。持ってる中で一番可愛い服にする。あと、ルームの背景デザインも変えたい」

 私はサクラにお姫様みたいなドレスを着せた。

 髪は緩く一つにまとめて、頭にはティアラをつけて。

 首と耳はキラキラ輝く宝石で飾って、はい完成!


 サクラを着替えさせた私は、続いてルームの設定画面に移動した。

 うーん、どうしようかな。

 サクラとれもんがドレスを着てるから、プリンセスが住むお城のような部屋にしようっと!

 ゴージャスな天蓋付きのベッドに、金色の模様が入った赤い絨毯。

 花の模様の壁紙に、天井には大きなシャンデリア!

 うん、超~いい感じっ!!


「できた! 準備オッケー! それじゃ、どんなポーズで写真撮ろうか? 思い切って、変顔とかしちゃう?」

「いきなり変顔はちょっと……。最初はシンプルに、笑顔でいいんじゃない? 横に並んで、左右対称でピースするとか、どう?」

「いいね! じゃあ、私が右手でピースするから、れもんは左手でピースして!」

 私はサクラを移動させて、れもんの隣に立たせた。


「わかった」

「じゃあ行くよー! 3・2・1!」

 カウントに合わせて、私たちは同時に『笑顔』の表情ボタンを押した。

 サクラは右手で。

 右腕にウサギのぬいぐるみを抱いたれもんは、左手でピースする。

 それから雪村くんはエフェクトボタンを押したらしく、ぬいぐるみの耳がピョコンっと可愛く跳ねた。


 ――雪村くんがこんな遊び心を出してくれるなんて!


 私は笑いながら、光のエフェクトボタンを押した。

 並んで立ったサクラたちの周りに、キラキラ輝く虹色の星が降り注ぐ。

 よし、いまだっ!

 私は撮影ボタンを押して、スマホにスクリーンショットを保存した。


「撮れた!」

「おれも。いい感じだね。普段はこういうノリ恥ずかしいけど、なんか楽しい」

 雪村くんの声が聞こえて、私はますます嬉しくなった。


「じゃあ、アップしよう!」

 私は自分のSNSを開こうとして、手を止めた。


 ――雪村くんがどんなことを書くのか、見たい!


 やっぱり、雪村くんの投稿を見てから投稿することにしようっと!

 SNSの画面を閉じて待っていると、五分くらいして、雪村くんが言った。


「投稿したよ」

「見たい!!」

 私は雪村くんのSNSを開いた。

 キラキラ降り注ぐ星の中で、サクラとれもんが笑顔でピースしてる。

 最高の写真と一緒に、こんなメッセージが添えられていた。


『友達のサクラちゃんと「カワイイものを愛する同盟」、略してカワラブ同盟を始めました!

 これから二人でカワイイものをアップしていくよ~♪


 ←サクラ

 れもん→

 よろしくね~!


 #サクラとれもん

 #カワイイものを愛する同盟

 #カワラブ同盟』


 雪村くんの投稿を見て、私は思わず「へ~」って呟いちゃった。

 私は『可愛いもの』って、普通に漢字で考えてたんだけど。

 雪村くんは『可愛い』じゃなく、『カワイイ』ってカタカナで考えたんだ。

 考え方の違いがわかって、面白いな。


 カタカナで書くと、特別って感じがする!

 それに、さりげなく『サクラとれもん』ってタグをつけてくれたのも嬉しい!


「どうかな?」

「うんうん、可愛い! ばっちりだよっ!!」

 私は大はしゃぎした。


 一番嬉しかったのは、可愛いアバターたちの写真じゃなくて。

 雪村くんが打ってくれた『友達』っていう文字だったのは、内緒!


 ――あれっ?

 私は雪村くんが投稿したメッセージの右下で、星がキラキラ輝いているのを見つけた。


「えっ。すごい! 投稿して一分も経ってないのに、星ギフもらえてる!!」


 星ギフっていうのは、ユーザーが『素敵!』って思った投稿に対する無料の応援ギフト。

 ギフトが多く貰えると、その日の『星ギフランキング』に乗れるんだ。


 私のSNSはフォロワーが8人しかいないけど。

 去年ファッションテストで準優勝したれもんはフォロワーが100人以上いるから、多くの人の目に留まりやすいんだろうな。


「あっ、また! すごい! あっという間に星が3つになった! 今度は『可愛い』ってコメントまで来てる!!」

 雪村くんのSNSに『可愛い』ってコメントしたのは、パステルカラーのパジャマを着た女の子アバターだった。


「うん、すごいね」

 雪村くんのテンションも上がってる気がする。

 だって、声がいつもより明るいもん。


「さすがれもん! 新作コーデは注目度バツグンだね!」

「いや、サクラとれもんの写真なんだから、おれと花崎さんの力だろ?」

「……うんっ!! 雪村くんが一緒にやってくれるから、私もすごく楽しい!! これからもっともっと、一緒に可愛い写真アップしていこうね!!」

 なんだか胸が熱くなって、私はスマホを握り締めて笑った。


「……うん。こっちこそ、よろしく」

 少し間をおいて、雪村くんは照れたようにそう言った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ