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そのままのキミが好き!  作者: 天咲リンネ


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10/34

10:みんなで頭の体操

 午後一時。

 お昼ごはんを食べたあと、私たちは再び食堂に集まった。

 いまから始まるのは、午後のレクリエーション。

 でも、身体を動かす前に、まずは頭の体操をするんだって。


「これから3つの問題を出す! 心配はいらない! 五桜学園の厳しい受験を勝ち抜いた君たちなら、簡単に解ける問題だ!」

 私たちの前でそう言ったのは、学年主任の加藤先生。

 いつもは厳しくて怖い先生だけど、今日は珍しく笑顔だ。

 加藤先生も、オリエンテーションでテンション上がってるのかも?


「えー、ホントかなぁ……」

「解けなかったらどうしよう……」

 私の近くにいる女子たちが、不安そうに呟いている。


「制限時間は30分! 各班ごとにクリアまでの時間を競ってもらう! 3位以内に入れたら、順位に応じて夕食のバーベキューの肉が増えるぞっ!!」


 ――おおおおおおおおお!?

 肉が増えると聞いて、生徒たちが盛り上がった。

 特に盛り上がったのは、大食いの男子たちだ。


「…………」

 私は同じ班になった子たちと、顔を見合わせた。

 班のメンバーは、班長の芽衣ちゃん、私、北園さん、姫宮さん。

 そして、久城くんと雪村くんの6人だ。


 みんな、ちょっとそわそわしてる。

 お肉が増えるなら、増やしたい。

 その思いは同じらしい。


「いまからプリントを配るけど、まだ問題は見るなよー。全部解けたら、班長はプリントを提出するように。提出が早くても、全問正解じゃなきゃ、その班の記録にはならないからな」

 玉木先生は各班ごとに3枚のプリントを配った。

 班長の芽衣ちゃんは先生からプリントを受け取って、裏返しにしたままテーブルに置いた。


「それじゃ行くぞー。よーい、スタート!」


 各班の班長たちがいっせいに動いて、プリントをひっくり返す。

 班員たちは身を乗り出して問題を確認した。


 1枚目は、写真が左右に並んでるプリントだった。

 どうやら、私たちがいま使ってる合宿施設の風景を撮ったみたい。

 プリントの上には『第一問 間違い探し』と書いてあった。


「間違い探しか。これはたしかに、勉強じゃなくて、頭の体操だな」

 難しい問題じゃないことがわかって、久城くんはホッとしたように呟いた。


「間違いは10個と書いてありますが……難しくありませんか? よく見ないとわかりませんよ」

 写真を見比べて、姫宮さんが困ったように言った。


 敬語は使わなくていいよって言ったんだけど、姫宮さんは敬語を使わないと落ち着かないんだって。

 普通の家に生まれた私と違って、姫宮さんは本物のお嬢様だから、きっと言葉づかいも厳しく教育されたんだろうなあ。


「あっ、窓枠がない!」

 芽衣ちゃんが叫んで、プリントに赤ペンで丸をつけた。


「しーっ、芽衣ちゃん。声が大きいよ。みんなで競争中なんだから、静かに」

「ごめん。つい」

「ここ、女の子の髪の長さが違う」

「ナイス!」

 北園さんの声を聞いて、芽衣ちゃんがプリントの煙の部分に赤丸をつける。

 8個までは順調に見つけることができたけど、あと2個が見つからない。

 みんなが写真に顔を近づけ、目をこらしている。

 だから、私は逆に身体を引いて、写真全体を見るようにした。


「あっ、山の大きさが違う。右のほうがちょっと小さい」

 私は山を指差した。


「えっ、ホントだ。凄い。よくこんな微妙な間違いに気づいたね」

 芽衣ちゃんが山全体を赤丸で囲む。


「うーん……あと一個が見つからない……」

「看板の『L』の文字だけ反転してる」

 雪村くんが写真の看板を人差し指で指した。


「おおっ、雪村くんナイス! これで10個全部見つけたよね!? 次行こう!」

 芽衣ちゃんは赤丸をつけた1枚目のプリントを横に退けて、2枚目のプリントを出した。

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