米永さん(特別インタビュー)+α
「…なるほど。じゃあ、気づいたときにはもう病院の方に?」
「そうだ。てっきり死んだとばかり思ってたから、自分でも驚いた」
「化け物の特徴は覚えておりますかね?」
「…信じてもらえないだろうが、たくさんの腕や足が無数に生えていた。変な嗚咽みたいな声もしてたし、体は白かった。何より、顔だ。顔。あんな不気味な笑顔は二度と見たくなんかない」
「そうですか。では、続けますね。では、どうして助かったのか。お心当たりはあるでしょうか」
「は?そんなものあるわけな____いや、待てよ」
「おや?お心当たりがおありで?」
「あー、朧気だが…誰があの化け物に襲い掛かったような幻覚が見えたんだ」
「幻覚…」
「まあ、あれはただの幻覚で。酒に酔っぱらって変な妄想を引き起こしただけかなと。個人的には思っているんだ」
「そうですか…ちなみにですが、「どうかいじょう」の店主さんやおかみさんはご存じで?」
「ん?いや、まあ…なんか食べた記憶はある。けど、何を食べたかは思い出せない…」
「お名前知ってます?お二人の」
「知るわけがないだろう。こっちは、まともな会話だってしたことがないんだ」
「分かりました。これで取材は終わりです。長いことすいませんね」
「…結局、なんの取材なんだよ。コレ」
「いえいえ、お気になさらず。興味本位ですから」
「…明作さん、ありがとうございます。おかげで、確信に近づきました。調査が捗りますよ。あなたの提供してくださった多くの資料も、とても有効に活用できています。さすがは、プロフェッショナルですね」
「えっ?口調?ああ、ちょっとおどけている方が取材にはいいんですよ。それに、こういう顔はもう慣れているので」
「ご心配なさらず。私は大丈夫ですよ」




