第25話:「Kの告白」
陽子は信田の死に関わる真実を暴くための最後の戦いに臨んでいた。これまでの戦いで得た証拠と情報を基に、彼女は流星グループに対する訴訟を進め、ついに法廷でその真実を明かす時が来た。信田の死の背後に隠された闇、流星グループの不正な資金洗浄、そしてそれに関わる「K」と呼ばれる人物――それらすべての証拠を法廷で証明し、最後の決着をつけようとしていた。
「これで終わらせる。」
陽子は法廷に足を踏み入れ、心の中で固く誓った。流星グループの幹部たちは、今まで隠してきた真実が明るみに出ることを恐れているだろう。だが、陽子はその恐怖に立ち向かう決意をしていた。信田の死を無駄にしないために、彼女はすべてを暴露する。
法廷内には、すでに流星グループの弁護士が陣取り、証拠をひっくり返そうと必死になっている様子が見受けられた。陽子は、流星グループがどれほどの力を持っているかを知っていたが、彼女はその脅しに屈することなく、冷静に証言台に立った。
そして、裁判が進む中で、証人として呼ばれた「K」がついに法廷に姿を現した。彼こそが、流星グループの元経理担当者であり、信田が知っていたことの全てを把握している人物だった。陽子はその顔を見た瞬間、胸の奥で何かが震えるのを感じた。「K」は、まさに流星グループの核心に触れる人物であり、その証言がこの裁判を決定的に左右することは間違いなかった。
「K」こと加藤亮太は、流星グループに所属していた当時、会社の資金管理を一手に担っていた人物だった。だが、内部で起こっていた不正を目の当たりにし、次第にその行為に加担してしまったのだ。陽子がその証言を引き出すために、どれほどの準備をしてきたかは言うまでもない。彼の証言こそが、流星グループの不正な資金洗浄と、信田が知っていたことの全てを暴露する鍵だった。
「加藤亮太さん、あなたは流星グループでどのような役割を果たしていたのですか?」
陽子の問いかけに、加藤は少しだけうつむきながら答えた。
「私は、流星グループの経理担当として、グループの資金の流れを管理していました。しかし、次第にその管理が不正な方法で行われていることに気づき、私はそれに関与することとなった。」
加藤の声は震えていた。彼が過去に行ったこと、そしてその重い罪に対する後悔の気持ちが伝わってきた。しかし、その後悔は、信田の死という重大な出来事を受けて、彼に深い傷を残していたのだろう。
「あなたが担当していた資金の流れについて、もう少し詳しく教えてください。」
陽子の質問に、加藤は重い口を開いた。
「流星グループは、表向きの活動だけでなく、裏で資金洗浄を行っていた。私はその資金の流れを管理し、流星グループの名義でオフショア口座に送金していました。その金は、表向きの事業とは関係のない、いわゆる裏金として扱われていました。」
加藤が語る内容に、法廷内は静まり返った。流星グループが行っていた不正は、予想以上に深刻であり、その規模は想像を超えていた。陽子はさらに質問を続けた。
「その資金の中には、信田が知っていたものも含まれていたのですか?」
加藤はしばらく黙っていたが、やがて重い口調で答えた。
「はい。信田はその資金の流れについて知っていました。彼が関わっていたのは、我々の不正な資金の流れに関する部分でした。彼はそれを暴露しようとしていたんです。」
その言葉に、陽子は驚愕の思いを隠しきれなかった。信田が知っていたことが、これほどまでに重大だったとは。信田はただの芸人ではなく、流星グループの裏側にある不正にまで触れ、それを暴こうとしていたのだ。
「その情報は、どのようにして信田に渡ったのですか?」
陽子はさらに追及した。加藤はその質問に対して、目を閉じてしばらく考え込んだ後、ついに答えた。
「信田は、私が管理していたオフショア口座の記録を見つけ、そこから不正を追いかけていたんです。彼は私に接触し、証拠を手に入れようとしていた。私は彼に警告をしましたが、彼はそれを無視して、暴露しようとしました。」
その証言に、陽子は再び信田の強い意志を感じた。信田は命を懸けて、流星グループの闇を暴こうとしていた。そして、その暴露を決して諦めなかったのだ。
「加藤さん、あなたが行っていた資金洗浄の詳細な記録は、どこに保管されていますか?」
陽子は、最後に加藤にその質問を投げかけた。加藤はしばらくの間、陽子を見つめた後、静かに答えた。
「私の知っている限り、その記録は全て流星グループのデータベースに保存されています。そして、そのデータはすべて、流星グループの幹部たちが管理しています。信田が知っていたことも、そのデータに含まれているはずです。」
その証言を聞いた陽子は、すぐに警察に連絡を取ることを決めた。流星グループのデータベースにアクセスし、そこから信田が知っていた証拠を掴むための手続きを進める必要があった。加藤の証言が、ついに流星グループを追い詰める鍵となるのだ。
法廷内では、加藤の証言が大きな波紋を呼び、流星グループの弁護士は必死に反論しようとしていた。しかし、陽子はすでにその先を見据えていた。加藤の証言が全ての真実を暴くための突破口となり、ついに流星グループを追い詰めることができると確信していた。
「信田、もうすぐだ。あなたが知っていたことが、全て明るみに出る。」
陽子は心の中で信田に告げ、再び立ち上がった。信田の無念を晴らすために、彼女は最後まで戦い抜く決意を新たにした。
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