第10話:「復讐の誓い」
陽子の心の中では、信田の死に関する疑念と怒りが日々膨らんでいった。流星グループの幹部との対話では、彼女が求める真実は一切聞くことができなかった。信田が死ぬ直前、あの「黒いヒマワリ」に関するメッセージを送った人物が何者なのかも分からない。だが、それでも陽子は諦めなかった。信田が最後に抱えていた恐怖と秘密を明らかにし、彼の死の背後に潜む真実を暴くことが、彼女にとって唯一の目的となった。
「必ず、真実を暴く。」
陽子はその言葉を何度も自分に言い聞かせ、心を強く持とうとした。その決意が日に日に強まる中で、ひとつのチャンスが彼女の前に現れた。それは、SNSに投稿した信田の死に関する内容が予想以上に大きな反響を呼び、ネット上で話題となったことだった。陽子が信田の死の経緯や、彼の苦しみを訴える投稿を続けるうちに、多くの人々が彼女に共感し、声を上げ始めた。しかし、その中で特に注目を集めたのは、あるYouTuberグループからの接触だった。
そのYouTuberグループは、「真実探求隊」という名を持ち、様々な社会問題に対して積極的に調査を行い、情報を公開することで知られていた。グループのリーダーである高橋浩一は、高校時代から陽子と親しくしていた友人でもあり、彼女が信田の死について調べ始めたことを知ってから、何度もSNSを通じて連絡を取ってきていた。
「陽子さん、私たちと一緒に調べませんか?」
そのメッセージが届いた時、陽子は一瞬驚いたものの、すぐに高橋の真剣な思いを感じ取った。高橋は、陽子が信田の死に真実を求める姿勢を理解し、共に戦おうと申し出てきたのだ。陽子は迷うことなく、彼の提案を受け入れた。
「私も一人では限界がある。あなたたちと一緒に調べるべきだと思う。」
その返信を送ると、高橋はすぐに電話をかけてきた。
「陽子さん、ありがとう。私たちもできる限りのことをして、あなたの力になるよ。まず、信田さんが関わっていた闇営業の詳細を調べるところから始めよう。」
「闇営業?」
陽子は少しだけ疑問を抱いた。信田が闇営業に関わっていたことは知っていたが、具体的にどのような内容だったのかはあまり明確には分かっていなかった。
「はい、私たちのチームはその闇営業の中で流れている金の流れを追っています。信田さんが関わっていた組織が、どれほど深い闇に絡んでいるのかを暴きたいんです。」
高橋の声は真剣で、陽子にとってもその提案は非常に魅力的に感じられた。もしこのグループと共に調査を続ければ、信田の死に関する重要な証拠を見つけ出せるかもしれない。
「分かったわ。あなたたちと協力して、真実を突き止める。」
陽子はその言葉を電話の向こうで高橋に伝えた。彼の声に力強い感謝の意が込められていた。
「ありがとう、陽子さん。信田さんの無念を晴らすために、私たちも全力でサポートするよ。」
その後、陽子と「真実探求隊」は信田の死に関する調査を始めた。高橋とそのメンバーは、信田が関わっていた芸能界の闇営業のネットワークを掘り下げ、少しずつ証拠を集め始めた。だが、調査を進めるごとに、陽子はますます深い闇に巻き込まれていくように感じた。
数週間後、陽子は自分のSNSに再度重要な投稿をした。それは、信田が闇営業に関与していた証拠を示唆する内容だった。投稿は瞬く間に拡散し、ネット上で多くの人々がその投稿をシェアした。その中で、陽子の意気込みに賛同する声が多く集まり、次第に「信田の死の真相を知りたい」という声が高まっていった。
しかし、その反響と共に、逆に陽子に対する批判も激しくなっていった。一部のネットユーザーからは「噂を流すな」「信田の死を政治的に利用するな」といった批判的なコメントが殺到した。だが、陽子はそのすべてを冷徹に受け止めて、決して後ろに引き下がらなかった。
「私が知りたいのは真実だけ。信田が何をしていたのか、何に追い詰められていたのか。それだけを知りたい。」
陽子はその言葉を何度も自分に言い聞かせながら、日々の調査を続けた。彼女の中では、復讐という言葉が次第に大きくなり、それがただの感情的なものではなく、真実を暴くための冷徹な決意に変わっていった。
そして、ある日、高橋から一通のメッセージが届いた。
「陽子さん、重要な情報を掴みました。信田さんが関わっていた金の流れが明らかになりました。これが、あなたが求めていた真実に繋がるかもしれません。」
そのメッセージを受け取った陽子は、すぐに高橋に連絡を取った。
「その情報をすぐに確認したい。信田が関わっていた金の流れが、何かを明らかにするんでしょう?」
「はい、これがその証拠です。」
高橋は電話越しにデータを送ってきた。その内容は、信田が関わっていた闇営業の金銭の流れを示すもので、具体的な数字や名前が記されていた。その中に、陽子が以前から疑っていた人物の名前が含まれていた。
「これが、私の求めていた証拠だった。」
陽子は画面を見つめながら、確信を得た。彼女の目の前には、信田の死を引き起こした真実に近づくための重要な一歩が示されていた。
「必ず、最後まで突き止める。」
陽子は強い決意を持って、再び前を向いた。信田の死に関する真実を暴くこと。それが、彼女にとって何よりも重要な使命となっていた。
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