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仙華頌籟 -A fateful reunion beyond a millennium-  作者: 織葉りんご
第一部 第四章 嵌合、夢幻、再会
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97話 Plazma

 光琅グアンランがマスター『消滅者コスモイレイザー・オーガウルフ』を表にする。続いて、尚無鏡シャンウージンがマスター『竜滅化ドラゴニックシフト・機戦姫アリストス』を表にする。コイントスの結果、光琅グアンランの先攻で始まった。


「それじゃあオレの先行、ドロー。手札1枚を捨ててエネルギーを2つチャージ。『漆黒ブラックコスモギーズ』を前衛にコール。そしてエリアシステム[場に設置して使用するシステムカード]『ロストコスモ・レフトポイント』。その効果により、マスターの破損率を20%修復。破損率が0%を下回る場合、代わりに数値を累積できるシールドを展開する」


【オーガウルフの破損率・0%/シールド・20%】


「まだまだ行くよ、エリアシステム『ロストコスモ・ライトポイント』を設置。その効果により、1ドロー。さらにシステム発動、『鬼喰らい』。ギーズを破壊し、エネルギー+1、破損率、いやシールドを10%回復、そして2ドロー……破壊されたギーズの効果で、エネルギー+2、シールドを10%回復だ」


【オーガウルフの破損率・0%/シールド・20%→40%】


「すごい回復してくるね……」

「一年前の環境デッキだからね、念には念というわけさ。エネルギーを2つ払い、ウェポンシステム[マスターに装備して効果を発揮するシステムカード]『鬼狼餓爪きろうがそう』を装備……そしてエンドフェイズ─────」

「え?前衛に機体とか出さないの?」

「ああ、これでいいんだよ────シールドを20%破損させ、エリアシステム『ロストコスモ・ペンデュラム』を発動」


【オーガウルフの破損率・0%/シールド・40%→20%】


 3枚目のエリアシステムカードを設置して、彼はこちらに微笑みを向ける。


「……これでオレのターンは終了だ。この時、鬼狼餓爪の効果により、マスターの破損率を50%回復させるけど、増えるのはシールドの数値だね」


【オーガウルフの破損率・0%/シールド・20%→70%】


 彼の盤面はとてもキラキラしている。どれもレアリティが高い。

 最初のターンで光琅グアンランのシールドは70%。つまりこれを突破しないとマスターにダメージを与えられない。しかし、こちらは現環境のデッキ。引きが良ければこのターンで倒せるはず。そう信じて、


「それじゃあ、私のターン──────」


 尚無鏡シャンウージンが自分のターンを宣言した瞬間、光琅グアンランは罠に掛かった小動物を見るように笑みを浮かべた。


「ターン開始時、ロストコスモ・ペンデュラムの効果により、阿鏡アージンのマスターの破損率を65%にする」

「な、なん────!?」


【アリストスの破損率・0%→65%】


「さらに、ライトポイントの効果により君は破損率を修復できず、レフトポイントの効果により君の場のカード全てのパワーを-2500する」

「そんな……でも、まだ負けたわけじゃない。ドロー、1枚をセメタリー[カードを捨てる場所]に捨ててエネルギー2つチャージ。『光機・エアロソウル』を前衛にコール。効果により、デッキから『竜』と名の付くウェポン1枚を手札に加える。続けて『剣竜機・X(エクス)カリバー』を後衛にコール」

「………これは」

「エネルギーを1払い、マスター『竜滅化ドラゴニックシフト・機戦姫アリストス』を前衛にコールする」


 竜と一体化した少女が描かれている煌びやかなカードが、もう片方の前衛エリアに顕現する。


「まさか1ターン目にマスターをコールするとはね。コールされたマスターが破壊されれば、破損率の数値に関係なくゲームに敗北するというのに────ということは、狙いはワンターンキルか」

「さらに、アリストスのサモンオーダー[マスターが前衛に出た際に得られたり、発動したりする能力]を発動、デッキからカード1枚を手札に加え、シャッフル後に1枚ドロー。そしてアリストスにXカリバーを装備合体」


 後衛のXカリバーを前衛のアリストスの下に重ねる。これにより、アリストスは更なる効果を得る。


「『歪曲機ルールブレイカー・フォトンα』を後衛にコールして、さらにエネルギーを2払ってウェポン『竜装・ドラゴニックセイバー』をアリストスに装備。システム発動、『アーマード・リペア』。セメタリーの1枚をアリストスに下に重ね、エネルギーを+1。これでバトルフェイズに入る」

「存分に来なよ」

「それじゃあ遠慮なく…フォトンαの効果で、手札1枚をアリストスの下に重ね、破損率10%修復、1ドローする」

「だけど、修復はできない」

「承知の上だよ。アリストスの効果で、私の場のカード全ては効果でタップと破壊はされず、パワー+10000、撃破値[相手の破損率とシールドにダメージを与える数値]+20%される。さらに、Xカリバーの効果によって今のアリストスの撃破値は50%──────アリストスで、光琅グアンランのマスターにアタック!」


 尚無鏡シャンウージンはアリストスのカードをタップして攻撃を宣言した。されどすかさず、光琅グアンランは手札のカードを使った。


「残念だったね……シールドを20%破損させて、システム『アンチブレイク』を発動。フォトンα、アリストス、ウェポンのドラゴニックセイバーの撃破値を-30%だ」


【オーガウルフの破損率・0%/シールド・70%→50%】


 光琅グアンランの発動したシステムカードによって撃破値が減少してしまったが、その攻撃は止まらない。故にオーガウルフを守るシールドの値を減少させる。


【オーガウルフの破損率・0%/シールド・50%→30%】


「アリストスの2回攻撃!」


【オーガウルフの破損率・0%/シールド・30%→10%】


「エアロソウルもマスターに攻撃」


 エアロソウルは唯一システムカードの効果を受けていない。よって撃破値はそのまま入る。


【オーガウルフの破損率・0%→20%/シールド・10%→0%・消滅】


「フォトンαもアタック」


 本来であれば、後衛にコールされた機体はマスターには攻撃することができない。だがフォトンαはそのルールを否定する能力を持っている。されど、


「エネルギーを1使い、システムカード『フェイトチェーン』。このターン中、四回目以降の攻撃はオーガウルフには届かない」

「それなら────っ」


 そう呟き、尚無鏡シャンウージンはドラゴニックセイバーをタップさせる。光琅グアンランはそれに対し、


「攻撃は届かないと言ったはずだけど?」

「ドラゴニックセイバーは、バトル終了時に1枚ドローして10%修復、さらに相手のマスターに10%のダメージを与える効果がある。修復はできないけど、効果ダメージは受けてもらうよ」


【オーガウルフの破損率・20%→30%】


「流石だね。でも、その程度じゃ、オレには勝てないよ?」

「もちろん────だからもう一度!」


 ドラゴニックセイバーをアンタップさせて、もう一度タップする。これもまた効果ダメージ。つまり先ほど同様に通る。


「くっ……」


【オーガウルフの破損率・30%→40%】


「システム『エンジェル・ギフト』発動。デッキの上3枚から1枚を手札に、残りをセメタリーに置いてエネルギーを2つ獲得する。さらに発動『シフト・アゲイン』。ドラゴニックセイバーをアンタップさせ、再攻撃!」


 再び、効果ダメージが光琅グアンランの使役するマスターを襲う。


【オーガウルフの破損率・40%→50%】


光琅グアンラン────私の勝ちだね。エンドフェイズ!」

「まさか……っ!」

「3つのエネルギーを払い、発動!」


 このゲームには、マスターが場に出ている時にしか発動できないシステムカードが存在する。それは強力な効果を有し、相手に大ダメージを与えることができる。故に必殺。


「『シューティング・フルリベレイト・ストリーム』!」


 勝利を確信した声と共に、手札から勢いよく必殺のカードが発動される。だがそれと同時、光琅グアンランもまた手札のカードを素早く使用する。

「────エネルギーを1つ支払い発動、『虹の罰エクスクラメーション・ペナルティ』。鬼狼餓爪を破壊し、破損率を20%修復、そして1ドロー」


【オーガウルフの破損率・50%→30%】


 カード効果によりオーガウルが修復された次の瞬間、発動された必殺の一撃が襲い掛かる。


【オーガウルフの破損率・30%→80%】


『シューティング・フルリベレイト・ストリーム』は、いかなる場合であってもダメージを無効化されることの無いカード。だがそれを受けて尚、光琅グアンランのマスターは健在だった。


「そんな………修復手段を残していたなんて…」

「言ったでしょ?念には念だって」

「…………私のターンは、これで終わり」

「それじゃあオレのターンだ。ドロー、2ターン目だから、手札を1枚捨ててエネルギー1つ獲得、そしてもう1枚ドロー……このままバトルフェイズだ」

「機体をコールしない……?」

「いや、オレの機体はこれから現れる─────コール、『破壊者コスモブレイカー・オーガウルフ』」


 光琅グアンランの前衛エリアに突如としてマスターと名の似た機体がコールされた。


「オレのバトルフェイズ開始時、場に機体がなく、『ロストコスモ』と名の付くエリアシステムが3枚以上あるなら、セメタリーの『破壊者コスモブレイカー・オーガウルフ』はノーコストでコールできるんだ」

「だからさっき機体をコールしなかったんだ」

「そうだよ。さらに、この効果でコールした場合、このカードの攻撃は無効化されない」

「でも、思う様にはさせないよ。アリストスの効果発動。下に重ねているカードが2枚以上ある時、それを全てセメタリーに送ることで、このカードをマスターゾーンに戻すことができる。これで私にダメージを与えるにはまず前衛の機体を破壊しないといけなくなったね」

「確かにそうだ……だが、効果ダメージならそれも無意味だ──────エンドフェイズ」

「えっ!?」


 場にあったあるカードを手に取り、自身の顔の前に持ってくる。


「セメタリーからコールされたオーガウルフは、エンドフェイズにこのカード以外の『オーガウルフ』と名の付くマスターをこの上に重ねてコールすることができる。エネルギーを3使い、マスターをコール、『消滅者コスモイレイザー・オーガウルフ』」


 この状況で、彼のマスターがフィールド上に顕現した。


「オーガウルフのサモンオーダーを発動。このカード以外のカードを全て破壊し、破壊した枚数分このカードの撃破値をX0%アップさせる。さらに、この効果がエンドフェイズで発動した場合、このカードも破壊対象となり、本来アップする撃破値分の効果ダメージ+10%を相手のマスターに与える─────ありがとう、楽しいゲームだったよ」


 破壊した枚数は全部で6枚。故にオーガウルフの撃破値は60%。そこに10%が足されて効果ダメージは70%。その数値がアリストスを襲う。


【アリストスの破損率・65%→100%】


 負けてしまった。

 しかし、この敗北の仕方に妙な感覚が訪れる。巨大な狼への必殺の一撃を、七色の光によって阻まれる。その後の自爆も………。

 光琅グアンランと出会った後、度々体を駆けるこの懐かしさは一体────────

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