序章~沼~
光に誘われ歩いた道。
何も考えず歩いた道。
言われるままに進んでいた道。
ふと。止まって振り返ると。
造った道に自分だけしかいなくて。
気づいたときには手遅れで。
ふとした時、自らの手には赤を越えて黒く落とせないくらいの身体と一体になった見えない想い。
手を落とそうとしても染み付き、こびり付いたモノまでは落とせないから。
後悔と悲鳴が只々。そう深々(しんしん)と広がっていく。
振り返らずに進む道しか残されてない。
そうする事でしか何か誰かに対しての贖罪になるのと信じて突き進むしかなかったんだ。
もう誰も終わらせたくなかった。
そう。誰も。
何も。
進む道の先に果てなんて無くて。
それでも進むという選択だけしか残されていないのだから進むしかなくて。
止まることは留まること。それか停まることだし動き続けないとこれ迄の全部を否定するのと同じで戻ることなんて出きない。
だから歩く。進む。
その一歩が小さくても。歩き続けて。
果てを目指して。
終わりがあると信じ。
最果てを見つづけて。
あれ、どれだけの距離を進んだんだろう。
嫌。駄目だ。有り得ないんだ。
トマルなっ。
振り返ったりなんかしてやらない。
振り返るという権利はもう過ぎているんだ。
そんな権利はすてたんだっ。
それとも現実逃避だと誰かいうのだろうか。
関係ない。もうすすむ事でしか抗いを見いだせなくなっているのだから。
心が精神的空腹を苦痛を伴ってつれてきていた。
限界も近いだろう。
停まることを強要するように思考をぬり変えていく。
でも留まる事を忘れたかのように肉体はすすむ事を継続して、 思考と身体がはんするように止まることを拒絶する。そして悲鳴と咆哮が聞こえないのに聴こえてきた。
いつ何処でまちがったのだろう。全ての懇願に全ての答えをだすように解決していったんだ。
皆の表情は穏やかで朗らかで満足していた。
そう初めはそれでよかったんだ。
何時から足を向け間違ったんだろう。
何処で思考違いをしたんだろう。
世界に必要とされていたからそれに応えた。
全てに対して根切に丁寧に。親せつに。
何時からで何処からなのか。
もう何も考えだせず命じられても疑問を抱かず解決していった。
そう相手の発する音を無視して。
無視して向かって自分の手で終わらせて。けっして。壊して。代わらず変わらない換われることもない。進むだけで道を前だけ見て。最初は称賛されたから。これが正解だと信じて全てを駆逐していった。
全部を倒していた。
全てを絶やした。
そう何を置いたとしても殲滅した。
今更に思い出す。
懇願していた中には小さな存在を守るように抱えながら、阻むように佇んでもいた。
それらは全部が慈悲を乞うていたのだろうか。
でも《おと》として頭で処理されていたから気づかなかった。
心の何処かで本当は理解していたのかも。
違う。
今なら理解していたんだ。
理解から乖離するように目を逸らしていたんだ。
無限に続く夢幻のようにかんがえをふりはらい歩いていたんだ。
そう『音』は言葉だったんだ。
知っていて理解して。何故か全てが理解の外側にある敵と認識した。理解していたんだ乖離のように。不可解な程に。
あぁあ。どうしてこんなにも。
こんなにも。
こんな。にも。
ふっ。
おそい歩みはまだつづいてる。
感覚はもうかなたに置いてきた。
残された感情も少しは存在していたけど。
それでも、それすら。
あれ。
どうして感じょうが少ないのか。な。
ひ定する。
もとから少ないんだ。うん。
すすんでなにかおわりを定めようと。
おもえない。
あれ。
なんだろう
いっ、ぽが、もっ、、、、、と、おそ、、、、、、く、な、る。
目がとじ、てい、苦。
あぁあ、ゔあえあああ。
ぐぼぽぽぽ、ぽ。
いい、あぁぁ。
ヤダッ。
わ、ヮす、ワスレレタなかい。
イイイイいいい、ぃやややややいああああ。
ガボッ。
じず、む。
カボボ、ガボッオオォォォ。
沈゛んでいぐ。
誰だお前はっ。
なんだ貴様はッ。
何処だ君は。
目的はッ。
考えろっ。
停まるな。
進めっ。
何があっても。
進み続けろッ。
そうしないと。
あれ何だったかな。
もう。てき。は何を。ありれられれ。 ふいっちちちち。
なんだろう。なぜだろう。
わからないよおお。
でもんんふふふ。なにかうきだしそうだねぇ。
ふひゅふひゅひょひょひょ。
もういいよね。
おわっても。
ね。
い………い……よ…ね。
どうしてこんなにも無知にして無謀で無駄な存在が選ばれたのか。
笑いしか残されてない。
最後に残したものは。
それは。
なんだったかな。
さあたれかのさしかねなのかなと。
そんなむたなことを話したとていみをみいたせないよね。
ね、まかりとおる。ことなとありないのさ。
はひひ。
ふふ、ふ。。。。。
意識が消えるように溶けていく。解けていく。熔けて。融け、ていく。
自我は沈む、ように、落下、して、同化していく。
何かの声という音が聞こえた気がした。