一章〜危険で遅延する死の次元〜
壊れていく景色を観ていた。
感慨も感傷も沸かなかった。
降りていく。
何処へ。
それは勿論地上より地下深く。
元凶の位置。
さてさて面倒な事はこれで終われにしたいが出来ないだろう。
何故か無理な気がするのはどうしてだ。
いや。囚われてるあれのせいにしたとしてもだ。
心を保つからこそ先を繋ぐことが出来るのだろう。
気合一閃。
終わりあれば始まりあり。
終わらなければ始まらない。
では事の始まりは何か。
誰が始めたのか。
現実的にそれを探して見つけたとして何になるのか。
過ぎた事をに対して意味は。
在るのだろうが無いとも言える。
だからこれを最後にしたい。という願望の行き着く先は何処だろうか。心に深くとも浅く傷はつけられた。
なので終わればそれで。
終わらなかったら次の。
考えている間にいつ以来だろう遠回りして扉の前まで来た。
妨害やらは全て対処して裏切りは後で処罰するとして忠告という警告を無視した結果。
笑えないようなものを見させられた。
そう誰かの命が消えた。
その誰かは覚えていない。
でも記録なくても心では理解してしまった。
元凶を終わらせないと続いてしまうなら終わらせる。
だからこの場所まで来た。
あの時は妨害による進行中断で終わった。
しかし今は違う。全てに対して最良と思う対処をしたはずだ。
自身はないけど。だから不安が拭えないのかね。
頭を振りながら扉を開ける。
瞬間の流れ出る感情は全てを塗りたくる程の揺さぶりだった。
だからこそ反抗するための力を求めていたと。
そう錯覚させていた。
まともに浴びて全身が痛みに絶叫する。
その痛みは思考さえ儘ならず灯火を超えて失せていった。
嫌な夢を見たと思う。
数日も前の話だが。
しかし生々しい。
命が終わる瞬間は気分が沈む。
あれが現実に成らないように対処した。
対処してこれか。
目の前に広がるのは床や天井壁に至るまで惨たらしい姿を晒している人たちの成れの果て。
息は等しくしていなかった。
うん。
心が削り減っていくかも。
しかしこれを見たならもう引くことはできない。
進んで開いた後は成るようにしかならない。
扉に手を当てて押し込むと抵抗もなく開いた。
息がし辛い。
僅かな扉の隙間だけで全てを飲み下して溶かそうとする何か。
これは警戒して正解だった。
形のない無数の手をもって命を身体から引き剥がされていただろう。
事前準備が奏して回避でき先へ行くことができる。
呼吸が荒くなる。
心臓も速くなる。
身体が重く感じて動かすことが出来なくなる。
何が起きているのか理解するより認識した。
毒の領域。
とでも云うのだろう。
実際は毒物ではないだろうが近い効果は存在している。現に毒の様な症状が表れている。
次第に身体の自由が無く視界も狭まり意識も世界の認識から離れていく。
危険な情報は在った。
あっても無視した。
その代償がこの状態。
笑えない。
後悔しても何も残らない。
ならば突き進む。
これで何もなかったら。
手を握りしめて砕いて終わらせる。
だけども。 限界か。
肉体が崩壊する。
世界の消滅と共に。
歩いて向かうは目的地。
世界の危機を繰り返す根源へと至る道。
これまでの後悔を払拭するべく総動員して臨む。
これが最後だと覚悟を決める。
なのに。
全てが無駄でした。
何も残りませんでした。
汎ゆる事柄に理由を付けて生きてきました。
でもそんな都合良く進むはずないなんて誰でも分かるはず。
なのに盲目的になって何かを盲信する様に猛進した結果。幾つもの選択を間違い続けていた事に事、此処に至って思い知らされた。
目的を目の前にして全部を理解してしまった。
ぁぁ自分は。
造られたんだと。
だからこれまでの全部が与えられた証明なのだと。
目の前の存在に対してそう。
思ってしまった。
冗談は夢だけにしてほしかった。
こんな場面で認識して後悔して見上げていた光の元を理解して。
そして絶望してしまった。
瞬間に屈して枯れたと思った涙が是迄を否定するように流れて床を濡らして見上げた後は冷徹にして冷酷な憐憫とは遠い飽き。の視線。それが見えて認識した最後。
絶叫と共に起き上がった。何時もの部屋だった。
全身が汗を掻いているのに寒い。
嫌な気分だ。
外はまだ暗くしかし眠る気分は失せている。
起きて着替えて何をしようか迷う。
取りあえずは腹の虫が鳴るのでご飯にする。
あれ。いつの間にこんな場所。はて。何用だったか。
思い出せない。
腹の虫は未だに止まず。響く。
響くが虫する。じゃなかでた無視する。
ふむ。この美を極端に表したのは何だろう。
まあ自分的にはこれを美とは思えないが。
誰かにとって美は誰かにとって醜である。
そして誰かにして醜に見えてもそれは別の方向から見ると美が隠れていることもある。
何故なら美醜とは本来の多種多様なものだからだ。
さて。今見えるこの美と認識しているものは一体、何を現しているのだろうか。それを理解すればこの場所に来た理由も意味も分かるのだろう。
が何故にそう思ったのかそれが最初の取っ掛かりなのかも。
しかしだ。これを解いたとして何が見える。手に入るのか見当がつかない。
調べるにも時間が在るのかも解らない。なら早く解いてしまうか。解いてしまうか。と言いながら糸口すらつかないままに体感では数日も過ぎている。
なんでだ。
何か取っ掛かりが用意されているだろう。なのに、その取っ掛かりすらないとは。
これでは元から出す気のない牢獄じゃないか。
そんな、馬鹿な。
幾度と解こうとして全ての情報を総動員しても無駄に終わっていた。
糸口を見つけたと思い行動して最後は闇の中。
何も出来ずにこの場所に戻っている。
絶望が認識を濁らせ意識を狂わせ視界を覆い隠していく。
最後に望み臨むのは自らの命の消滅。それは詰まる所死。
否定を繰り返してもその言葉が付きまとう。
そう呪いのように。
しかし意図せずとは不意である。
何をしているのだリウかね。わたらりの手こずらすはあかなけり。むたに無駄をかしやねてもりさいしょうからりりかかいしてたろうにな。自分が《思考の頂点》と思ったのか。なにもわかけないよ。さあ。此方だ。
その瞬間何も無い空間と壁の間から腕が出現し引っ張り空間に何も残さなかった。
無音が全てを支配していく。
だが再度腕いや。今度は二本の指が交差しながら出現し擦る様に動かすと空間は振動し崩壊し砂粒より細かな粒子となり溶ける様に消失していった。
こんなものか。まったく。誰がこれ程の無意味を造れと言ったのか。悪意通り越して無関心。恐ろしすぎるか。さあどうだろう。
そして指は消えてその何かも消えていった。
そうして其処には何も無かった。




