序章~かく語りきも~願欲と策考
かはっくはっっはっっっっはっぁぁああ゛ぁぁぁ。
なんっ。なんっ。のっ。
何時からでっ。何処からでっ、何がどうしてこう成ったのよ。あり得ないと思いたいわっ。世界の破滅は簒奪してから快楽の為に消費されるよう組み換えて、一つの遊びという暇潰しとして弄り尽くしてから終わらせる。そういう筋書きが。
何時の頃からか破綻していくのは。何時からして何処から破綻していたのよ。
ふぁっう。一息。
判ってるよ。
全ての機転にして起点はあの理解ならない憑依者達。そう、達なの。思考言動原理、更には性別さえ不一致にして現れる年齢も適当だし。その存在は不浄で不良を上乗せして毎度、妙に嫌な場面と不意の立ち位置で現れる。用意した仕掛けも無駄になることも在ったよ。そうして最後には万全に十全な対策をもってしても喉を通って五臓六腑を引き裂き切り裂き撃ち尽くし喰らい尽くすように外へと打ち巻けるような感覚を最期に最悪の目覚めで次の現実へと弾き飛ばされる。
何かの、誰かか、過去かからの警告だろうと。一瞬考えたけど。でも絶対に違う。と、思う。いえ思いたいのかな。
判らないけれどそう思える。見えない確かに現実めいた確かな証がある。
それに生半可な存在で理解できる存在達であったなら対処の仕様は幾らでもある。
あるけど、あれは幾度も不意に表れるから。
違う現れるなんてあり得ないのよ。
世界の権限は此方に委譲した。絶望と嘆願と後悔と懺悔と悲哀を、求めたあれは今でも嗤えるけど。くく。
うん現出しては何かを喋って気分の悪くなる表情をしながら不意に消える時もあれば、表出して何か納得して冷徹に冷静な目線を向けながらその存在が消えるように沈んでいく。
喋る途中でその存在に気づいても遠退くように消え失せる。水を凍らせるようにしたとしても幻のようにすり抜けていく。
怒りが立っていく。
此方が手を出そうとしようとしても不意に現れ不意に消える。
まるで幻を相手にするような感覚だろうね。
でも警戒していて張ってたとして何故か現れない世界もあれば、現れて捕縛して中身が無くなっている世界もあるし。
捕縛して多重の障壁を展開しても喋っている途中で消えるときもある。不理解な存在達。
なら一層に続けよう。
渡り渡りて知を得るために。
流れ流れに任せて答えを得るため。
存在を確定させて《外》へ出るために。
そうして最後に此方側の勝利で完結するよう確定させるために。
そして阻止してやる。
なぁ普通の日常とは誰にとっての日常だろうか。
はは知らないですよそんなの。
それはさて置いて。だ。
ええ知りえたのは。
島々の根幹。ひとつの運用に関する事。
世界にとっては有ってはならない重大な秘匿事項。
穴を塞ぐ事だね。
突き詰めると穴を閉じる。
これは世界中の命題だとされているね。
だから国家種族地域言語血脈経験知識。
垣根を越えて設立されたのが。
》平均併合なる天地の秤《
くぅっどうしました。
いや何も。
さてさて。そうしてその目的は。
平等に世界へ情報を配布する上位機関。
下位なんてあるのかな。
始まりにして完結させるための機関。
なのだろうかね。
だからこそ構成人員は数から素性等まで秘匿されてる。
秘匿されてるからこそ世界に似たような機関が設立され犯罪行為も是とされ全てが不明なる片翼へと集約されていたけど動きがない。
そもそもの話。実在しているのかさえ怪しいので。だからこそ懐疑的な意見も散見される。
そして1つの情報が解放されたのよな。
内容は深くなく浅くなく微妙過ぎて笑えるし嗤えないし冷めた目で見るよね普通に。
怒りさえ覚える。というのは誰の言葉だろうな。
さあ。
それでだ。増えすぎたために縮小という粛正をして現行の数に落ち着いたよな。
ええ。そうですね。それでも二桁を越えかけてましたけど。
はは。
どうしましたか。
いや、なに。存外、大元にとっては望みの外側かねえと。
ふうん。その大元て誰の事かな。
さぁ。
ふふ。まあ近くて遠くて混ぜられた沢山の時系列を弄り尽くした地点の存在でしょ。
そうだな。
じゃあ誰が困るのかというと関連した人達だよね。
くく。そうだな。んん。では、始めるか無駄な行為の後始末を。
そうだね。
その前に整理しようか。
はい。
さて。
正解はなく不正解もない。正しきはにもあらず。
だからこそですね。
その実態を掴むという事の無意味さを知り誰もが許容するしかなかった。
違うね。無関心を装っていたんだろうね。その方が楽だからさ。
しかしだ。それは詰まるところが先延ばしにしかならないんよな。
まあ、そうなるね。
遠い過去から続く穴の対処法に幾つかの案がなされたが決定打に欠けるとして全てが却下されて久しく。現在。唯一として確立された技術により穴を塞いでいる。
そう塞いでいるだけで根本的な解決には至っていないのが現状で、定期的な点検も各島で基本を元にして独立した技術が継承されているけど危険を孕んでいるのは見るより明らかであり、更に塞いだ蓋の上は不足している土地の解消という名目で居住地としての役割を与え人工島として運用されていますな。
それが世界に点在する島々であり連なる属島。そして有力者や獣人の発生地点と一致しているため無関係ではない。とされている。
でだ。誰が発案して許可を誰が出したのか。更には島々を運用し運営するための莫大な始まりの資源は誰が用意したのかさえ僅かに開示された情報以外は機密とされて如何なる称号や権限を有していたとしても知り得ることはないし。
その蓋流用さえも何者の計画なのだろうかという推測さえ飛び出すほどである。とされてるね。
現行の島には原因とされる研究の1つ。力の根幹。即ち、有力者の発現原因を。1つの場所での発現なら偶発的だと吐き捨てられ終わるだろうね。
更に研究は独占されその知識は秘匿されてしまう。
でもさ世界中に現れた力を有する者。《有力者》。その力の発現理由の1つが穴だとは判っていたけどその仕組みが判らなかった。
不理解なる力が溢れ影響を及ぼしている。と言うことには至ったが、その先への理解は全く進んでいない。
先ず島に住んでいる者達には均等に力が発現する。ということはなく。全く力が無いものも一定数居るのが実状。それは兄弟姉妹間に限らず親子であっても親族であっても同様で1つの基準とされるようになった。これは初期の話と留意する。
原因は後年に発現する者も現れて始めるがその条件は全てである。統一されていない。
何が原因か。遠因かも判らないままに放置されていたが。ある資料の発見により研究は少しだけ進んだ。
数百日が経過してその無駄とも思える研究は漸く実を結んだ。
発見された資料は誰も信用しなかったのが理由の1つ。
そして島での重なる研究により有力者の数は増加した、力の差はあれど。
それと有力者とは言えない別の力を有した存在もまた確認されそれは纏めて獣人と呼ばれ有力者とは別の枠で研究対象とされた。
それから長い年月を重ねて現在。世界に散らばる島にて生存を許されている有力者や獣人。
世界各地に建造された人工物たる島の名を持つ蓋。
生存を唯一許された土地。
それらは纏めて異なる土地の住人と呼ばれていた。
当たっているような気もしないでもないけど。これは忌み言葉として島では禁句とされている。
本当かな。
さあ。
それで。
そうだな。そしてそれは紛争を起こし世界の至る島々にて小さな諍いから始まる大きな紛争へと発展し各地での絶えない争いが日常となっていたのだろう。
行くんだけど。去年にてその連なる島々は全てが建造途中や運営中に関わらず大部分が廃島から終戦協定による戦争の終結により、不鮮明な存在の下に結ばれ一応の平穏が約束されたね。
くかか。誰かの思惑は阻止という形で妨害された。くかっ、もしも知ってしまったなら瓦解して発狂と報復を敢行しただろうか。知らんけど。
さてと。こんな所ですかね。
そうだな。さて此よりは今回の終焉までに至る経緯か。
そうですね。では精査してみますか。
ああ。
薄暗い部屋に複数人が腕を手を組んで神妙な顔らしくしながら端末に表示されている事柄に悩んでいた。
ここ数年の島々に関する様々の上位であるが。
その1つに不可解な動力不足が各地点の島々から報告されていた。昨年の出来事に端を発したとした戦争に関連した属島の縮小により運営に支障はないが、何時かは問題が表面化するだろうという点検者の報告も挙がっていたがこうも早くに表面化する事は想定外であった。
だが、その原因が判らない。
判らないが、事態はいずれの時点にて深刻に成るだろうと。その場の全員が考えていた。
しかし何処から手を着けるべきかを考えあぐねているのが現状である。
そう問題が表面化していないのだ。
各島々の情報をいくら調査しても何が原因なのかも判らない。しかし始まりの一手は打つべきだろう。
なので。1つの囮案件をもって事に当たらせることにした。
全員の手元にある端末に表示されているのは合わせた複数の人物写真。下は若くて十代前半。上は六十を超えているように見えないもの。
さてさて。考えて上手く運べば御の字だろう。
端末を操作しながら考え続ける。
全員が安穏と余生を過ごすために現在の勢力図を進ませるために。
自らは手を下さず遂行する。過去の失敗を教訓にして。
そう昨年の上位の者達が全員消息不明となったあの出来事。何者かは解っているが、手を出すのは憚られる。
何せ、その一人が元とはいえ影響のある存在なのだから。
誰かの笑いと嗤いと悲鳴が共鳴するよう轟く。
それは後に云われるだろうが云われなくなる消去された情報。
知られたくない真実が世界に伝播したなら崩壊は免れないだろう。
というかさぁ。
ざあんねぇん。終わりだよん。
い、いやだあぁあぁああぁっ。
後々の後々に誰かの何かたる策略等々は知られず知らされずに終わり、無かったことにされていた。
そう誰かの何かは、何かの意志により封殺されたのだ。
だからこの計画は本人の知らないところで完結し、そして知らないままに秘匿という檻に繋がれ未来永劫世界に公開されないだろう。