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一章〜それは〜

さて今いる場所に見覚えはない。倒れている生命なき物たちに対しての感情は更にないわけで、遠慮なく所持品を物色しているとある部隊の一つだと知ることが出来た。

それだけである。

少し細かく物色していると端末があった。

何度か弄っても起動しない。認証式なのだろうと諦めて壊しておいた。

次に見つけたのは携帯食料。

間違っても食べたいとは考えない。

何が入っているのか判らない物を食べて体調を崩しでもしたなら最悪だろうと。

そして何か寒いと思ったらくしゃみが出た。

「ああ。ずず、そう言えば何も着てませんでした。」

全裸だという事を忘れていた。

あの時、驚きと共に何か言っていたと思い出す。

そう。

静かな口調でありながら語気は強めに「服を着ろ。」だった。

その後は答えて驚かれ銃口を向けられ何が何かは理解しないままに意識が引かれて気づいた時には現状である。

物色して物言わぬ何かの衣服を拝借して他のにも所有する端末を調べてみても同じだろうと。

その通りなのだが。

端末全てを壊すことにしたが最後の一つは壊さず持っていることにして取りあえずは適当に歩いてみようとした。


広い場所というのは分かっていたが、一向に進んだ気もせず景色は変わらない。荒野であるが道しるべとして向かっている山には近づけているのか感覚が狂っているのか分からなくなってきていた。

それでも山を目印に進むことを続けてみる。


山の麓に森が現れた。

遠くから視えていた山の全景を見ながら進んでいたが近づくと麓が妙にぼやけ出し次第に実体がを見えてくると長く深いであろう森が出現した。

意識は山に向けていても足下や前方にも意識を向けていた。

なのにだ。森は無を退けるかのように現れた。

驚きながらも考える。突っ切るか迂回するか。それとも空を仰ぐ。


左右には終わりの見えない森の沿線。

振り返ると道なき荒野。延々と続く荒野。

そう、延々てある。

道は進む選択。

「ふはっ。「壊すは狡猾光る悪意を欠伸と混濁し姑息なる野党を捕縛せし糸を紡ぎ放て」こんなものですか。」

中空に光の粒子が集ま光の帯を形成収縮するとビッグクランチよろしく大爆縮の後にビッグバン宜しく大爆発を起こして構成を書き換えた。

だが即座に阻止され世界の構成は構築され果ては元に戻された。

諦めて森を。

「放てよ放て。光を再構成光速にて無限を構築し火の領域を超えて全てを燃やし尽くせ「上位焔領域《極大轟炎(インフェルノ)》」燃え尽きてください。」

しかし阻止され戻され再構築される。

「業炎たれ混沌や混入する世界を完全拒絶する混類業焔(カオス・インフェルノ)さて。」

森が紫の炎に焼かれていく。だが阻止さされて炎を喰らう獣が現れ燃え滓を残して消える。

その後には瞬き1回で元に戻されていた。

後は繰り返して戻され腹に溜まる。

諦めながら森を振興すること違う信仰ではなく進行する事にした。


森に入ると悪意が渋滞していた。

感知しようにも混線するように方位が定まらない。

なので最大範囲にて感知していた。

だが、その、悪意は、向けられる量が半端なく、さて、ふむふむと気づかない様に歩いた。

進むことを是として中腹辺りで襲われ返り討ちより、酷い残虐を実行した。

消える言葉を聴きながら生命という命綱を断ち切り一纏めにして何処までも深い黒に沈めていく。


更に歩き続けて長時間。問題が発覚した。

「空腹を感じませんね。」

どの様な理由であれ生きとし生きる存在は動き続ける限り何かを内に取り込まないといけない。

そうでなければ命は小さく次第に消えていく。

しかし襲い来る存在を相手にし、尚且つ歩き続けていて腹がなることが無い。

何なのかを考えていても意味があるだろうが現状はでは意味がない。

身体に支障もなく動くのであるなら進む事を優先する。


「迷いまひた」

泣きたい。けど泣けない。

無く暇もなく襲い来る存在を返り討ちにしながら森の出口を探してるが襲われる数が多いので面倒になってきていた。

正直。限界が超えていた。

「では『消えろよ割と本気で』。」

と語気を少し強めに言って襲い来る存在達は動きを不自然に不可解な程に止めて消えていった。

「ああこれは許容範囲内ということですか。」

考える様な仕草をして再度歩く。森の出口を探すため。

が迷っていた事を思い出して立ち止まり頭を抱えて自問する。

「はあぁあ。見た感じではそんなに深く広いとは。いえ、横には広いですけど。直進であるなら時間もかからず。と考えていたのですけど。甘かったですか。」

進んでも同じ景色に光景に風景。

歩いた気がしない。

止まって見渡しても変化無し。

全速力で走っても変化無し。

近くの大きく太い幹に懇親の一撃を加えた。

穴が貫通し支えられず崩壊する響き渡る音。

砂煙を上げ視界を遮られ収まるまで待っていると。

「変わりませんか。」

何もなかったように木は立っていた。

何か言いたいが直後に身体に異変があった。

腹が鳴ったのだ。

そしてこれまでの事を無かったとする様に全身に力が入らず座り込んでしまう。

「おやおや。急に。ですか。」

身体を起こすのにも力がいる。無意識の力が。

それすら働かず上体を俯せ状態にして地面に突っ伏していた。

「ひぉはっはは。おめしろい、。くかっ言語すらまともには発言できまえんか。しかしおの状況は不愉快なり。」

地面との間に見える狭い視界には消えた存在が襲ってくる。

やばすぎて

汎ゆる苦痛を体現して認識して体感して自我たる自身が消えていく。


大声で泣いていた。

それは涙を流し怒りに黒く染まりながら燃え上がる黒煙を捩じ上げながら永遠と燃え盛る黒炎に精神という見えない心を燃料になき。笑い。楽しみ愉しみ愉しさから楽しさを愚に成されて見える範囲のそう()()()()()()()()虐殺していた。

反響しない反響という声にならないはずの言葉を繋げて最後の独りを口端を痙攣させて目を細めて瞑り開けて罵り流れる血を舐め取り嚥下して余韻に浸り至りて形なき真相の心臓を圧殺した。

延々と続く声を聞いて。

「もうええわい。アホタレ。」

肉と骨が砕け拉げて破裂する音と短い悲鳴と後悔を合わせた声を聞かずにその命という型が終わった。


無言の更新という言葉が影響したかしなかったかは先の話か。


立っていた。

足下には柔らかな落ち葉の層。前方含めた周囲には変わらない木々。

記憶には強引に起き上がって相手を全て返り討ちにして逃げ惑って気付くと出口に出ていたらしい。

「本当でしょうか。」

その言葉に納得できずに出ていった。


硬直した体は出口を通り過ぎると何もなく少し歩いていく。

それでも何もなく。

軽く硬直を解いて走った。

直後に背後で破砕か破壊か崩壊か崩落ともとれる現象を耳に聞いて。

加速した。


山の入り口。と呼んでも良いのだろうかという疑問符がついてしまうが仕方なかった。

見える全てに丁寧に看板が立てられニュービーからカオスまで更に其々を5段階に分けられてた案内図が貼り出されていた。

簡単すぎるニュービーは道一本。最高位のカオスの最大段数では迷宮かっ。と言いたくなる程の複雑に入り組んだ道程となっていた。

選択肢は用意されていたので一番簡素で簡単なニュービー一段を選び進むと。

声を出す事もできず全身を焼かれるような痛みを伴って気を失う前に踏みとどまり足下の枝を取って投げると普通に通過できて、問題ないだろうと向かうも再度全身を走る痺れに目眩を覚えて笑いながら倒れ。

「ふざけないでもらいたいですねぇ。」

両腕を上げて軽く地面を叩く。

自分の認識の外側で口が動き言葉とは異なる音を紡ぎ意識を無視して長々と続け唐突に終わると上空から何かが落ちて腕を切断と同時に潰した。

痛みは無く、それでも反射的に叫んでのたうち回るも直ぐに異常を覚え切断されたはずの腕には何事もなく其処に在り普通に動かせた。

混乱しながら落ちてきた何かを見ると狂気という凶器な切ると殴るを同時に熟すことを目的に作られた武器が傾いていた。

自然と笑いが出る。

「いいだでしょう。何を目的とするか。それは有する者の選択次第。なら目的は変わりません。」

勢いよく立ち上がり武器を持って山の頂を目指す。


近くて遠い。とは何の引用だったろうか。

山に入ると指標となる道もなく剥き出しの岩肌。

杖変わりとしている武器を放り投げたくなる程の傾斜で上を目指しているのに下がっている感覚。

ふむ。

と立ち止まり足を休めながら仰ぎ見る。

見えている山頂。

足下には変わらずの砂利と岩肌。

草木の芽すら生えていない乾いた土地。

大変な想いをしてまで何を目的に登っているのだろう。

「めんどうだ。」

一発で地面を抉る力を解放し、その衝撃に乗せて頂上に到着し振り返ると。

同じ位置だった。

笑ってしまった。


穴深く。

複数の穴が山肌に作られていた。

穴を作り出した者は何も発せず黙々と穴を作っていく。

作業は単純。一定の距離を取って膝を着いて両手を当てて適当に左右何方でも構わず回転させる。

すると栓を抜くように両手で回転させた範囲が回り螺旋を描いて抜けていく。

その作業を何百と繰り返した結果。

山は少しの力で事が起こるまで進まされていた。

「足下に敷いた小石と穴だらけの山肌。んくくふ。さあ何が起こりますやら。」

少し飛び着地すると音が振動し脆い地面は落ちて崩落して森林へと流れていく。

「さらにぃい。」

手を前に構えて言葉を出して放つ。

丸いものが現れ微速で進み。

土砂に根元を埋め尽くされた森林の上で止まり。

同じ構えでいたが両腕を開いて勢いよく手を鳴らすと。同調するように丸いものは強い多量の煙と強烈な光。

そして高温を伴った音で森林含めた地表を根刮ぎ剥ぎ取るように弾け飛んだ。


声がした。

自分の声だと認識してため息を吐いた。

「なに。やったんですか自分。」

山を目指していたのは高い位置から周囲を見渡すため。現状把握するには高い場所を目指すのが真っ当。

なのにこれでは。

落ち込みながら見渡せば抉れた地表と余波により崩落した山。

何も残らず残さず。瓦礫の山。その一つの頂で少し後悔していた。

しかし後悔したとて意味はなく遅い。

前を向いて切り替えようと、立ち上がり気づいた。

「ぁあ。そうてすね。これも必然と言えば当然です、か。」

山は崩して低くなり周りの森林は見事に地表ごと吹き飛ばされた。

それは邪魔する物がなく綺麗に地平まで見渡せるということ。

瓦礫の頂の立っているので少しの高低差であるが見渡せる。なので目的を果たせる。

幾つもの瓦礫を渡り歩いて調べると遠方に霞むが何やら人工的な物体が何箇所か。

そして大きな岩だと考えられるのが一つ。

振り返らず気づかなかったが人工的物体の一つは空を貫く長い棒の様で何か世界観を壊している様にも見えた。

細めた目で見ても遠すぎるからか黒い棒にしか見えなかった。


人が居るかは別として人工的物体を見ると安心できた。


目測で近くに見えた場所へ向かっている。

其の途中に。

どう表現するのが正解なのだろうかと悩んだ。

それは在ると認識しているのに存在していない感覚。

言葉しとして表すなら『穴』がぽっかりと空いていた。

しかし認識できていたはずの穴が気を抜くと無くなり、また気付くと欠けた穴が現れる。

自分を疑いたくなるが正常だと思う。

そう考えて。穴を無視して先を急いだ。

暫くしてから振り返ると穴は無くなり振り返りと同時に駆け出した。

全てを飲み込む音を置き去りにして目的地へ向かい走り続けた。


目測で距離の近い場所を遠ざけ適当に選んだ場所まで走り抜いた。

数回呼吸を整えて見る。

堅牢な高い壁と鋭く抉る杭。

アレは追いかける事を諦めたのか何時か音が聞こえなくなっていた。

周囲を一通り回っていたが入れるような箇所は見当たらない。

一旦休憩するため手頃な場所で寝転がっていると。

納得した声が出ていた。

起きて見なくても当たり前のように設置されている水溜りでなく池。

不自然ではないが点在する池は何かの暗号をなのだろうか。

「ないですね。」

それでも何かあるかと池を調べると見にくい位置に扉が見えた。「一つが本物。後は偽物か罠が仕掛けられている。という可能性は。あります。」

少し調査して一つの池に絞り決意して飛び込んだ。


当たりだった。

池と壁との距離が長過ぎじ短すぎない池は一つだけ。

それ以外は罠が作動し毒池になるか池が渦を形成して池自体が消えた。

それ以外にもいたが止めた。今は目的のために頭を使うことに専念する。

しばらく地下通路を進んでいると地上へと繋がる扉があった。警戒しながら開けると。

「誰もいないし。」

壁の向こう側にでたが無人だった。しかし街自体は綺麗で出来たばかりのようにも見える。

悩みそうになりながら切り替えて探索してみることにした。

手近な建物に入ろうとして扉が偽物だと分かった。

「扉に見えていたのは絵ですか。本物にしか見えないですよね。」

出来るだけの建物を調べ扉が飾りか絵であることを確認してこの街で一番に目立つ。城と呼ぶに相応しい建物へと向かっていく。


深い堀があり橋も掛けられ門の柵も上がっているがやはり門番は居らず素通りできた。 

城までに通る門は全て解放され何の気配すら感じる事なく入り進むと苦も無く大広間らしい部屋へ到着した。

何もない。

と考えていたが怪しすぎるテーブルの上には豪華な料理が並べられていた。

呆れの意味を込めた言葉。

テーブルの横を素通りして更に奥へと向かった。


透かされた気分を持って奥へ進むと謁見の間らしい部屋に到着した。

左右にはためく紋章が刻まれた旗。天井も高く照らされて眩しいとさえ思う。

しかしこの場に不釣り合いではなく。不似合いでもなく。そう場違いなものが存在していた。

「これはまたあからさまと。言うべきなのでしょうか。」

奥にあるのは玉座だろう。

しかし近づくと玉座ではなく何かの装置。

目の前まで来ても玉座はなく、変わりにあり得ない装置が王のように鎮座している。

逃げようかと思ったが何もしないのも何かに対して礼を欠いている気がするので装置に触れた。

と。

装置から光が差し真上に透明な枠が現れた。

それはこの世界の地図。

違和感のある地図。

それと点滅する箇所が一つ。

あからさまなので他に無いかを調べようとして前触れなく装置は停止した。

再び触れても何も起こらず。

「これだけですか。」

言葉にして虚しくなり謁見の間を後にした。


結論としては。

他の地点でも誰も居なかった。

人も含めて凡そ生物のカテゴリーに入る全てが存在していない。

可能性を考え立ち止まり自身以外を感知しようとしたが僅かばかりの動きさえ無かった。

あるのは無機質な装置。

人工物に在るなら理解出来たが凡そ人が居るはずのない場所にまで設置されていた操作装置。

起動して最初に表示されるのは地図と点滅。

それは全ての装置で同じであり、嫌でも気づく。

その地点へ向かえ。と

呆れるしかない。しかないが今の状況で手掛かりなく行動したとて意味が無いかもしれないのなら確実を選んだ方がマシでさえ在る。

そしてその地点は全地点の中央。

湖。

向かうしかないし一つの感情に支配されようとしていた。


握りしめる拳。息を吐き出し体内を巡る力を集約させる。

「はっ。」と失笑しながら解放する力の矛先は眼前の湖。

その中央に立つ怪物の置物。

加減する必要なく既にその域を超えていた。

両眼に宿るは憤怒。燃え上がるは怒気を乗せに乗せて見える全てを焦土と化すこと躊躇いなし。

構え。一拍なく放たれる何処まで知り得ない黒い業炎捕らえるは怪物。

直撃。

「はしないでしょう。」

の前に翼を生成し上へと逃げ恐怖を伴い襲いかかる。

しかし放たれた業炎の行き先は決まっていた。伸ばした腕を引き戻し軌道を逆へと曲げていく。 その先に怪物の背後。

しかし避けた。

直前に避けてその笑みはしたり顔。

なので軌道を更に修正して眼前で上方へと直角に。その直後に絶叫と爆音。

上から落ちてくるのは石の残骸。

だがそれら全てに生命があり脈打ち集まろうとしていた。

残骸の1個を拾って残り火に焚べると内部から悲鳴が轟く。

冷めた目を向ける。

全てから短くも確かな拒絶と恐怖が表れた。

集まろうとしていた残骸は逃げに転じていた。

だが追いかけずしかし追撃のように全てを把握して掌に力を集約させてから焔に変じ全ての残骸に灯して消滅させた。

全てが燃え尽きようとし頭に音が響くと目線の高さに現れた枠。

そしてその枠にはこう書かれていた。


警告。深刻なシステムエラーが検知されました。これ以降の仮想運用試験は危険と判断し強制処断します。


表示が消えると同時に全身が消えていく。

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