コラボ配信!
今回も読んでくださると嬉しいです。
その後は自己紹介を適当に行い、入学式を終え、教室に戻ると帰る流れになった。
新しくできた友人とカラオケに行った後、僕は家に帰ると配信を始める準備をする。今日の配信はコラボ配信だ。
僕はとある人物と通話を繋げ、配信を始める。
「こんにちは!森宮咲です!!」
「海野源です!」
そう。今日は七宮の提案でコラボ配信をすることになった。入学式が終わり、帰る途中に七宮からチャットアプリthis cordで「今日一緒に配信やりませんか?そこで今日のこととかも話していきましょうよ。」というメッセージがきたためである。
「それじゃあまずは今日の話からしていこうかな?いい?」
「うん。」
「今日学校の入学式だったんですけど……ね」
特定されないように気をつけながら今日会ったことを話す。ふとコメント欄を見ると、珍しい!や、青春してんなあや、源のくせによお!リア充が!などのコメントが溢れかえっている。
「まあそんなわけで、これからは僕と森宮のお二人で、そうだな、「げんさく」とかのコンビ名でゲーム配信とかしてこうかな?まあ今日は親睦を深めるためにマ〇カでも…… 」
僕がそう言いかけていると、急に携帯がなる。「すみません。携帯が……」と視聴者に報告しながら携帯を見ると「ほわいとぱれっと」本社からメールが来ていた。そのメールの内容としては、「今度のGWのライブで海野源は森宮咲とユニットを組んでもらいます。歌う曲は「青と春」でお願いします。あなたたちはトークパートもあるのでそちらの準備をお願いします。来週の日曜日から会場で準備を始めます。それと、今やっている配信でもちゃんと宣伝してください。」だった。僕はこの内容を素早く配信で報告する。
「あ、そうそう……今思い出しました……来月ですね、僕たち『ほわいとぱれっと』が名古屋ホールでライブを行います!現地でなくてもライブの様子はインターネット上で配信されるので、もし会場に行けない方もインターネット閲覧チケットを買っていただいて……」
「海野くんは……運営にめっちゃ媚びるね。」
「そりゃあ長ものにはまかれろって言葉をあるくらいだからしっかり運営には媚びていかないと……」
「みてください。皆さん。これが運営の犬です。私はこういうニンゲンが一番嫌いです。」
「ひどいな。でもこう言う反応の方が若干嬉しいまである。」
「ドM?」
「いや違う。」
「いやだよ?私。ドMのヤバい人が隣の席で授業受けてるの。」
「それじゃあ皆さん〜「げんさく」のマ〇カ、楽しんでください!」
「あ、話逸らした。」
僕たちはマリカを起動するため、スイッチを探しながら準備するのだった。
僕たちはマリカを起動するため、スイッチを探しながら準備するのだった。
「ワリカ」を起動する。。ワリカとはレースゲームで、自分の乗っている車を操作して一位を目指すというゲームである。しばらく「ワリカ」をやっていて思ったのだが、七宮は最初は関わりにくそうだななどと考えていたが、意外と2人でゲームやってみるとよく話すタイプで、仲良くなれた。ちょうど5レース目終わったあたりで休み時間ということで雑談をする流れとなった。
「いや、海野くんなんだかんだで強くない?」
「まあ、僕はゲームの申し子ですから?」
「うんうん。いつもしっかりゲーム裏で練習してるもんね。」
「ちょっと、森宮、それは……」
「そうやって裏でワリカ……裏ワリカしまくって練習してから配信では『僕、上手いですよ。』みたいな感じの雰囲気醸し出してるんでしょ。」
「ああああああああ!恥ずかしいよおおお!」
僕は七宮による暴露で悶絶する。これだけは知られたくなかった。僕は基本的に裏で練習しまくって、表ではそんなに練習してないよ? みたいな顔をしながら練習の成果を見せるのが僕のスタイルなのだ。恥ずかしい!なんかすごい恥ずかしい!
コメント欄にはへえ〜源くんかわいいねえ的なコメントが流れまくっている。この部分絶対明日切り抜かれるじゃん。
その時、匿名質問サービス(通称「まいまい」)が来た。僕は話を変えようとそちらに全力で反応する。
「あっ森宮!「まいまい」が来たからそっち見ていこうか。」
「また話逸らした。」
七宮が煽ると同時にコメント欄も「あっ話っそらした」的なコメントが流れている。僕は羞恥心に耐えながらも「まいまい」の質問を読み上げる。
「お二人に質問です。初対面の時どのような印象を抱きましたか?また今はどんな印象を持っていますか…… と。」
「なんかヒモっぽいなって。」
「辛辣だね。」
「なんか本当に女の子みたいな顔してるんですよ。彼。なんか真っ白い髪を後ろで束ねてて最初見た時はあ、女の子かな?って思いました。」
なぜか僕のことを絶賛する七宮に違和感を感じつつも。
「え?森宮どしたの?そんなベタ褒めで。まあ森宮の第一印象としては、あらいいですねって感じでした。」
「何それ?」
「なんかどちらかといえば可愛い系って感じでして。アバターと結構似てるかな?」
「あ、そろそろ時間ですね。海野くん、また配信しません?」
「あれ?もしかして気に入ってくれた感じ?おじさん嬉しいな。」
思わぬ七宮からの誘いに嬉しくなってしまい、テンションが上がってしまっていることに気づき、一度落ち着こうと考える。
「いや、きもいな。」
「辛辣」
「でもまあ今後はちょいちょい一緒に配信とかしましょうよ。」
その後、配信を切ると、七宮が少し話そうと言った。
「これからライブまで数週間ですのでちょっと練習しませんか?
「いいけど、どこで練習するの?」
「そうですね、少し運営さんと相談してみます。借りられそうなスタジオがあればお伝えしますね。」
「わかった。ありがとうね。それじゃおやすみ。」
僕はそう言って通話を切るのだった。
ライブまで後二週間か……
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