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さとうきび・そーど

作者: 久志木梓

 曹操(そうそう)健在の頃のこと。曹操の長子・曹丕(そうひ)は、宴にて将軍らと盛んに論じていた。論題は鄧展とうてん将軍の剣術についてである。白刃も素手で取ることができると、鄧展(とうてん)は自慢した。


 議論は白熱した。曹丕は鄧展の剣を悪しとし、鄧展はそれを認めなかった。曹丕は遂にすっくと立ち上がって言い放った。


「将軍の剣が良いか悪いか、何、ここで打ち合えば自ずと分かる」


 衆目は、すわ刃傷沙汰と色めきたった。


 したたかに酔った曹丕は、むずと棒状の物を掴んだ。南の呉の特産物、芋蔗(さとうきび)である。先程まで曹丕が神経質にがじがじと齧っていたものであった。


「さあ来い、将軍」


 歯型もくっきりとした芋蔗を凛然と構えて、曹丕は言った。


 勝った、と曹丕は自伝に記している。

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