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冬の童話祭2017『季節巡る国の童話』

無重力《ウニヴェルソ》の桜

作者:Win-CL
人々が地球という惑星を捨て、生活のステージを宇宙へと移した時代。
とある宇宙コロニーでは、かつて住んでいた地球を模倣するため
長い時間をかけて様々なことが行われていた。

昼夜の概念、コロニー内の緑化。
そして、コントロール・タワー《季節の塔》による、春夏秋冬、季節の再現。

物語の主人公であるタクトは、その塔で働くことを夢見ながらコロニーで生活していた。

そんな彼はある夏の日、貧民街で行き倒れになっていた一人の少女と出会う。
アイリスと名乗った少女は、幾ら尋ねられても家の場所も、親の名前も話すことはなく。
仕方がなく、タクトとその姉は彼女を家に置いておくことにしたのだった。

そのまま夏が過ぎ、秋が過ぎ。
時が流れると共に、アイリスもタクトたちの生活に馴染み始め。
冬も終わろうかという時期に、異変は起きた。

……冬が終わらない。春が来ない。

コントロール・タワーの異常なのか、他になにか原因があるのか
冬の再現として降らせていた雪が、止まることなく延々と降り続けていた。

交通網も麻痺し始め、人々の生活にも支障が出始めたころに
街中に設置されたディスプレイから、コロニー市長による一斉放送が流れる。

『季節を廻らせている女王の一人が《季節の塔》から抜け出し、
 コロニーの中へと出て行ったまま帰ってきていない』
『春の女王が戻ってこなければ、冬が終わり、春が来ることはない』
『春の女王を見つけ出し、連れてきたものには好きな褒美を取らせよう』

『この少女が――』

そして最後に映し出された映像に、タクトは息を呑んだ。
それは自分が貧民街で拾った少女、アイリスの姿だったのだから。
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