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もしも長篠の戦いが現代戦だったら

天正3年5月21日、ついに長篠の戦いの幕はきっておとされた。


ドドドドドド!


やはり武田の騎馬隊は、勢いよく織田軍の陣地へと突入してくる。


そしてこちらは武田勝頼の陣地。


「勝頼様。敵は自陣の前に柵を造っているようですが、何か意味でもあるのでしょうか?」

「知らぬ!あんな柵など、一気に踏みつぶせ!」

この長篠の戦いの意味合いは、戦法の大転換と言われている。


ドドドドドド!


織田軍の陣地では、鉄砲隊が撃つ準備をしている。

信長はこの戦法なら必ず勝てると言っていた。

が、やはり武田の騎馬隊を目の前にすると、緊張が走る。


「うわあ…。あれが武田の騎馬隊か…。」


そこに部隊長の命が下る。


「撃ち方始め!構え!」


この号令で鉄砲隊が一斉に構える。


「あれは!鉄砲隊か!?」

「気をつけろ、相手は鉄砲隊を擁している!」


鉄砲隊を見たとたんに、戸惑う武田軍。そして、鉄砲隊の部隊長の命が下る。


「撃てーっ!」


ババババババーン!


鉄砲隊の攻撃。


「うわっ!」

「ぐわっ!」


鉄砲の威力は敵の甲冑(かっちゅう)をも貫くほどのものだった。


「勝頼様!」

「ひるむな!鉄砲は次の弾を込めるまでに時間がかかるはず!それまでに敵陣に突っ込むのだ!」

「うわあ!馬が驚いて、言うことを聞かぬ!」


馬が鉄砲を撃つ時の音に驚いて、どうしたらいいかわからなくなっているようだ。


「うわあーっ!」


ドシャッ…!


その騎馬武者は馬から振り落とされ、そのまま落馬し、体を地面に打ちつけてそのまま死亡した。


鉄砲は直接敵に当てなくても、弾を撃つ時の轟音(ごうおん)で、馬が驚いて制御が効かなくなる。そうして馬に乗っている騎馬武者たちが、そのはずみで振り落とされて、落馬で死亡する。または、振り落とされた後に、暴れ回る馬に踏みつけられたりして死亡する者たちもいた。


こうして武田が誇る騎馬隊は、みるみる数を減らしていく。


「馬鹿なっ!こんなことになるとは…!」


勝頼は唖然呆然。十中八九、この戦は自分たちが勝つものと思っていたのに、よもやこのような結果になろうとは…。


この戦いで、武田軍は主だった武将をことごとく失い、10000人以上の戦死者を出した。


「勝頼様…!わが軍はもはや壊滅状態…!」


その報告を行った際に現れたのは、御霊由紀夫(みたま・ゆきお)と名乗る人物だった。


「何者だ!」

「ぬう…。そのいでたちは…。お主はこの時代の者ではないのか!?」


御霊由紀夫(みたま・ゆきお)


元は自衛官だったが、わけあってこの戦国の世に転生してきていたのだった。


「さよう、我が名は御霊由紀夫(みたま・ゆきお)

武田勝頼殿、この長篠の戦いは、まだ終わってはおりませぬ。」

「何を申す!既に我が武田の騎馬隊は、壊滅状態になっておるのだぞ!」

「おやおや、私はあなたがたに、力を貸してあげようと言っているのです。既に我が戦車部隊が、織田、徳川の陣地に向かっております。」

「戦車部隊だと…!?お主、お主が何を考えておるかは知らぬが、その戦車部隊とやらを使えば、あるいは我が方の形勢を逆転できるやもしれぬというのだな?」


御霊由紀夫(みたま・ゆきお)は不敵な笑みを浮かべた。一方でわずかに残っていた武田の家臣たちは、今までに聞いたことのない轟音を聞いて驚いていた。

「あ、あれが戦車というものなのか…。なんという、鉄の乗り物だ、先端に大砲(おおづつ)がついていて、見たこともない形状の車輪で走る、あれが戦車というものなのか…。」


戦車部隊は織田、徳川の陣地へと向かっていく。


一方の織田、徳川の陣地では、


「わっはっは!これで武田もおしまいじゃ!」

「ん?おいおい、見ろ!なんだあれは!」


それは御霊由紀夫(みたま・ゆきお)が送り込んだ、戦車部隊だった。


武田軍だけでなく、織田軍も、今までに見たこともない戦車という兵器を目の当たりにして、驚き、戸惑っていた。


「と、とにかく、撃て撃て!」


バン!バン!ババン!バン!バン!


キン!カン!カキン!キン!


鉄砲隊が火縄銃を撃つが、かたい装甲の戦車に対しては、火縄銃の弾など、まったく効かない。ことごとく、跳ね返されてしまう。


逆にこの鉄の乗り物である戦車の武器は、カノン砲だ。


「うわあ!鉄の化け物だ!かなわん!逃げろー!」


織田軍の鉄砲隊も、鉄の戦車には太刀打ちできず、逃げようとする。そこに戦車のカノン砲の砲弾が炸裂する。


ドーン!ドーン!


ドガーン!ズガガーン!


「ぐわっ!」

「ぎゃふっ!」


と、そこに現れたのは…!


「お、おいおい、なんだありゃあ!?」


上空を飛ぶのは、最新鋭の攻撃機。こちらもかなりの数だ。


もはやこれは、戦国自衛隊といった様相だ。


攻撃機は対戦車ミサイルで、戦車部隊を攻撃。


ビシュ!バシュ!


ドガーン!ズガガーン!


攻撃機の放った対戦車ミサイルが、戦車部隊に次々と命中。一両、また一両と、戦車は破壊されていく。


その様子を見ていた御霊由紀夫(みたま・ゆきお)は、


「ほう…、あちらも現代兵器を使ってきたか。

今回のところは、あいさつ程度で引き上げさせてもらうぞ。

言っておくがな、私はこの現代兵器を、武田だけではない、毛利や上杉や、北条、島津、伊達などにも、売り込んでいるところだ。」


そう言って、御霊由紀夫は去っていった。そして御霊由紀夫が差し向けた戦車部隊も、撤退していき、そして武田勝頼も、生き残ったわずかな手勢を連れて、撤退していった。



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