予告編
この話は、実際の歴史とは、多少異なる部分もありますが、大まかな流れはほぼ史実に沿っております。
また、基本的に歴史モノは、人名、地名など、読み方や書き方の難しい漢字が、数多く出てくるため、ふりがなをふってあることが多いです。
時は、西暦2016年…。
僕は、高山一郎(仮名)。
ごく平凡な、どこにでもいるような、そして、これといった取り柄のないような、冴えない男子中高生である。
しかし、僕は突然命を失い、歴史上のとある時代に転生することになったのだ。
天海大僧正。
今回はなぜか、この天海大僧正という人物に転生したお話である。
天海大僧正といえば、戦国末期から江戸初期の時代に突如として現れ、ときの将軍家康、秀忠、家光の三代の将軍に仕え、徳川幕府の黎明期にその体制づくりの手助けをした、といったらいいのか…。
一方で、怪僧ともいわれたこの天海大僧正は、実は、あの明智光秀が、山崎の合戦で敗れた後、竹槍で襲われて殺されたといわれていたのが、
実は死んではいなくて、生き延びていた、そしてその後も密かに生き延びた、明智光秀が、天海大僧正になりすました、という説がある。
しかしこれはさすがに、本当のことなのかどうかはわからない。
そもそも、天海大僧正の前半生については、ほとんど記録が残っていないからだ。
三代将軍家光の時代まで長生きして、なんとこの当時に、108歳まで生きたというから、
そこから計算すると、生まれたのはまさにその、明智光秀らが生まれた頃の、西暦1536年頃という計算になる。
そしてこの僕、高山一郎が、転生したのは、まさにその、1536年頃の時代だったのだ…。
そこから、長い長い、本当に長い、天海大僧正の、108年にも及ぶ、転生の旅が始まるのだった…。
それにしても思うことは、こんな時代から生きてきて、よくその途中で、殺されたりとかしなかったな、病気とかにもならないで、この時代に108歳まで生きたのか…?と。
はてさて、どうなることやら…。もう物語は始まってしまったぞ…。