成長
あの騒動でラミに対しての評価が改まった。
そんなかんやで10歳を迎える。
この世界の10の歳は、縁起が良いものとされ、10区切りで大きな誕生日会を開かれる。
誕生日会は屋敷の大広間で行われた。
「お嬢様に使用人一同から贈り物があります。」
そう言うメイドさん(後に知ったが名前はシルト)代表にドレスを頂いた。
素材も拘りそれ以上に見た目に力をいれた手作りの物らしく、
ラミの華奢な体を際立たせる物だった。
ラミはいつも女服を着せられてたばかりで抵抗はない。
(女装癖が染み付いたな...)
次男ライクからの贈り物は全身を覆う白いローブであった。
曰く素材は魔大陸の灰色狼の毛から作られたもので魔力と相性がいいらしい。
魔大陸の前線で先鋭を率いる長男ディンは、この日の為に前線を抜けてきたらしい。
何度か剣と魔法を見てもらったが王家随一の実力だった。
「きっと役に立つ」
渡されたのは、彫って装飾されただけの指輪だった。
長男のディンは
「素材は賢者に達した英雄の血だ」
と自慢げに言っている。
魔力が相変わらずなラミには十分すぎる代物だった。
賢者の遺産と呼ばれる物の一つらしく生物の生命エネルギーを魔力に転換できるからだ。
さすがは、勇者の咲き帰りと言われるディンだ。
父からの贈り物を期待してたが、渡されたのは「鍵」だった。
ディンとライクは
「もうそんな時期か」
「楽しみだな」
ラミはには意味がわからなかった。
父は「明日の朝、顔を出せ。」
父は祝福をするように笑ってみせた。