そして男の娘は...
(上手くいった!)
ラミは、メイドが戦闘不能になるのを横目に勝利を噛み締めていた。
いつの間にか屋敷の執事、メイド、しまいにはラミの父までもが集まって観客となっていた。
魔法も、剣も平均値だったラミが教育係りのメイドを打ち破った。
そんな事実が皆を呆然とさせる。
まぐれではなく、メイドが弱いわけでもなかった。
「美しい...」
最初に沈黙を破った一言だった。
異を唱えるものなどいない、それだけラミが美しかったのである。
派手さはなくても...
力強さがなくても...
(((まっすぐだ)))
ラミは、戦友の首筋にキスをした。この世界の感謝の意の行為である。
ラミは、意識が消える前に、メイドに、ありがとうと言った。
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(褒めたい、抱きしめたい...けど意識が...)
一言でいいから今ここで言いたい、信じてました。と。
けど、メイドの体はいう事を聞かない。
あがいてるメイドは、首筋にキスをされたのに気がつく。
そしてラミのありがとうの言葉。
(お嬢様...胸を張ってください、最後の「光」と「水」の混合魔法は上出来でしたよ....)
もちろんラミには届かない。
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(さてどうするか...)
「注目」を行使したばっかりに沢山の人が集まっていた。
その中の父にラミは説明をしようとしたが。
父は、
「なにも言わなくていい、お前は越えたんだ、師匠そして皆の評価を!」
この日を境に使用人の間で
ラミには戦女神が宿っていると噂されることになる。
次回は次の章入ります。
いつの間に380PV!?
糧にして頑張ります。