答え
メイドは後悔していた、
(子供相手に....あぁ、お嬢様が落ち込んでる)
そう思ったやさきメイドはラミに勝負を挑まれてしまった。
メイドといえ、この敷地の者は皆、警備員を課せられている。
当然、メイドだけではなく皆、冒険者としてやっていける程である。
(どうしよう、傷を付けてしまったら...)
メイドは悩み、怪我しない程度と考えていた。
だが目の前のラミの表情がそれを許してはくれなかった。
(お嬢様もあんな男らしい顔するのですね...)
「お嬢様、全力で行かせて貰います!」
一方、ラミの脳は戦いに備え習ったことを反復してた。
初級レベルの魔法
ラルクに教えてもらった身体強化
身に宿る「力」
(いける...いくらメイドさんが万能でも工夫次第で...)
ラミとメイドは敷地内の奥に進んだ。
ここなら魔法が暴発しても大丈夫だからだ。
「お嬢様の武器はナイフですか。」
そう言うメイドはロングソードを構えている。
ラミは、刃渡り30cmのナイフを片手に持ち腰を低くして構えている。
銀髪は邪魔だったから結んでいる
「お嬢様、いい構えです。」
「メイドさん、遠慮はしないでください。殺す気で行きます。」
メイドがラミに上段、打ち込みを入れた。
危うくナイフで捉えきれなくなりそうだったが、ラミは持ちこたえた。
もう一度、上段
と、見せかけてメイドは手首で剣の起動を変えた。
ラミは、魔法で砂を生成、放出。そして砂煙を巻き上げ、ナイフで剣を受けた。
メイドは後ろに下がり牽制した。
砂煙からはラミの姿が見えない。前に見た土魔法を警戒する。
メイドは「風」+「水」の混合魔法で蒸気を含んだ中位の竜巻を生成した。
それを砂煙に撃とうとした刹那。
ラミが光を拳に握ったまま走ってきた。
身体強化魔法で速度が増したラミとメイドの距離が小さくなった。
(この距離で撃てば巻き込まれる。)
そう思ったメイドは片手でロングソードを縦に振る最中、片手の魔法を分散した。
メイドが剣を両手で持ち替えた時にはラミが目の前にいた。
(目、目が話せない。)
メイドの視界にはラミの上半身しか映って無かった。
だが、異変に気がついた頃には間にあわなかった。
赤緑白青...メイドに情報の暴力が襲った。
脳が悲鳴をあげ膝から崩れる。
目の前に気配を感じたが意識が朦朧とする。
(ふ.ふふ...お嬢様、お見事です...)
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ロングソードから放たれる衝撃で骨が軋む。
(あ、メイドさん、全力だ)
土魔術で砂煙を巻き上げる。
一瞬の時間稼ぎだが全力で光魔法を生成する。
魔力で身体強化を行い全力で走った。
身体強化は、体にある管に魔力を込めて行う。人それぞれ管の数が違い、多いほど強化される。
走りながら片手の光魔法を変化させて色をつける。
メイドさんは、驚いていた。
どうやら奇襲という形になったようだ。
体に力を込め、「注目」を上半身に発動する。
放つ予定の光魔法は、目線に合わせ放つ必要があるからだ。
メイドさんは片手に魔力を込めてたせいで、降られたロングソードを難なくかわせた。
(喰らえ、千色妨害雨)
メイドさんは膝からガクッと崩れた。
(か...勝った!!!)
また、あいましょう!