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最大の逃げ
季節も変わり、基本魔法の訓練は本詰を迎えていた。
混合魔法の活用
「風」+「火」の熱暴風に挑んでいた。
一属性魔法もままならないラミにとっては無理難題だった。
「メイドさん...何度しても上手くいかないや。
やっぱり僕皆の言うとおり...無能。」
本音がこぼれてしまった。
「お嬢様、自分を責めることは最大の逃げです。
自分を責めて満足するのは辞めてください。」
「メイド....さん?」
ラミは、知っていた。
抗いもせず
誰かのせいだ
何かのせいだ...
仕方が無いんだ....
そんなことばかりで、変わろうとしないで逃げてきた。
(あいつと同じだ....)
ラミは今の自分と前の自分が重なって見えた。
(そうだ...捨てよう、前までの自分を....)
「お...お嬢様?」
「メイドさん、その通りです。そんな僕のお願いを聞いてください。」
ラミは言った。
「手合わせをお願いします」