工夫しだい
きまぐれ投票です。
ラミはメイドさんとの訓練が始まる前【土砂爆発】の練習を行った。
ラミはどうにか大規模で爆発を起こせるか試行錯誤をしていた。
この世界の魔法の価値は広範囲での殲滅力から来ている。
ラミの【土砂爆発】でいくら威力を強くしても単体魔法では魔法として価値がない。
単体相手なら剣士が剣を振るった方が楽だからだ。
ラミは敷地の砂に魔力を纏わせ、それを覆うように土を生成した。
(圧縮、圧縮、圧縮、圧縮 、はぁ四回で限界か)
土の玉の大きさは二倍になった。
(空中で土玉を解放、なおかつ飛散した土で攻撃範囲を抑え威力を維持...)
(解放...)
ボシュウゥという音と共に四方に炸裂威力向上とはいかなかった。
(やはり魔力量か.....)
ラミがそんなことを考えていたやさき、メイドさんが青ざめた顔で向かってきた。
(言い逃れは....無理だな)
「お嬢様、顔に土が、あぁ怪我はないですか?
あぁ、どうしよ、えぇ、まず、なんでこうなったのでしょうか?」
「魔法の練習を....ダメでしたか...?」
ラミは許しを得るため上目遣いで答えた。
「魔法の練習?い...いえ、それいいことですが。このような威力の魔法教えてませんけど?」
(この世界の物理の知識でどう説明すれば...?)
ラミは開き直っていっそメイドさんにアドバイスを貰おうと考えた。
「僕のオリジナルです。けど僕の魔力量じゃこの程度です。」
「いえ、お嬢様。威力は土魔術からみれば大きい方です。
え....魔力が尽きたのなら、剣の扱いを今日は学びます。」
それからラミは様々な種類の武器を手にし振るった。
どれも重くリーチが長かった、その中でしっくりきたのがショートソードだった。
「お嬢様は今日はゆっくり休んでください。」
ラミはその日の夕食のあと父に呼ばれた。
「ラミ、お前はどうやら器用に魔法を使うそうじゃないか。」
いきなり褒められたラミは強張ってしまった。
「ラミ、そんなに緊張しなくてもよい、呼んだのはお前に魔法を教えるためだ。」
父は手を開く。
「見てろ。」
そう言ってラミの父は、魔法で生成する。
手のひらに光が宿った。
「これは光魔法だ、冒険者なら誰でもつかえる。だか....」
途端光がギラギラ揺れ、反射の具合で色が変わり続けている。
全く趣旨が見えないラミは聞いた。
「どういった魔法なんですか?」
「人の頭に情報がいっぺんに入り込むとどうなる?」
やはり父は偉大だった。
「魔法は工夫しだいですね。」
ラミはそういうと父は、よろしいと一言。
(今日は遅くなりそうだ。)